痴漢事件で示談
痴漢事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
ある夜、兵庫県神戸市兵庫区を走行中の電車内で、会社員のAは隣に座っていた若い女性Vさんのお尻を触ったとして、停車駅でVさんに手を掴まれて降車させられました。
Aさんは触ったことを認めており、そのまま駅員室に連れて行かれ、兵庫県兵庫警察署から駆け付けた警察官に現行犯逮捕されました。
翌日の夕方、Aさんは釈放となりましたが、Vさんに対しての謝罪と被害弁償をしたいと警察官に申し出ましたが、弁護士を通して示談するように勧められました。
そこで、Aさんは刑事事件に強い弁護士に相談しようと思い、法律事務所に電話を入れました。
(フィクションです)
示談とは
「示談」は、当事者間で話し合って問題を解決することをいいます。
より細かく言うと、加害者が被害者に対して相応の弁償金を支払う一方、被害者は被害届の提出を行わないなど、当事者間では今回の事件は解決したと約束することをいいます。
一般的には、弁護士が加害者を代理して、被害者と示談交渉を行います。
被害者側にも弁護士がたつこともあり、そうなれば代理人である弁護士間で実際に交渉することになります。
示談にも、その内容や効果により幾つかに種類分けすることができます。
(1)被害弁償
加害者が被害者に被害を金銭的に弁償すること。
成立した場合、将来の民事裁判の可能性を低くすることができます。
(2)単なる示談の成立
当事者が事件を解決すると約束すること。
成立した場合、将来の民事裁判を予防することができます。
(3)宥恕付き示談の成立
示談書の中に、被害者の許しの意思が表示されること。
成立した場合、事件が当事者間で完全に解決し、被害者が処罰を望んでいないことを表現することができます。
示談の効果
被害者がいる事件で、被害者と示談を成立することにより、どのような効果が期待されるのでしょうか。
上の(3)の宥恕付き示談書が成立した場合、加害者の処罰を望まないとする被害者の意思が表記されていますので、警察や検察もよほど事件が悪質で処罰が必要と判断されるものでない限り、加害者の身柄を確保し、捜査・起訴する可能性は低いでしょう。
親告罪の場合には、示談が成立し告訴が取下げされると、起訴することができませんので、取り下げられた時点で事件終了となります。
そのため、被害者がいる事件においては、早期に事件を解決する手段として、示談がよく用いられるのです。
示談をするときの注意
示談成立には大きなメリットがありますが、示談交渉や締結時の注意点もいくつかあります。
1.示談交渉は当事者間で行わない
加害者が、警察に被害者と示談交渉したいから連絡先を教えてほしいと頼んでも、連絡先を教えてくれることはあまりありません。
被害者は、加害者と接触することを望まず、警察から加害者の意向を伝えられても、自分の連絡先を教えることに不安を感じることが多いからです。
その点、弁護人限りであれば、連絡先を教えてもよいと回答されることが多くあります。
ですので、被害者との示談交渉には代理人である弁護士に依頼されるのが、より円滑に交渉を進める上で重要でしょう。
また、被害者の連絡先を知っている場合であっても、当事者間が直接交渉することはあまりお勧めしません。
話し合いが感情的になり、交渉がうまくいかないことが多かったり、その結果不当に高い示談金が求められることになり得るからです。
2.示談書を作成すること
示談をする場合、ちきんと書面にすることが大事です。
口頭で示談が成立したといっても、それを警察・検察・裁判所に証明することが難しいからです。
示談が成立したら、すぐに書面にするよう弁護士に頼みましょう。
痴漢事件において、示談は事件の早期解決に有効な手段と言えます。
痴漢事件を起こしてお悩みの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
痴漢事件をはじめ数多くの刑事事件を取り扱い、示談交渉にも豊富な経験を持つ弁護士が、直接ご相談をお受けします。
詳しくは、フリーダイヤル0120-631-881まで。