救急車を破損させたとして器物損壊罪で逮捕された女性歌手の事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
昨日、人気女性歌手が器物損壊罪で警察に逮捕されました。
テレビやインターネットで報道されているニュースの内容をまとめますと、女性歌手は知人とパチンコ店で遊戯していたところ、知人が体調不良を訴えたために119番通報して救急車を呼んだらしく、そこに駆け付けた救急車を蹴って壊したとのことです。
警察の発表によりますと、逮捕された女性歌手は、「通行人に嫌味を言われて、パニックになり救急車を蹴った。」と供述しているようですが、事件現場からは「逮捕された女性歌手と、その知人は泥酔している様子だった。」という目撃証言もあるようです。
器物損壊罪
さて今回の器物損壊罪とはどの様な犯罪なのでしょうか。
まずは、器物損壊罪について解説します。
器物損壊罪とは刑法第261条に規定されている法律で、簡単に言うと、故意的に他人の物を壊すことによって成立する犯罪です。
器物損壊罪で特殊なのは親告罪だということです。
親告罪とは、被害者等の告訴がなければ起訴できない事件のことで、器物損壊罪の他、過失傷害罪や、名誉毀損罪、侮辱罪等の犯罪があります。
器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」となっています。
とは言うものの、逮捕されたからといってこういった刑事罰を受けるわけではなく、今後の手続き次第では、こういった刑事罰を受けずに済む場合もあります。
逮捕されるとどうなるの
器物損壊罪で逮捕されるとまずは警察署に連行されます。
そこで簡単な取調べを受けて留置場に収容されるのですが、連行された警察署の留置場に収容されるとは限らず、女性の場合は特に、別の警察署等の留置場に収容されることがよくあります。
そして逮捕から48時間以内に、検察庁に送致され、検察官が裁判所に勾留を請求すれば、勾留が決定するかどうかを裁判官が判断します。
器物損壊罪で逮捕された場合、勾留されるかどうかは、逃亡や罪証隠滅のおそれがあるかどうかだけでなく、「壊した物を弁償する意思があるかどうか。」によって左右されるでしょう。
早期釈放を求める
器物損壊罪の容疑だけですと、このまま身体拘束が長引くかどうかは、壊した救急車を弁償する意思があるかどうかによりますが、報道されている内容だけですと、逮捕された女性歌手が救急車を蹴って凹ました事実は間違いないようですので、早期に弁護士を入れて救急車を管理している地方自治体に賠償を約束すれば、勾留されることなく釈放されるでしょう。
刑事事件に強い法律事務所
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