兵庫県尼崎市の警察鬼ごっこ事件 少年事件なら弁護士に相談

2018-05-28

兵庫県尼崎市の警察鬼ごっこ事件 少年事件なら弁護士に相談

高校生のAくん(17歳)は、仲間と共謀し、嘘の通報で兵庫県尼崎東警察署の警察官を呼び出しました。
Aくんらは、到着した警察官に、「こっちじゃ、ぼけ」などと暴言を吐き、追いかけてくる警察官から逃げていましたが、Aくんは警察官に捕まってしまいました。
Aくんらは、「警察鬼ごっこ」と称して何度も嘘の通報をしていました。
(フィクションです)

警察鬼ごっこはいたずらでは済まない!?】
警察鬼ごっこ」「ポリ鬼ごっこ」という度が過ぎたいたずらが、数年前から若者たちの間で広まっています。
警察鬼ごっこ」とは、概して、警察を挑発して、警察官の目の前で犯罪行為に類する行動を行い、追いかけてくる警察官(=「鬼」)から逃げることでスリルを味わういたずらのことを指します。
典型的なのが、嘘の通報で警察官をおびき出して、バイクで逃げるものです。
それでは、このような「警察鬼ごっこ」は、どのような犯罪が成立する可能性があるのでしょうか。

《嘘の通報》
嘘の犯罪を警察に通報した場合、軽犯罪法1条16号の「虚構の犯罪または災害の事実を公務員に申し出た者」または32号の「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」に該当する可能性があります。
軽犯罪法違反の法定刑は、拘留(1日以上30日未満、刑事施設に拘置される自由刑)または科料(1000円以上1万円未満を納めさせる財産刑)です。

しかし、警察や消防等に徒労させる目的での嘘の通報は、業務妨害罪に問われる可能性もあります。
「業務妨害罪」には、虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて人の業務を妨害する「偽計業務妨害罪」と、威力を用いて人の業務を妨害する「威力業務妨害罪」とがあります。
「偽計業務妨害罪」と「威力業務妨害罪」は、前者が間接的・無形的な方法で人の業務を妨害する行為を処罰するのに対して、後者は直接的・有形的な方法で人の業務を妨害する行為を処罰すると観念的に区別されますが、実際の区別は具体的場面においてしばしば困難となります。
警察鬼ごっこ」で問題となるのは、「偽計業務妨害罪」です。
「偽計」とは、人を欺罔・誘惑し、または他人の無知・錯誤を利用することをです。
嘘の通報で警察官に事件が発生したと思わせ、出動させているので、警察鬼ごっこは、「偽計を用いて」に当てはまるでしょう。
また、実行行為の「人の業務を妨害する」における「業務」は、自然人または法人、その他の団体が社会生活上の地位において、あるいはこれと関連して行う職業その他の継続して従事することを必要とする事務を言います。
ここで問題となるのが、この「業務」に「公務」が含まれるか、という点です。
「公務」については、「公務執行妨害罪」で保護されていますが、それは「暴行または脅迫が加えられた場合」に限られます。
この点、現在の判例・通説は、公務の性質により「業務」に含まれるものと含まれないものとがあると考えています。
その区分基準については、権力的公務か否かによるとするのが従来の多数説であり、最決昭62・3・12では、「強制力を行使する権力的公務」は「業務」に含まれないが、「それ以外の行為(強制力を行使しない公務)は「業務」に含まれるとしています。
偽計業務妨害の場合の考え方としては、判例は、警察の活動から直ちに「強制力を行使する権力的公務」であると考えるべきではなく、具体的に当該公務が強制力を行使し得る段階にあるかが問題とされており、嘘の通報で警察を出動させるような場合、出動それ自体は強制力を行使して職務を執行しようとしているのではないから、「強制力を行使しない公務」であり、偽計業務妨害罪の「業務」に当たるとされています。
偽計業務妨害罪の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

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