刑事事件と前科前歴

2019-04-13

刑事事件と前科前歴

前科前歴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、電車で通勤しています。
ある日、会社の飲み会の帰りに電車に乗ったAさんは、隣に座っている女性が眠っているのをいいことに女性の太ももを触るなどしました。
Aさんが電車を降りる際に、女性から「触りましたよね。駅員室に行きましょう」と言われ、そのまま駅員室に連れて行かれました。
Aさんは、駆け付けた兵庫県甲子園警察署の警察官に逮捕され、翌日の夕方に釈放となりました。
Aさんは、前科が付くことは避けたいと思っています。
(フィクションです)

前科とは~前科と前歴の違い~

前科」という言葉は、正確な法律用語ではなく、通俗的に使用されているものですので、その意味は必ずしも明らかではありません。
しかし、一般的には、「前に刑に処せられた事実」を「前科」といいます。
「前に刑に処せられた」とは、全ての有罪の確定判決をいい、その刑が死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料である場合だけでなく、刑の免除、刑の執行免除が言い渡された場合も含みます。

一方、「前科」と似た言葉に「前歴」というものがあります。
前歴」は、「前科」も含めたより広い概念であり、警察や検察などの捜査機関により被害者として捜査対象となった事実を意味します。
不起訴となった場合にも、「前歴」はつくことになります。

前科」と「前歴」の最も大きな違いは、「有罪判決を受けたかどうか」という点です。

前科が及ぼす影響は?

前科が付くことで、就職や結婚など日常生活に何らかの支障が出ることは否定できません。
しかし、そのような事実上の不利益の他に、前科は、法律上においても一定の不利益をもたらすことになります。
例えば、以下のような不利益が挙げられます。
・執行猶予に付し得ない事由(刑法25条、27条の6)
・執行猶予の取消事由(刑法26条、26条の2、26条の3、27条の4、27条の6)
・再犯加重の事由(刑法56条、59条)
・仮釈放の取消事由(刑法29条1項)
・常習犯の認定事由(刑法186条、暴力行為等処罰二関スル法律1条ノ3、2条、盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律2条ないし4条)
・必要的保釈を消極とする事由(刑事訴訟法89条2号、3号)
・特定の法令が定める資格制限事由

資格制限事由は、個人が特定の職業や地位に就いたり、特定の営業活動等を行う場合に、法律が前科の存在を理由としてこれらの資格に就くことを制限するものです。
例えば、国家公務員や地方公務員については、執行猶予を含む禁固以上の刑に処せられた者は、刑の執行を終わり又はその執行を受けることがなくなるまでの公務員となる資格を有することができず、在職中にこれらの刑の言渡しを受けた者は、自動的にその地位を失うことになります。(国家公務員法38条2号、4号、地方公務員法16条2号、4号)

このような不利益を受けないためにも、前科が付くことを回避することが重要でしょう。
それでは、どのように前科が付くのを回避するのでしょうか。

先述しましたが、「有罪判決を受けた事実」が前科ですので、有罪判決を受けなければ前科が付くことはありません。
ですので、無罪判決を勝ち取れば言い訳ですが、日本の有罪率は99.9%と言われており、一度起訴されると無罪となるのは非常に厳しいと言えるでしょう。
逆に言えば、検察官は確実に有罪を立証できる証拠がなければ、起訴しないと言えるでしょう。
なので、確実に前科を付けないようにするためには、起訴されないこと、つまり、不起訴となることが重要です。
不起訴にもその理由により様々な種類に分けられますが、罪を認めている場合には、起訴猶予を目指すことになります。
「起訴猶予」とは、被疑事実が明白であり、起訴をすれば有罪となることは確実であるけれども、被疑者の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重や情状、そして被害者と示談が成立しているなどの事情を考慮し起訴しないとする処分です。
痴漢事件の場合には、被害者がいる事件ですので、早期に弁護士に示談交渉を依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
これまでも痴漢事件を含め数多くの刑事事件において不起訴を獲得し前科回避に成功した実績があります。
刑事事件を起こし、前科がつなかいか心配されているのであれば、一度弊所の弁護士にご相談ください。
初回の法律相談無料です。
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