爆破予告で威力業務妨害事件

2019-03-21

爆破予告で威力業務妨害事件

~ケース~
兵庫県神戸市灘区の学校や老人ホームなどの施設を挙げ、「○○日の午後●時に爆破する」といった内容のメールが灘区役所宛に届きました。
兵庫県灘警察署は、該当する施設の警備を強化するなど、爆破予告を警戒していました。
市内の学校では、児童を予告時間までに帰宅させるなどして対応しました。
市内の施設で不審物や不審者は見つかっておらず、結局予告時間を過ぎても何も起きませんでした。
数日後、兵庫県内に住むAさんが使用するパソコンから爆破予告メールが送られた可能性が高いことが分かり、兵庫県灘警察署はAさん宅を訪れ、Aさんを威力業務妨害の容疑で逮捕しました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

爆破予告と刑事事件

ネットの掲示板やメールで、「○○で無差別殺人を行う」「○○を爆破する」などといった殺害予告や爆破予告を行う事件が後を絶ちません。
ほとんどのケースが、予告を受けた人や法人の反応を見て楽しむ愉快犯だと言われています。
しかし、殺害予告や爆破予告を受けた側は、万が一の場合に備えて、警察に通報し、予告対象となった場所や施設などの警備を強化せざるを得ません。
このような場合、刑事事件として捜査機関は捜査に着手し、殺害予告や爆破予告をした者に対して、刑事責任が問われることになります。
無差別殺人予告や爆破予告は、威力業務妨害罪となる場合があります。

威力業務妨害罪について

刑法第234条
 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

刑法第233条
 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

威力業務妨害罪とは、威力を用いて人の業務を妨害する犯罪です。

威力
犯人の威勢、人数および四囲の状勢からみて、被害者の自由意思を制圧するに足る勢力をいい、現実に被害者が自由意思を抑圧されたことは必要ではありません。(最判昭和28・1・30)
過去の裁判例で「威力」に当たるとされたもとは以下の通りです。
・デパートの食堂の配膳部に、ヘビ20匹をまき散らし、満員の食堂を混乱に陥れた(大判昭和7・10・10)。
・上司の机の引き出しに猫の死骸を入れておき、畏怖させてその執務を不可能にした(最決平4・11・27)。

業務
職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う事務または事業をいいます(大判大正10・10・24)
この「業務」に「公務」が含まれるかについては争いがあります。
「公務」については、公務執行妨害罪において、「暴行または脅迫」という限られた妨害手段に対してのみ保護の対象となります。
この点、「偽計」(偽計業務妨害罪)、「暴行・脅迫」に至らない「威力」によって公務が妨害された場合に、業務妨害罪が適用できるのかが問題となります。
現在の判例は、「強制力を行使する権力的公務」については「業務」に含まれず、公務執行妨害罪のみ適用され、強制力を行使しない「それ以外の公務」は「業務」に含まれるとする立場をとっています。(最決昭和62・3・12、最決平成12・2・17)

妨害
本罪において、妨害の結果が発生したことまでは不要で、業務を妨害するに足りる行為が行われればよいとされます。

Aさんが送ったとされる爆破予告により、市役所、警察、学校その他の関係機関が、警備の強化などを行うことを強いられ、それにより通常の業務を遂行するに影響を及ぼしたと考えられます。
今回の爆破予告に妨害された公務員の行う職務(=公務)は、通常公務員が行う職務全般を考えられますので、権力的公務と非権力的公務が含まれ、「業務」に該当する「公務」が妨害されたと言えるでしょう。

ネットへの書き込みや爆破予告メールの送信等、いたずらのつもりで安易な気持ちで行った結果、刑事事件に発展し、逮捕されてしまう可能性もあるのです。
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