特殊詐欺関与で少年院送致

2019-05-28

特殊詐欺関与で少年院送致

特殊詐欺事件での少年院送致について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県相生市の高齢女性Vさん宅に、弁護士の秘書だと名乗り、現金100万円を騙し取ったとして、兵庫県内に住む少年Aさん(17歳)が詐欺の容疑で兵庫県相生警察署に逮捕されました。
Aさんは、小遣い稼ぎのために、高額アルバイトとうたった特殊詐欺の受け子として複数件犯行に関与していました。
逮捕・勾留の後に、神戸家庭裁判所に送致され、審判では少年院送致の保護処分の決定がなされました。
(フィクションです)

少年の特殊詐欺への関与

銀行員や市役所職員、弁護士などを騙り、「還付金があるので振込先銀行のキャッシュカードを渡してください」とか、「お子様が交通事故で相手方に怪我を負わせてしまったので、慰謝料を今すぐ用意してください」などと言い、キャッシュカードや現金などを騙し取る特殊詐欺事件が後を絶ちません。
犯罪は組織的に行われることが多く、電話をかける「掛け子」、被害者から現金やキャッシュカードを受け取る「受け子」、受け取ったキャッシュカードを使ってATMから現金を引き出す「出し子」などといったように複数人で役割を分担して犯行におよびます。
これらの役割の中でも、「受け子」や「出し子」は警察に捕まる確率が高いため、犯罪組織は外部の人間を雇い、これらの役割を担わせることが多くなっています。
これらの役割を担う外部の人間は、ネットを介して「高額アルバイト」などと称して募ります。
簡単な仕事で高額の報酬がもらえるとあって、未成年者がこのような募集に応募することが多く、特殊詐欺の「受け子」や「出し子」として警察に逮捕されるケースが多々見受けられます。
特殊詐欺は今や社会問題となっており、厳罰の傾向にあります。
少年においても例外ではなく、初犯であっても、いきなり少年院送致となるケースも少なくありません。

少年院について

家庭裁判所が下す終局処分は、保護処分、不処分、審判不開始、検察官送致があります。
更に、保護処分は、保護観察、少年院送致、児童自立支援施設送致の3つがあります。

家庭裁判所の決定により保護処分として送致された少年や懲役・禁錮の言渡しを受けた16歳未満の少年を収容し、これらの少年に、その健全な育成を図ることを目的として矯正教育、社会復帰支援等を行う施設が「少年院」です。
再び非行を犯すことなく、社会に復帰させることが目的であるので、少年院における矯正教育は少年の更生の中核となります。
少年院送致となった少年は、人間関係や学校・職場でのルールなどに適切に対応する能力が不十分である場合が多く、少年が更生するためには、少年が社会に出たときに遭遇するであろう様々な困難を乗り越え、再び非行を犯すことなく社会で生活していくことができるよう、健全なものの見方や考え方を身に着けることが重要だからです。
矯正教育は、生活指導、職業指導、教科指導、体育指導、特別活動指導を適切に組み合わせて行われます。
この中でも、生活指導は少年院における矯正教育の中心とされます。
少年院送致となる少年の多くは、基本的な生活習慣が身に付いていない、周囲とのコミュニケーション能力や自己表現力が乏しいために社会に適用できない、ものの見方や行動選択の場面に問題がある、などといったことが非行の原因となっていると考えられるので、これらの問題を改善することが少年の更生には必要不可欠と言えるからです。
生活指導には、基本的な生活習慣に関する指導から、様々な問題について講義やディスカッションを通して正しい知識や対処法を学んだり、家族との関係改善を図る指導まで幅広い内容となっています。

少年院は、少年が再び非行を犯すことがないよう、社会に適応して生活することができるよう支援する施設であり、少年院送致となることが必ずしも少年にとって不利益であるとは言えません。
しかしながら、長期間施設に収容されることで、少年の社会復帰に弊害をもたし得ることも否定できません。
お子様が事件を起こし、少年院送致が見込まれる場合には、すぐに少年事件に詳しい弁護士にご相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
弊所の弁護士は、少年一人ひとりに合う弁護・付添人活動を行い、少年の更生に適した処分となるよう尽力します。
まずは、フリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。