刑事事件における弁護人

2021-05-26

刑事事件における弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県宝塚市のアパートに住む女性の部屋に、わいせつ行為目的でベランダの窓から侵入したとして、兵庫県宝塚警察署はAさんを強制わいせつ未遂、住居侵入の容疑で逮捕しました。
Aさんは、取調官から弁護人を選任することができる旨の説明を受けましたが、刑事事件に詳しい弁護士に頼みたいと考えています。
(フィクションです。)

弁護人とは

日本国憲法は、被疑者・被告人に弁護人依頼権を保障しています。
これを受けて刑事訴訟法は、被疑者・被告人の弁護人依頼権を規定しており、被告人の国選弁護人選任請求権、及び被疑者の国選弁護人選任請求権についても規定しています。
被疑者・被告人に弁護人依頼権が保障されているのは、刑罰権を行使する国家権力に対して、刑罰を受ける被疑者・被告人は弱い立場にあるため、被疑者・被告人の権利・利益を保護する法律を熟知した専門家が必要だからです。
罪を犯したとされる者は、被疑者・被告人として刑事手続に付され、身体拘束などの個人の事由が制限されることがあります。
有罪となった者には刑罰が科され、罰金を収めたり、刑務所に収容されることがあります。
このような処分は、個人の自由や権利を大きく害するものであるため、適正な手続に基づいて事件を処理していかなければなりません。
罪を犯したとされる者は、適正な手続の下で処罰されるべきであり、有罪であった場合にも、適正な量刑がなされなければなりません。
弁護人は、被疑者・被告人の権利・利益を守る上で、欠かすことのできない重要な役割を担っています。

弁護人には、選任の点から、国選弁護人と私選弁護人の2種類に分類されます。

国選弁護人

貧困その他の事情により、弁護人を選任できない場合に、国の費用で裁判所が弁護人を選任する「国選弁護制度」というものがあります。
この制度により選任された弁護人を「国選弁護人」といいます。

国選弁護人は、国の費用で裁判所により選任されるため、被疑者・被告人がその弁護費用を負担することはありません。
匡が費用を負担するため、被疑者・被告人が国選弁護人制度を利用するためには、一定限度の資力の有無が要件となります。
その要件とは、被疑者・被告人の資力が50万円未満であること、です。
被疑者・被告人の資力が50万円以上の場合には、弁護士会に私選弁護人選任の申出を行っていることが必要となります。
申出を受けた弁護士会は、弁護人候補者を被疑者・被告人に紹介するのですが、弁護人なろうとする者がいないとき、または、照会した弁護人が選任の申し込みを拒んだときには、国選弁護人選任の手続に入ることになります。
その他にも、職権により、被疑者・被告人に国選弁護人が付される場合、起訴後に弁護人がいなければ開廷することができない必要的弁護事件で、弁護人が在廷しなかったり、いないときには、裁判長は職権で国選弁護人を選任します。

被疑者段階では、勾留に付されてから国選弁護人が選任されます。
被疑者国選弁護制度には、職権による場合と請求による場合とがあります。
職権による場合とは、死刑、無期、または長期3年を超える懲役・禁錮にあたる事件で勾留状が発せられ、かつ弁護人がいない場合において、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある被疑者について、必要があるとみとめるときに、裁判官が職権で国選弁護人を付するものです。
請求による場合は、被疑者段階で弁護費用を支払う資力のない被疑者に対して、国の負担で弁護人を付す制度です。
被疑者国選弁護制度は、勾留状が発せられていることが要件となっておりますので、逮捕段階では適用されません。

起訴後は、被告人国選弁護制度が適用され、それには請求によるものと職権によるものとがあります。
職権による場合とは、被告人が未成年者、70歳以上、耳が聞こえない、口がきけない、心神喪失・心身耗弱の疑いがある、その他必要と認めるときに裁判所が職権で国選弁護人を選任するものや、弁護人がいなければ開廷することができない必要的弁護事件で、弁護人が在廷しなかったり、いないときに、裁判所が職権で国選弁護人を選任するものとがあります。
請求による場合は、資力50万円を基準とした要件を充たした被告人による請求を受け、裁判所が国選弁護人を選任するものです。

私選弁護人

私選弁護人は、被疑者・被告人、またはその家族等が依頼して選任する弁護人です。
国選弁護人とは異なり、弁護費用は自己負担となります。
しかし、被疑者・被告人やその家族が自ら弁護人を選ぶことができるので、刑事事件専門の弁護士や、信頼できる弁護士、実績がある弁護士など、好きな基準で選任することができる点が、国選弁護制度と異なります。
また、国選弁護人は勾留が決定してから選任することができるのに対して、私選弁護人は、身体拘束を受けていない在宅事件や、逮捕された直後から選任することができるため、勾留を回避するための活動や被害者の示談交渉などを早い段階から行うことができます。

適切な手続に基づいて事件を処理するよう、冤罪を防止するためにも、罪を犯したと疑われて対応にお困りであれば、できる限り早い段階から弁護士に相談されるのがよいでしょう。

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