児童買春罪と未必の故意

2019-03-19

児童買春罪と未必の故意

~ケース~
会社員のAさんは、出会い系サイトで知り合った女性V(16歳)さんと、お金を渡す約束をして、兵庫県加西市のホテルで性行為をしました。
Vさんと知り合った出会い系サイトは、18歳以上の者だけが登録できるサイトであり、Vさんのプロフィールにも「20歳前半」となっていたので、AさんはVさんは18歳以上だと思っていました。
しかし、実際にVさんに会うと、Vさんの容姿や会話内容から、「もしかしたら18歳未満かもしれない」と思いましたが、約束通りVさんにお金を渡して性行為をしました。
後日、Vさんが別件で兵庫県加西警察署に補導されたことから、Aさんとのことが発覚し、Aさんは兵庫県加西警察署児童買春の容疑で逮捕されました。
(フィクションです)

児童買春罪

「犯罪」は、「構成要件に該当し、違法で有責な行為」です。
「構成要件に該当する」というのは、ある行為が、犯罪を定めた規定に当てはまることを意味します。
あなたが、何らかの行為を行ったが、その行為が犯罪だと法で定められていなければ、あなたが犯罪を犯したということにはなりません。
つまり、法律により犯罪として決められた行為類型(「構成要件」)に該当するか否かという点が、犯罪が成立するかどうかを検討するにあたり、最初に問題になるのです。

児童買春罪は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律に規定されています。

第四条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

児童買春罪の構成要件は、「児童買春をした」行為となります。

それでは、「児童買春」とは如何なる行為をいうのでしょうか。
これについても、同法において規定されています。

第ニ条
2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者

つまり、児童買春罪の構成要件は、以下の要素からなります。
・児童、児童に対する性交等を周旋した者、児童の保護者等に、
・対償を供与し、又はその供与を約束して、
・児童に対し、性交等をした
上記ケースでは、Aさんは、16歳のVさんに対して、お金を渡して、性行為をしたので、上記の要件に該当することになるでしょう。

さて、構成要件が成立するためには、上記の要素に加えて、罪を犯す意思(故意)が必要となります。
Aさんが、「児童等に、対償を供与・供与の約束として、児童と性交等する」ことを認識していたか否かが問題となります。
故意の様態は、一般的に次のように区別されます。
①犯罪事実の実現を意図する場合
②犯罪事実の発生を確定的なこととして認識・予見している場合
③犯罪事実の確定的な認識・予見はないが、その蓋然性を認識・予見している一定の場合
③を「未必の故意」といいます。
Aさんに対して児童買春罪が成立するためには、「故意」がなければ成立しません。
Aさんが、Vさんを18歳未満だと認識していなかった場合には、児童買春罪は成立しません。
しかし、AさんはVさんと会い「18歳未満かもしれない」と思っていますが、そのまま性行為を行っています。
この場合、「未必の故意」があると判断され、児童買春罪が成立する可能性があります。
AさんがVさんに年齢確認を求めた際、Vさんが偽造した運転免許証を提示するなど、Aさんが「Vさんを18歳未満だと知らなかったことに正当性が認められる場合には、故意はなく児童買春罪は成立しないことになります。
そのような故意がないことを立証するためには、単に「知らなかった」と主張するだけでは難しいでしょう。

児童買春罪で逮捕されてお困りの方、18歳未満だと知らなかったとお悩みの方は、児童買春事件に強い刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に今すぐご相談ください。
詳しくは、0120-631-881までお問い合わせください。