少年事件で不処分獲得

少年事件で不処分獲得

少年事件不処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県西脇市に住む高校生のAくん(16歳)は、SNSを通じて知り合った少女Vさん(15歳)から、Vさんの陰部等を撮影した動画をAくんの携帯に送らせていました。
Vさんの両親がVさんの携帯を見たことで事件が発覚し、Vさんの両親は警察に相談しました。
Aくんは、警察から事件のことで詳しく聞きたいということで、何度か呼ばれました。
Aくんの両親は、今後の処分がどうなるのか心配になり、少年事件に詳しい弁護士に弁護を依頼しました。
その後、神戸家庭裁判所姫路支部に送致されましたが、審判では不処分が言い渡されました。
(フィクションです)

少年に対する処分

20歳未満の者(「少年」という。)が刑罰法令に触れる行為を行った場合、少年法に基づく手続が適用されます。
少年法は、少年をできるかぎり教育して構成させようという教育的機能と、刑事司法制度の一部としての司法的機能の2つの機能を併せ持ったものだと言われます。
成人であれば、検察官が捜査結果等に基づいて被疑者の起訴・不起訴を決定し、検察官は被疑者を不起訴として事件を終了することがあります。
しかし、少年が事件を起こした場合、原則としてすべての事件が家庭裁判所に送致されます。
これを全件送致主義といいます。
家庭裁判所が扱う少年保護事件の対象は、「非行のある少年」であり、犯罪少年、触法少年、そしてぐ犯少年です。

犯罪少年:罪を犯した少年。
触法少年:刑罰の定めのある法令に触れる行為をしたが、行為時14歳未満であるため、刑法上罪を犯したことにはならない少年。
ぐ犯少年:保護者の正当な監督に服しない、正当な理由がないのに家庭に寄り付かない、いかがわしい場所に出入りするなど、一定の事由があり、その性格や環境からみて将来罪を犯すおそれのある少年。

上記ケースでは、16歳のAくんは、相手児童に陰部等の動画をとりAくんに送らせており、児童ポルノ製造罪に当たると考えますので、「犯罪少年」として家庭裁判所に送致されるということになります。

家庭裁判所に事件が送致されると、家庭裁判所の調査・審判を経て、終局処分が言い渡されます。
終局処分には、以下のような処分があります。
①保護処分決定(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致)
②検察官逆送
③知事又は児童相談所長送致
不処分
⑤審判不開始

不処分

不処分決定とは、審判の結果、①保護処分に付することができないとき、または、②保護処分に付する必要がないと認められるときになされるもので、少年を保護処分や検察官送致などの処分に付さなくとも,少年の更生が十分に期待できる場合に出される決定を言います。
不処分獲得のために、弁護士は、家庭裁判所に対して疑いをかけられている非行事実が実際には存在しないこと、あるいは、非行事実があったとしてもそれが軽微なもので少年の性格や周りの環境に鑑みれば、再び非行に走る危険性は低いこと等を主張し、説得していきます。
非行事実を認める場合、少年が二度と同じ過ちを繰り返さないような環境を作り出すことが非常に重要です。
この「環境調整」は付添人である弁護士の重要な活動のひとつです。
まずは、少年自身が自身の行った行為と向き合い、当該非行を行った原因を見出し、その原因を解消する方法について考え、答えを出す必要があります。
これは少年ひとりでできるものではありません。
付添人は、少年と一緒に考え、その答えを見つけることができるよう指導していきます。
更に、少年を取り巻く周囲の環境を整えることも重要です。
これには家庭や学校・職場の協力が不可欠です。
少年だけでなく、その家族を中心に、学校の先生や職場の上司など、多方面と密に連携し、どのようにすれば少年が更生することができるかを話し合い、解決策を見出していかなければなりません。
このように、付添人は、法律の専門家というだけでなく、少年やその家族などの関係者、家庭裁判所との仲介人のような役割も担います。
ですので、付添人には、少年事件に精通した弁護士を選ばれるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし、対応のお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

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