準強制性交等(旧準強姦)罪で不起訴
準強制性交等(旧準強姦)罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
知人が主催する飲み会に参加したAさんは、参加者のVさんと飲み会で意気投合し、その後二人でカラオケ店に行きました。
カラオケ店の個室内で、AさんとVさんは性行為をしました。
後日、共通の知人からVさんがAさんにレイプされたと言っていると聞き、Aさんは驚きました。
AさんはVさんが合意していたものと思っており、当時Vさんは嫌がる様子はなかったと認識していました。
その後、Vさんが兵庫県豊岡南警察署に被害届を出しにいったと聞いたAさんは、怖くなり刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
準強制性交等(旧準強姦)罪とは
強制性交等(旧強姦)や準強制性交等(旧準強姦)事件では、加害者とされる方が、性交等について相手方との合意があったと認識されているケースが多く見受けられます。
そのようなケースの多くは、男女関係のもつれや、飲酒が関係しているものとなっています。
例えば、上記ケースのように、お互いにお酒を飲んでいて、その場の雰囲気で肉体関係を持ったものの、後日、相手方から「合意なくやられた」と被害が訴えられる場合です。
このようなケースでは、準強制性交等(旧準強姦)罪が成立するか否かが問われることになります。
準強制性交等(旧準強姦)罪とは、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じて、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をする犯罪をいいます。
まず、「心神喪失」というのはどういうことかというと、睡眠や泥酔などによる意識喪失や高度の精神障害などによって性的行為について正常な判断ができない状態にあることです。
ここでいう「心神喪失」は、刑事責任能力における「心神喪失」と同じ意味ではなく、重度の精神薄弱者などで、責任無能力の状態であっても、性交の意味を理解できる場合には、準強制性交等(旧準強姦)罪における「心神喪失」には当たらないと理解されます。
「抗拒不能」とは、物理的・心理的に、性交等に対して抵抗することが不可能であったり著しく困難な状態をいいます。
例えば、相手方を自分の配偶者や恋人と勘違いして性交等を行った場合も、抗拒不能に当たります。
また、心神喪失・抗拒不能に乗じて、または、これらの状態にさせて、性交等をすることの認識・容認も準強制性交等(旧準強姦)罪の成立に必要となります。
つまり、上記のケースに当てはめると、Aさんが、Vさんが泥酔しており、その状態であればVさんと性交できると思っていた、若しくは、Vさんは泥酔していて、ちゃんとした意識はないかもしれないと思っていたが、そのまま流れで性交した場合には、上の認識・容認(=故意)があり、準強制性交等(旧準強姦)罪が成立する可能性があります。
この故意の有無を争う場合には、加害者が「被害者の合意があった」と思うことに合理的な理由があることを客観的な証拠に基づいて主張する必要があります。
例えば、これまでの二人の関係や行為に及ぶまでの経緯、飲酒量や飲酒時・後の様子、行為後のやり取りなど、客観的に当時被害者が泥酔状態ではなかったことや、今までの経験から合意がなかったとは言えないことなどを立証していきます。
一方、罪を認める場合、被害者との示談締結が重要です。
準強制性交等(旧準強姦)罪は、親告罪ではありませんが、被害者との示談が成立していれば、検察官が起訴・不起訴を検討する際や、裁判官が量刑を判断する際には、重要な判断材料となります。
このように、準強制性交等(旧準強姦)事件の弁護活動は、容疑を認めるか否か、そして事件内容によっても異なりますので、詳しくは刑事事件に強い弁護士にご相談されるのがよいでしょう。
準強制性交等(旧準強姦)事件で加害者となりお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
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