少年事件と示談交渉

2019-04-20

少年事件と示談交渉

少年事件示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市長田区に住むA君(17歳)は、高校からの帰り道、通学に利用する駅構内で、自分と同じように制服を着た女子高生に背後から近寄り、スカート内を持っていたスマートフォンで盗撮しました。
女子高生は、盗撮に直ぐ気付き、周囲の人に助けを求めたため、Aさんは直ぐに取り押さえられ、そのまま兵庫県長田警察署に連れて行かれました。
幸いAさんは逮捕されませんでしたが、引き続き警察署での取り調べを受けることとなりました。

少年事件と示談交渉

Aさんは17歳ですから、法律上は少年として扱われ、警察での捜査が終了した後は、刑事訴訟法に基づく裁判などではなく、少年法に基づいて家庭裁判所で審判を受けることになります。
少年法が適用される場合、成人とは異なる点がいくつかありますが、その1つが起訴猶予という制度についてです。

成人の場合、仮に犯罪が成立する場合であっても、検察官は事情により起訴をしないことができます。
このような場合に不起訴にされた場合を、一般に起訴猶予と呼んでいます。
本件のような盗撮事件の場合、事情にもよりますが、初犯ということであれば、被害者と示談をすることにより、起訴猶予になる可能性も十分にあります。
これに対し、少年には起訴猶予という制度はありません。
少年が犯人ではなかったとか、そもそも犯罪が成立しないというような場合でない限り、検察官は必ず事件を家庭裁判所に送らなければならないと決められています。
そのため、Aさんの場合には、被害者と示談をしたとしても、事件が家庭裁判所に送られるということになります。

それでは、Aさんの事件では示談は不要なのでしょうか。
すでに述べた通り、仮にAさんの事件で示談をしたとしても、事件は家庭裁判所に送致されますし、家庭裁判所で審判を受ける可能性は非常に高いです。
しかし、被害者が事件に対してどのような感情を抱いているかは、審判の中で処遇を決定する際の一つの考慮要素とされています。
また、家庭裁判所では、少年の保護者が事件に対してどのように向き合い、対応したかという部分を見られているのですが、少年の保護者が示談に消極的であった場合には、保護者が十分に事件に向き合っていないと判断され、保護者の監督能力が否定されてしまう可能性があります。
そのため、少年事件であっても示談交渉は必要になります。

示談交渉の仕方

Aさんは、たまたま駅にいた女子高生を盗撮しましたので、相手の氏名や連絡先を知りません。
また、示談というのは法律上「契約」に分類されますから、2019年現在では20歳以上しか行うことができません。
そのため、女子高生である被害者とは直接示談交渉をすることはできず、その保護者と示談交渉をしなければなりません。
そうすると、被害者の保護者の連絡先は一層分からないことになります。

このような場合、警察や検察庁、家庭裁判所といった機関が、加害者やその家族に、被害者やその保護者の連絡先を教えるということは通常ありません。
被害者としても、加害者と直接交渉することは恐怖を感じることでもありますし、被害届を出していることを知られると逆恨みされるのではないかと感じるようで、直接連絡を取り合うことには相当抵抗があるようです。
そのため、被害者のいる事件で、被害者と示談交渉をする場合には、まず相手方の連絡先を知るためにも、第三者である弁護士を付ける必要性が高いです。
弁護士は、法律上守秘義務を負っていますので、仮に警察等から被害者の連絡先を聞いたとしても、それを依頼者等に伝えてはいけないと決められています。
このような義務があるからこそ、被害者側も、弁護士限りという形で連絡先の開示に応じてくれることがあり、最終的に示談を成立させることも可能になります。

お子様が盗撮事件を起こしてしまいお困りの方、被害者との示談交渉にお悩みの方は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
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