飲酒運転による人身事故 危険運転致死傷罪で起訴

飲酒運転による人身事故を起こし、危険運転致死傷罪で起訴された事件を参考に、危険運転致死傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

参考事件

兵庫県南あわじ市に住む土木作業員のAさんは、仕事終わりに同僚と一緒に酒を飲みに行き、翌日の早朝まで長時間にわたって飲酒しました。
そしてそのまま、軽トラックを飲酒運転して現場にむかったのですが、その道中で、道路を横断する自転車をはねる事故を起こし、運転していた学生に全治3ヶ月の重傷を負わせてしまいました。
Aさんは通報で駆け付けた兵庫県南あわじ警察署の警察官に現行犯逮捕され、20日間の勾留を受けた後に、危険運転致傷罪で起訴されてしまいました。
(フィクションです)

危険運転致死傷罪

飲酒運転での交通事故で、危険運転致死傷罪が適用されるのは

①アルコールの影響で正常な運転が困難な状態で車を運転し人身事故を起こした場合(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条第1項)

②アルコールの影響で正常な運転が困難になる可能性があることを認識しながら、車を運転し、実際に正常な運転が困難な状態に陥って人身事故を起こした場合(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第3条)

の二通りがあります。

「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」であったか否かの判断は、事故の態様だけでなく、事故前の飲酒量や、酩酊状況、事故を起こすまでの運転状況、事故後の言動、飲酒検知結果等が総合的に考慮されます。

①については、運転手自身が、正常な運転ができない事を認識しながら車の運転をする故意犯ですが、②については、このままだと運転途中に、正常な運転が困難な状態に陥る可能性があるという認識と、それを認容することが必要となります。

危険運転致死傷罪の罰則

危険運転致死傷罪が適用される場合は、酒気帯び運転や酒酔い運転の道路交通法違反は、危険運転致死傷罪に吸収されるので、危険運転致死傷罪の罰則規定内で刑事罰を受けることになります。

①被害者を負傷させた場合「15年以下の懲役」、被害者を死亡させた場合「1年以上の有期懲役」です。

②被害者を負傷させた場合「12年以下の懲役」、被害者を死亡させた場合「15年以下の懲役」です。

何れにしても、非常に厳しい罰則が規定されており、刑事裁判で有罪が確定すれば初犯であっても実刑判決を免れることは非常に困難です。

交通事件に強い弁護士

南あわじ市において、飲酒運転で交通事故を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。

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