覚せい剤所持罪で逮捕

2019-03-15

覚せい剤所持罪で逮捕

~ケース~
兵庫県警察は、覚せい剤の密売グループの捜査をしている過程で、Aさんが関与しているとの情報をつかみました。
その情報をもとに、警察は、兵庫県加東市に住むAさん宅を訪れ家宅捜査したところ、覚せい剤が見つかりました。
Aさんは、覚せい剤所持の疑いで現行犯逮捕となりました。
Aさんは、「覚せい剤は恋人が勝手に置いて行っただけで、自分は関係ない」と供述しています。
(フィクションです)

覚せい剤取締法違反事件

覚せい剤取締法は、覚せい剤の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、覚せい剤および覚せい剤原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受および使用に関して必要な取り締まりを行うことを目的とする法律です。
覚せい剤取締法の規制対象となる覚せい剤は、以下のものです。
①「フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパンおよび各その塩類」(法2条1項1号)
②「前号に掲げる物と同種の覚醒作用を有する物であって、政令で指定するもの」(2号)
③「①、②の物のいずれかを含有する物」(3号)
このことから、規制対象となる覚せい剤は、必ずしも純粋な覚せい剤に限らず、他の物と混合された物であっても「覚せい剤」に当たります。

覚せい剤所持罪

第十四条 覚せい剤製造業者、覚せい剤施用機関の開設者及び管理者、覚せい剤施用機関において診療に従事する医師、覚せい剤研究者並びに覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者の外は、何人も、覚せい剤を所持してはならない。

覚せい剤製造業者等の一定の資格を有する者が所持する場合等を除き、覚せい剤所持を禁止しています。

第四十一条の二 覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、一年以上の有期懲役に処し、又は情状により一年以上の有期懲役及び五百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

覚せい剤を「みだりに」「所持」する行為を処罰することとし、営利の目的があった場合を加重処罰することとしています。
つまり、覚せい剤所持罪は、「覚せい剤」を「みだりに」「所持」することにより成立します。

所持」とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為をいうのであって、その実力支配関係の持続する限り所持は存続するものというべく、かかる関係の存否は、各場合における諸般の事情に従い社会通念によって決定されるものである」(最大判昭30・12・21)と解されます。
覚せい剤所持に関する判例では、「物理的に把持する必要はなく、その存在を認識して管理し得る状態にある場合」、「直接所持しなくてもよく、他人の行為を介して自己の所持を実現したと認められる場合」、「所有者でない場合」、「比較的短時間の携帯にすぎない場合」においても所持を認めています。

また、所持罪が成立するためには、覚せい剤を自己の実力的支配内に置くことを認識していること(=故意)が必要です。
しかし、覚せい剤所持事件では、上記ケースのように、「知人が勝手に置いて行った」、「知人から預かっただけ」と主張するケースが多いようです。
つまり、覚せい剤所持罪の成立には、「所持」という行為と犯意(故意)の他に、「積極的に覚せい剤を自己又は他人のために保管する意思」や「自ら所有し又は使用、処分する意思」などが必要だと主張されることがありますが、所持罪の成立には、そのような意思まで必要とされません。
所持は、あくまで覚せい剤を自己の実力支配内に置く行為であればよく、その態様の如何を問いません。
ですので、覚せい剤と知りつつ自己の実力的支配内に置けば、所持罪は成立すると解されます。

覚せい剤事件で逮捕された場合、そのまま勾留となる可能性は高いと言えるでしょう。
また、犯罪組織とのつながりが疑われる場合には、接見禁止が付されることもあります。
逮捕から勾留までの間や、接見禁止が付された場合、例え被疑者の家族であっても被害者と面会することはできません。
しかし、そのような場合でも、弁護士であればいつでも面会(接見)することができます。

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