侵入盗で逮捕

2019-04-11

侵入盗で逮捕

~ケース~
兵庫県丹波市内で夜間や住人が留守にしている日中に住宅に侵入し現金やクレジットカードなどを盗む侵入盗が多発していました。
これを受けて、兵庫県丹波警察署は、巡回などの警備を強化していました。
防犯カメラの映像から身元が判明し、同署は、県内に住むAさんとBさんを窃盗と住居侵入の容疑で逮捕しました。
(フィクションです)

侵入盗で成立し得る犯罪

人の住居や建物に忍び込み金品を盗む犯罪を「侵入盗」といいます。
その手口により、「空き巣」「居空き」「金庫破り」「事務所荒らし」などと呼ばれます。
兵庫県警察のデータによれば、平成30年度中の侵入盗の認知件数は2,741件、検挙件数は1,514件となっています。

侵入盗を行った場合、「住居侵入等罪」や「窃盗罪」に問われる可能性があります。

住居侵入等罪

まず、人の住居や建物に勝手に忍び込んだ行為については、「住居侵入等罪」が成立する可能性があります。

第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

住居侵入等罪の客体は、「人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船」です。
「人の住居」とは、犯人がその住居において単独で、あるいは他の者と共同で生活を営んでいるものではない住居のことを指します。
共同生活を営んでいた者であっても、それから離脱した場合には、その住居は「人」の住居となります。
例えば、家出中の子供が実父の家に強盗目的で深夜に侵入する行為は、住居侵入罪を構成することになります。
ここでいう「住居」というのは、人の起臥寝食に使用される場所で、旅館やホテルなどの客室に関しても、その利用が短時間であっても、起臥寝食に使用されるものである限り「住居」にあたると解されます。(名古屋高判昭26・3・3)
また、「人の看守する邸宅・建造物・艦船」についてですが、「人の看守する」とは「人が事実上管理・支配している」を意味し、「邸宅」は「人の住居の用に供せられる家屋に付属し、主として住居者の利用に供されるために区画された場所」をいい、「建造物」とは、住居・邸宅以外の建造物およびこの付属地も含みます。
「艦船」は、軍艦その他の船舶をいいます。

そして、住居侵入盗の行為は、「正当な理由がないのに侵入すること」です。
「侵入」の意義については、住居者や看守者の意思に反して立ち入ることであると解されます。
「正当な理由がないのに」とは、「違法に」という意味です。

窃盗罪

次に、人の者を盗むという行為については、「窃盗罪」に問われ得ます。

第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は、他人の財物を窃取するこ犯罪です。
窃盗罪の客体である「他人の財物」は、他人の占有する他人の財物であり、自己の財物であっても他人の占有に属し、または公務所の命令によって他人が看守しているものは他人の財物とみなされます。
「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己または第三者の占有に移すことを意味します。
窃取の手段や方法は問いません。
窃盗罪の成立には、上の要件に加えて、主観的要件を満たす必要があります。
主観的要件として、故意の他に「不法領得の意思」が必要であるか否かには争いがあります。
故意については、「財物が他人の占有に属していること」と「その占有を排除して財物を自己または第三者の占有に移すことを認識すること」が必要となります。
また「不法領得の意思」とは、「権利者を排除し他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従いこれを利用もしくは処分する意思」をいいます。(大判大4・5・21)

上記ケースのような侵入盗は、住居侵入等罪ならびに窃盗罪が成立すると考えられます。
そうすると、この2つの罪はどのような関係にあるのでしょうか。
侵入盗の場合、住居侵入盗罪と窃盗罪の牽連犯となります。
牽連犯とは、犯罪の手段もしくは結果である行為が、他の罪名に触れる場合をいいます。
住居侵入は、窃盗の手段であるからです。
この場合、その最も重い刑により処断することになりますので、法定刑が10年以下の懲役又は50万円以下の罰金である窃盗罪の刑により処断されることになります。

侵入盗は、人の住居や建物に忍び込み盗みを働いている点で犯行が悪質であると判断されるでしょう。
また、侵入盗を複数回行っている場合も、被害額も大きくなり、初犯であっても、公判請求され、有罪となれば実刑が言い渡される可能性もあります。
実刑を回避するには執行猶予付き判決を獲得する必要がありますが、そのためには被害者への被害弁償や示談締結、家族からの監督が期待できることや専門的な治療を受けていることなどといった再発防止のための環境が整っていることを、公判において客観的な証拠に基づき主張することが必要となります。
このような弁護活動は、刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

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