18歳未満との性交等で刑事事件(児童買春)に発展する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
会社員のAさんは、SNSで知り合ったVさん(16歳)と性行為を行い、現金2万円を渡しました。
その後、AさんはVさんと連絡をとっていませんでしたが、兵庫県佐用警察署から突然連絡があり、「Vさんとの児童買春の件で話が聞きたい。」と言われ、出頭要請を受けました。
Aさんは、一週間後に警察署に出頭する予定ですが、その前に取り調べ対応や今後の流れについて刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
18歳未満の者と性交等を行った場合、犯罪が成立し刑事事件に発展するケースがあります。
前回のブログでは、18歳未満の者との性交等を行った場合に成立し得る犯罪として淫行条例違反について紹介しました。
今回は、児童買春の罪について説明したいと思います。
2.児童買春・児童ポルノ処罰法違反(児童買春の罪)
児童買春・児童ポルノ処罰法(正式には、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」といいます。)は、児童買春、児童ポルノ、そして児童売春に係る行為等を処罰することと定めています。
児童買春・児童ポルノ処罰法における「児童買春」とは、児童(18歳未満の者)、児童に対する性交等の周旋をした者、あるいは児童の保護者もしくは児童をその支配下に置いている者に対して、対償を供与し、又はその供与を約束し、当該児童に対し、性交等をすることをいいます。(児童買春・児童ポルノ処罰法第2条第2項)
「対償」は、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益です。
単にお金を渡すといったものだけでなく、児童と食事をしてその食事代を払ったり、プレゼントを渡したり、児童やその親の雇用を約束をして、児童と性交等をしたのであれば、それが性交等をすることに対する反対給付といえ、食事やプレゼントが経済的な価値としてどの程度のものであるか、雇用の約束が経済的な利益となるか否かを考慮して判断されることになります。
また、「性交等」とは、性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。
性交類似行為は、手淫・口淫等、性交と同視し得る態様での性的な行為をいいます。
加えて、児童の性器等を触る行為、若しくは児童に自己の性器等を触らせる行為には、性的好奇心を満たす目的がなければなりません。
児童買春に係る罪として、「児童買春罪」、「児童買春周旋罪」、「児童買春勧誘罪」が規定されています。
「児童買春罪」は、児童買春をした場合に成立し、罰則は5年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。
「18歳未満だと知らなかった!」といった主張がなされるケースがありますが、単に知らなかったことを主張するだけでは捜査機関や裁判所は納得しないでしょう。
例えば、身分証明書を確認したが18歳以上との表記がされていた、相手児童が18歳以上であると言い、会話の内容からもそれが伺える状況であった等であれば、故意はなかったとして児童買春罪は成立しません。
しかし、児童の容姿や児童との会話から「18歳未満かもしれない。」と思ったのであれば、未必の故意が認められ犯罪が成立する可能性があります。
捜査機関からの取調べでも、「18歳未満であるとの認識」について厳しく問われるところですので、自らの認識と異なる調書が作成されないよう注意しなければなりません。
ですので、取調べを受ける前に、刑事事件に詳しい弁護士に取り調べ対応についてアドバイスを受けるのがよいでしょう。
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