住居侵入事件で現行犯逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県宝塚市の会社の寮の敷地内に侵入したとして、Aくん(16歳)は、住人からの通報を受けて駆け付けた兵庫県宝塚警察署の警察官に住居侵入の容疑で逮捕されました。
Aくんは、取調べで「スマホでゲームをしようと思ったけど、お金がかからないようにしようとして、Wi-Fiが使えるところがないか探していた。」と供述しています。
逮捕の連絡を受けたAくんの家族は、ネットで検索し、刑事事件専門の弁護士に相談の連絡をしました。
(実際の事件を基にしたフィクションです。)
住居侵入罪
住居侵入罪は、正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入した場合に成立する罪です。
◇正当な理由がない◇
他人の家などを訪問したりすることは日常的に行われることですので、犯罪となるものを構成要件上明らかにしようとする意図から、「正当な理由がないのに」という文言が定められたと解されます。
どのような場合が「正当な理由」があるとされるのかと言えば、警察官が犯人を逮捕する場合に人の住居等に立ち入って捜索するとき、令状を得て屋内で検証するときなどがあります。
◇客体◇
【住居】
人の起臥寝食に使用される場所を「住居」といいます。
旅館やホテルの客室も、滞在者にとっては住居となり、アパートなどでは、その一部屋がその部屋の住人の住居となります。
【邸宅】
「邸宅」とは、住居用の建造物で、住居以外のものをいいます。
例えば、居住者のいない空き家や閉鎖された別荘などがあります。
集合住宅の通路や階段などの共用部分は邸宅です。
【建造物】
住居や邸宅以外の建造物を広く含み、土地に定着し、内部に人が出来るできる構造をもつ家屋その他これに類似した工作物です。
【艦船】
軍艦および船舶をいいます。
邸宅・建造物・船舶については「人の看守する」ものに限られます。
みだりに他人が出入りできないように人を監視させたり、鍵をかけるなどの戸締りをしている場合、「人の看守する」建物に当たります。
住居・邸宅・建造物については、建物自体だけでなく、付属する囲繞地も客体に含まれます。
◇侵入◇
「侵入する」とは、住居の場合は住居者、邸宅・建造物等の場合は看守者の意思に反して立ち入ることをいいます。
住居者や看守者が立入りについて許諾していた場合には、住居侵入罪は成立しません。
しかし、その許諾が欺罔などの錯誤に基づいて付与された場合には、許諾を無効し住居侵入罪が成立するものとされます。
住居侵入事件で現行犯逮捕されたら
住居侵入事件で現行犯逮捕となる場合、犯行時に住居者や看守者に目撃され、彼らに身柄確保されるケースや、通報により駆け付けた警察官に逮捕されるケースなどです。
住居侵入は、窃盗や盗撮など他の目的があって行われることが多く、その点についても取調べで聞かれるでしょう。
単なる好奇心による侵入の場合には、家族による監督が期待できると判断されれば逮捕後に釈放となる可能性はあるでしょう。
しかし、窃盗やわいせつ目的などがある場合には、逮捕後に勾留となる可能性もあります。
勾留されると、逮捕から最大で23日間身柄が拘束されることになりますので、その間学校や会社に行くことができません。
そうなれば、退学や解雇といったおそれも出てきます。
ご家族が住居侵入事件で逮捕されてお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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