児童ポルノ禁止法違反事件で逮捕

児童ポルノ禁止法違反事件で逮捕

児童ポルノ禁止法違反事件での逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県に住む高校生のAくん(16歳)は、兵庫県加東警察署児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕されました。
Aくんは、SNSで知り合った女子中学生に胸を露出した画像を撮影させ、自分のスマートフォンに送らせた疑いが持たれています。
逮捕されたAくんは、取調べ対応に困っています。
Aくんの両親は、急いで少年事件に強い弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです)

児童の裸を自撮りさせ、画像を送らせたら児童ポルノ禁止法違反!

裸の「自撮り画像」を送らされるという児童ポルノ禁止法違反事件が後を絶ちません。
画像を送ってしまった子供のほとんどは、交流サイトを通じて知り合った面識がない相手に、悩みを相談したら、「ばらす」と脅されて自撮りの画像を送ったり、裸の写真を交換しようなどとそそのかされて送ってしまった事例が多いようです。

児童ポルノ禁止法は、児童ポルノの所持・保管・提供・製造・輸出入・公然と陳列といった行為を禁止しています。
「児童ポルノ」の定義については、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の者であって、
①児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの。
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は茂樹するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの。
③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの。
としています。

平成27年5月に、児童ボルノ禁止法が一部改正され、児童ボルノの単純所持・保管でも処罰の対象となりましたが、自己の性的好奇心を満たす目的を有する場合が対象とされています。
自己の性的好奇心を満たす目的での児童ボルノの所持・保管の法定刑は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

また、児童ポルノを他人に提供した、又は提供目的で製造・所持・運搬・輸出入・保管した、若しくは提供目的なく児童ポルノを製造した、盗撮して児童ポルノを製造した場合の法定刑は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金となります。

更に、児童ポルノを不特定多数に提供・公然と陳列された場合には、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性があります。
児童ポルノを不特定多数に提供する目的での製造・所持・運搬・輸出入・保管の法定刑も同様です。

このように、未成年者自身が自身の裸の自撮り画像を相手に送った場合、児童ポルノ製造罪が成立する可能性があります。
児童ポルノ禁止法第7条4項は、
前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
とあり、他人に提供する目的を伴わないものであっても、児童に本法第2条3項各号に掲げる姿態をとらせた上、これを写真等によって描写し、よって当該児童に係る児童ポルノを製造することを処罰の対象としています。
「姿態をとらせ」とは、行為者の言動等により、当該児童が当該姿態をとるに至ったことをいい、強制によることは必要ではありません。
描写される児童が当該製造について同意していたことも必要ではありません。
しかし、自撮り写真を送った未成年者も、児童ポルノ禁止法では描写された児童は「被害者」として扱われることや被疑者扱いすると捜査の端緒が得られないなどの理由で、警察が児童自身を検挙することは稀であると言われています。

児童ポルノ禁止法違反逮捕されると、その後勾留され、長期の身体拘束となる可能性があるでしょう。
お子様が逮捕されたら、すぐに少年事件に強い弁護士にご相談ください。
逮捕から勾留までは、ご家族であっても逮捕された少年と会うことはできません。
しかし、弁護士であれば、いつでも少年と接見することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の少年事件専門の弁護士は、接見の依頼を受け直ちに少年のもとに赴き、接見を行います。
初回接見サービス」についてのお問い合わせは、フリーダイアル0120-631-881まで。

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