兵庫県川西市の殺人未遂事件 執行猶予に強い弁護士
殺人未遂事件での執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
兵庫県川西市に住むAさんは、妻の介護疲れを理由に妻の首を包丁で刺してしまいました。
Aさんは、自ら110番し、兵庫県川西警察署から駆け付けた警察官に殺人未遂で逮捕されました。
Aさんは長年一人で妻の介護を続けており、妻を刺したあとに自殺を図りましたが、死にきれず110番通報したとのことです。
(実際にあった事件を基にしたフィクションです)
執行猶予
刑を言い渡すにあたり、犯情により一定期間その執行を猶予し、猶予期間を何事もなく経過した場合に刑罰権の消滅を認める制度を刑の「執行猶予」といいます。
刑の全部の執行が猶予される要件は、
①前に禁固以上の刑に処せられたことがない、又は、
②前に禁固以上の刑に処せられたことがあるが、その執行が終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない
場合で、言い渡される刑が3年以下の懲役又は禁錮若しくは50万円以下の罰金であることです。
また、前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を猶予された者に1年以下の懲役又は禁錮を言い渡す場合、「情状に特に酌量すべきものがある」ときも同様に全部執行猶予となる可能性があります。
猶予期間を無事に経過すると、刑の言渡しは効力を失います。
なお、このような全部執行猶予の他に、言い渡された刑期の一部の執行を猶予する刑の一部執行猶予制度もあります。
殺人未遂事件における執行猶予
殺人未遂事件であっても執行猶予付き判決が言い渡されるケースもあります。
殺人未遂罪の法定刑は、基本的に殺人罪と同じですが、未遂罪としてその刑が減軽される可能性があります。
減軽方法は、刑法第68条に規定されており、有期懲役・禁錮の減軽は、その長期及び短期の二分の一となります。
殺人罪の法定刑は最小で懲役5年であるので、殺人未遂罪で軽減されると最小で懲役2年6月となります。
これにより執行猶予の要件である「3年以下の懲役又は禁錮若しくは50万円以下の罰金が言い渡されるとき」に該当することになります。
その他の要件にも該当すれば、殺人未遂事件であっても執行猶予となる可能性はあります。
ですので、早期に弁護士に依頼し、執行猶予の要件に該当すること、酌量すべき情状があること等を客観的な証拠と共に説得的に説明するのが良いでしょう。
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