ネグレクトで刑事事件

2019-01-11

ネグレクトで刑事事件

~ケース~
兵庫県加古郡播磨町に住むAさんは、1歳の子供に十分な食事を与えず、結果死亡させた事件で、兵庫県加古川警察署に保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕されました。
Aさんは、子供の育児について相談できる人もおらず、精神的に随分と参っていたと話しています。
(フィクションです)

児童虐待(ネグレクト)で刑事事件に

残念ながら、親からの虐待行為により身体的・精神的に大きな傷を負ってしまったり、命を失ってしまう子供たちが後を絶ちません。
このような児童虐待は社会的にも大きな問題となっています。
親などの保護者や、同居人などが児童に虐待を加えることを「児童虐待」といいます。
「児童虐待の防止等に関する法律」は、児童虐待を以下のように定義しています。

第二条 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。
一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

上記の第三号に当たる行為を「ネグレクト」と言います。
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れていかない等といった行為が挙げられます。
児童虐待の防止等に関する法律では、「児童虐待」を禁止していますが、この違反行為に対しては罰則を設けていません。

しかし、ネグレクトを行うことにより、「保護責任者遺棄罪」という犯罪が成立し、刑事責任が問われる可能性もあります。
「保護責任者遺棄罪」とは、保護責任者が、老年者・幼年者・身体障がい者・病者を遺棄、又はその生存に必要な保護をしなかったことにより成立する犯罪です。
ここでいう「保護責任者」とは、要扶養者の生命・身体の安全を保護すべき法律上の義務を負う者をいい、保護義務は、法令、契約、事務管理、そして条理などに基づくと考えられています。
上記ケースにおいては、Aさんは母親であり、子供の親権者であるので、民法上の親権者の監護義務を負うことになります。
そのような監護義務を負っているにもかかわらず、一人で食べ物を探し出し食事をとることが出来ない1歳の子供に十分な食事を与えないでいることは、生存に必要な保護をしなかったと判断されるでしょう。
Aさん自身も、母親としての監護義務、そして、十分な食べ物を与えないことにより子供が衰弱してしまうことを認識・認容していたと考えられ、故意があったと判断されるでしょう。
このように保護責任者遺棄の結果、要扶養者を死亡させてしまった場合には、保護責任者遺棄致死罪が成立することになります。
保護責任者遺棄罪の法定刑は、3月以上5年以下の懲役、保護責任者遺棄致死罪は、傷害罪と比較し、重い刑によって処断されることになり、3年以上の有期懲役となります。

保護責任者遺棄致死罪は、裁判員裁判の対象となる事件ですので、起訴された場合には、裁判員裁判となります。
裁判員裁判では、裁判官のみならず一般市民を代表する裁判員も参加するので、裁判員にも分かりやすく説明する必要があります。
裁判員裁判が予想される場合には、刑事事件を専門とし、裁判員裁判を含む刑事裁判に豊富な経験を持つ弁護士に弁護を依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする全国でも数少ない法律事務所です。
所属弁護士は、刑事事件を数多く取り扱ってきており、裁判員裁判を経験した弁護士も多数在籍しております。
兵庫県加古郡播磨町ネグレクトで保護責任者遺棄致死罪に問われている方、刑事事件でお困りの方は、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
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