建造物侵入事件での身柄解放

2020-01-09

建造物侵入事件での身柄解放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県加古郡稲美町にある学校に、深夜不法に侵入したとして、県内に住むAさんが建造物侵入の容疑で兵庫県加古川警察署に逮捕されました。
Aさんは容疑を認めていますが、何とか早期釈放とならないかと心配しています。
(フィクションです)

建造物侵入罪について

建造物侵入罪は、刑法第130条に規定されています。

第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

建造物侵入罪は、
①正当な理由がないのに、
②人の看守する建造物に
③侵入する
ことにより成立する犯罪です。

①正当な理由がないのに
「正当な理由がないのに」とは、違法にという意味です。
判例によれば、正当な理由のある侵入というのは、法令のより捜索等のため看守者の意に反して立ち入る場合のようなことをいい、看守者の意に反してまで建造物に立ち入ることを正当視するためには極めて強い理由が存在しなければならない、としています。(東京高判昭27・4・24)

②人の看守する建造物
「人の看守する」というのは、人が事実上管理・支配していることをいいます。(最判昭59・12・18)
「建造物」とは、住居、邸宅以外の建造物およびこれに付随する囲繞地をいいます。
人の起臥寝食に使用される場所を「住居」、人の住居の用に供せられる家屋に付属し、主として住居者の利用に供されるために区画された場所を「邸宅」といいます。

③侵入
「侵入」の意義についての学説には、意思侵害説と平穏侵害説とが主張されています。
前者は、住居者・看守者の意思に反する立ち入りを「侵入」とする立場で、後者は、住居等の事実上の平穏を侵害する態様での立ち入りを「侵入」とするものです。
判例は、意思侵害説に立っています。
この立場にたてば、許諾権者、つまり、管理権者の立入りについての許諾の有無によって建造物侵入罪が成立するか否かが決まることになりますが、この許諾権を誰が有するのかが問題となります。
建造物については、看守者が許諾権者となります。
看守者は、門衛や守衛とは異なり、建物について管理権限を有する者のことを指します。
立入りの許諾が欺罔などによる錯誤に基づいて与えられた場合、その許諾が有効なものと認められるかも問題となります。
判例は、許諾が錯誤に基づくものであれば、建造物侵入罪が成立するものとしています。
特に、一般に立ち入りが禁止されている場所へ、違法目的で立ち入ったケースにおいては、違法な目的を隠していたことから、侵入罪の成立を肯定した判例が多くなっています。

建造物侵入で逮捕されたら

建造物侵入事件で逮捕されると、逮捕から48時間以内に事件の証拠や書類とともに被疑者の身柄を検察に送致するか、それとも被疑者を釈放するかが決められます。
検察に送致された場合、検察は、身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放するか、あるいは裁判所に勾留請求をするかを決めます。
検察が勾留請求すると、今度は裁判官が被疑者を勾留すべきか否かの判断を行います。
裁判官が勾留を決定した場合、検察官が勾留請求をした日から、原則10日間、延長が認められれば最大で20日間の身体拘束を強いられることとなります。
そのような長期間身体を拘束されることとなれば、当然会社や学校に行くことはできませんので、退学や懲戒解雇となる可能性が生じます。
そのような事態を回避するためにも、逮捕されたら早期に身柄解放活動に着手することが重要です。
逮捕から勾留が決定するまでの限られた時間内に、勾留阻止を目指した活動を行わなければなりません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
数多くの身柄解放にも成功した実績があります。
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