盗撮事件で逮捕

2019-01-21

盗撮事件で逮捕

~ケース~
会社員のAさんは、兵庫県明石市にある銭湯の脱衣所で、父親に連れられた女児の裸を、スマートフォンで撮影しました。
Aさんの行動を不審に思った被害女児の父親は、Aさんが盗撮をしたことに気づき、すぐにAさんを取り押さえました。
通報を受けて兵庫県明石警察署から駆け付けた警察官に、Aさんは逮捕されました。
Aさんは、容疑を認めていますが、身体拘束が長引くと会社にもバレてしまうと、心配しています。
(フィクションです)

盗撮は何罪に?

被写体の許可をとらずに、こっそりと撮影することを「盗撮」といいます。
盗撮行為が犯罪であることは、みなさん知るところではありますが、いったいどのような罪となり、如何なる刑事罰の対象となるのか、については意外に知られていないように思います。
以下、兵庫県において盗撮行為をした場合に問われ得る罪や刑罰について概観していきます。

迷惑防止条例違反

各都道府県では、住民が平穏に生活できるよう、公衆に著しく迷惑をかける行為を禁止する「迷惑防止条例」を制定しています。
兵庫県は、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」を定めています。
この条例が禁止する行為のなかには盗撮行為も含まれているのです。
該当箇所を見てみましょう。

第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

まず、第1項では、対象場所が「公共の場所又は公共の乗物」に限定されています。
「公共の場所」というのは、道路、公園、広場、駅、空港、埠ふ頭、興行場、飲食店その他の公衆が出入りすることができる場所を指し、「公共の乗物」は、汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他公衆が利用することができる乗物を意味します。
次に、禁止されている行為については、「不安を覚えさせるような卑わいな言動」と定められています。
この「卑わいな言動」とは、「社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言動又は動作」をいうと解されています。(最決平20・11・10)
盗撮行為は、まさにこの「卑わいな言動」に当たるのです。
第1項では、盗撮行為に加えて、盗撮目的でカメラ等を設置する行為も禁止されています。

第2項は、対象場所を「集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)」と規定されています。
そして、禁止行為は、人の裸や下着を盗撮したり、盗撮目的でカメラ等を向ける・設置する行為です。

第3項は、「浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」が対象場所となり、それらの場所で盗撮し、盗撮目的でカメラ等を向ける・設置することが禁じられています。

このように、兵庫県の迷惑防止条例では、公共の場所・乗物だけでなく、不特定多数の者が利用する場所や通常衣服の全部・一部を着けない状態でいる場所での盗撮行為・盗撮目的のカメラ差し向け・設置行為が禁止されているのです。

上記ケースでは、「銭湯の脱衣所」での盗撮ですので、「通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」に該当しますので、そのような場所で盗撮行為は、迷惑防止条例違反となるでしょう。

盗撮での迷惑防止条例違反の刑罰は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
しかし、常習性が認められた場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と刑が加重されます。

盗撮事件で逮捕された場合、勾留されないように、弁護士は、被疑者が逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを検察官や裁判官に客観的証拠に基づいて主張するなど、すぐさま身柄解放活動を行います。
勾留されずに、釈放となれば、長い間会社や学校を休まずに済みますので、解雇や退学のリスクを抑えることになります。

兵庫県明石市盗撮事件で逮捕されたら、盗撮事件を含めた刑事事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。