強制わいせつ保護事件で試験観察

2019-04-18

強制わいせつ保護事件で試験観察

強制わいせつ保護事件と試験観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
ある夜、勉強のストレスを発散させようと近所をジョギングしようと思い立った中学3年生のAくん。
Aくんは、兵庫県豊岡市の路上をジョギングしていると、前方に帰宅途中の若い女性が目に入りました。
Aくんは、女性の背後から抱きつき、女性の胸を鷲掴みにしたところ、女性が大声で叫んで抵抗したので、我に返りその場から急いで走り去りました。
事件から数か月経ったある日のこと、兵庫県豊岡南警察署の警察官がAくん宅を訪れ、Aくんを強制わいせつの容疑で逮捕しました。
Aくんの両親は、慌てて少年事件に強い弁護士に相談し、弁護を依頼しました。
Aくんは、家庭裁判所豊岡支部に送致された後、第一回の審判で、試験観察処分が言い渡されました。
(フィクションです)

試験観察とは

少年事件は、原則、すべての事件が、捜査機関による捜査が終了すると、家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致されると、調査官による調査、少年審判を経て、少年の更生に適した処分が決定されます。
その処分には、中間処分と終局処分とがあります。

終局処分には、以下のような処分があります。
①保護処分決定(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)
②検察官逆送
③知事又は児童相談所長送致
④不処分
⑤審判不開始

一方、中間処分として「試験観察」という処分があります。
家庭裁判所は保護処分を決定するために必要があると認めるときに、相当の期間、少年を調査官の観察に付すとする家庭裁判所の決定を「試験観察」といいます。
試験観察は、少年に対する終局処分を一定期間保留し、その期間に少年の行動等を調査官の観察に付するために行われる中間処分です。
少年の更生にとって保護観察がいいのか、少年院送致がよいのか、すぐに判断することが出来ない場合に、試験観察とし、その期間に少年の要保護性に関する十分な調査を行い、また少年自身の更生に向けた行動や態度の改善を期待する制度です。
試験観察制度の趣旨については、次の2点がいわれています。
(1)十分な調査を尽くす趣旨
保護処分は、身体拘束等、少年の権利を制約するものであるので、少年審判においては、少年の要保護性に関する資料を十分に調査し、少年の行動等の観察も尽くして、慎重かつ適切な判断がされなければなりません。
そのため、少年にとって適切な処分を慎重に見極めるために、十分な調査を尽くさせるという趣旨があります。
(2)プロベーション機能を期待する趣旨
プロベーションとは、犯罪者に対し、矯正施設への収容を猶予し、社会内で指導監督や援助を加え、その経過が悪い場合には矯正施設に収容するという心理強制によって改善と社会復帰を図る制度のことをいいます。
試験観察では、終局処分をいったん保留することで、試験期間中の少年に心理的な影響を与え、更生を促す効果を期待するという側面が期待されます。

試験観察の要件について、少年法25条1項は、「保護処分を決定するために必要があると認めるとき」とのみ規定しています。
しかし、一般的には、以下の要件を満たす必要があるといわれています。
・保護処分に付する蓋然性があること。
・ただちに保護処分に付することができない、或いは付すのが相当でない事情があること。
・調査官の観察活動が必要であり、かつ、その結果、適切な終局決定ができる見込みがあること。
・相当期間内に観察目的を達成する見込みのあること。

試験観察の期間は、通常3か月から半年ほどです。

強制わいせつ保護事件の様な少年院送致の可能性がある場合、審判準備をする中で、ただちに終局的処分を決めるよりも、調査官による調査や関係者による働きかけや環境調整を行う方が、少年の更生のためになり、終局処分が少年にとってより良いものになると考えられる場合には、試験観察を利用することが良いこともあります。
この期間中における少年の様子から、社会内処遇での更生が可能だと判断されると、保護観察処分となる可能性は高まります。
そのため、付添人は、試験観察期間中、少年と定期的に連絡を取り、少年の生活を把握するとともに、面会を行い、少年の更生への意欲を高め、引き続き少年の生活環境の改善を行う等、試験観察の成果がより上がるよう努めます。

お子様が強制わいせつ事件を起こし、少年院送致のような重い処分になるのではないかと心配されているのであれば、まずは少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お子様の更生にとって適した処分となるよう少年事件に精通する弁護士が尽力します。
まずは、フリーダイアル0120-631-881までお問い合わせください。