Archive for the ‘刑事事件’ Category

理由なく警察署に居座った男が不退去罪で逮捕

2023-01-27

理由なく警察署に居座った男が、不退去罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

事件内容(1月24日配信の神戸新聞NEXTを引用)

男は、1月23日午後6時ころ、兵庫県伊丹警察署を訪れました。
男は、過去の署による自分への対応について説明を求めて警察署を訪ねて来たようで、警察官は、男を別の部屋に通して、そこで30分ほど説明をしたようです。
説明を受けた男は、一度は部屋を出て警察署を後にしようとしたようですが、警察署の受け付け前にある待合用のベンチに座り、そのまま逮捕されるまで居座り続けたとのことです。
そして午後8時ころから35分間にわたって、再三にわたって警察官から警察署から出て行くように求められたにも関わらず、その場に居座り続けた男は、不退去罪現行犯逮捕されました。

刑法第130条

不退去罪は、住居侵入罪建造物侵入罪等が規定されているのと同じ刑法第130条に規定されている犯罪行為です。
まずは刑法第130条を見てみましょう。

刑法第130条

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

刑法第130条は、その前段で、住居侵入罪建造物侵入罪邸宅侵入罪艦船侵入罪の、4つの犯罪について規定しており、後段で、不退去罪について規定しています。
ここで規定されている犯罪を起して、起訴後に有罪が確定すれば「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」が科せられます。

不退去罪

不退去罪は、典型的な真正不作為犯です。
不退去罪は、その建物に立ち入った際は適法であったり、違法性の認識がなかった場合でも、その後、その建物の住民や、管理者から退去を求められたにも関わらず、その場に居座った場合に成立する犯罪です。
当然、最初からその建物に違法に立ち入った場合は、刑法第130条の前段に規定されている犯罪が成立し、その後、不退去罪は成立しません。
刑法第130条の条文にある「正当な理由がないのに」の文言は、住居侵入罪、建造物侵入罪、邸宅侵入罪、艦船侵入罪に係るものであって、不退去罪には係らないとされていますが、不退去についての正当な理由がある場合は、違法性を欠くことになるでしょう。
不退去罪が成立するには、管理者等、権限のある者の退去要求が必要不可欠となり、実務上は、一回の退去要求に従わなかったからといって、即不退去罪を適用しているわけではないようです。

刑事事件に関するご相談は

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、不退去罪等の刑事事件を専門に扱っている法律事務所で。
兵庫県内の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が兵庫県警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が提供する 無料法律相談  初回接見サービス を是非ご利用ください。

タクシー代の支払いを拒否し運転手を殴打 強盗致傷罪で逮捕

2023-01-21

タクシー代の支払いを拒否し運転手を殴打したとして、強盗致傷罪で逮捕された事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

人を殴って無理矢理金品を奪い取れば「強盗罪」となります。
この強盗罪は刑法第236条に規定されている犯罪行為ですが、実は刑法第236条にはもう一つ、強盗罪についての規定がされています。
それが「2項強盗」と呼ばれるもので、無理矢理金品を奪い取るのではなく、財産上不法の利益を得た場合も、強盗罪と同じように扱われるのです。
そして、2項強盗の場合も、強盗の際に人に怪我をさせると、強盗致傷罪となります。

刑法第236条(強盗)

1 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法第240条(強盗致死傷)

強盗が、人を負傷させたとき無期又は6年以上の懲役に処し、(以下省略)

それでは今回の事件概要を紹介します。
事件内容(1月21日配信のサンテレビの記事を引用)

兵庫県三田市において、タクシー代約2,000円を支払わずに、支払を拒否し、タクシー運転手の顔を複数回殴打して逃走しようとした男が、タクシー運転手に取り押さえられました。
タクシー運転手は右手に軽傷を負ったようです。
強盗致傷罪で逮捕された男は、大阪から友人とこのタクシーに乗車しており、先に友人がそこまでの代金を支払ってタクシーを降車していたようで、男は、友人が降車してから自分の自宅までのタクシー代の支払いを拒否したようです。

強盗致傷罪

報道されている事件の内容を見る限りでは、今回の事件で強盗致傷罪が成立すると考えて間違いないでしょう。
暴行を加えてタクシー代を踏み倒すだけならば、2項強盗罪となり、この際にタクシーの運転手が傷害を負っているので「強盗致傷罪」となるのです。

強盗致傷罪は重い

強盗致傷罪起訴されて有罪が確定すれば無期又は6年以上の懲役です。
下限の6年の懲役刑が求刑されたとしても、何らかの減軽事由がなければ法的に執行猶予を付けることはできません。
しかも刑事裁判は、裁判員裁判によって審理されるので、通常の刑事裁判に比べると長期に渡ることが予想されます。
ですから重要なのは、まず起訴されないようにすることです。(不起訴を目指す。)
今回の事件の場合、被害者にその場で取り押さえられている上に、タクシー内で犯行が行われていたとすれば、車内を撮影するドラブレコーダーがあるでしょうから、犯人性や事件性を否定する事が困難だと思われますので、不起訴を目指すうえで最も有効なのは被害者との示談でしょう。
さいわい、被害者は軽傷のようなので、起訴されるまでに被害者との示談成立すれば、不起訴となる可能性が高いかと思われます。

強盗致傷事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、強盗致傷事件のような刑事事件を起こしてしまった方の弁護活動を専門にしている法律事務所です。
刑事事件に関する ご相談 や、逮捕等で身体拘束を受けている方へに弁護士を派遣する 初回接見サービス については、フリーダイヤル0120-631-881までお問い合わせください。

「スパーリングしよう」中学生に傷害を負わせカバンを強取

2023-01-18

「スパーリングしよう」中学生に声をかけ、中学生に傷害を負わせ上、カバンを強取を強取した強盗傷人事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

事件内容(1月18日配信のMBSNEWSを引用)

18日午前0時過ぎ、兵庫県姫路市にあるJR京口駅前において、男子中学生が男7~8人から暴行を受けて鼻の骨を折る重傷を負いました。
被害にあった男子中学生は、別の場所で男らに声をかけらて、移動後に「スパーリングしようや。」と言われて男から殴られたようです。
また暴行後に、男らは、男子中学生が持っていたショルダーバッグを奪って逃走していることから、兵庫県姫路警察署は、強盗傷害(強盗傷人罪)事件として捜査し、逃げた男らの行方を追っているようです。

強盗傷害事件

ニュース等では、よく「強盗傷害事件」と報じられていますが、法律的には「強盗傷害罪」という罪名は存在せず、正確には強盗傷人罪といいます。

刑法第240条

強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

強盗傷人罪が規定されているのは上記した刑法第240条(前段)です。
この刑法第240条の前段では

・強盗致傷罪
・強盗傷人罪(強盗傷害罪)

の二つの罪が規定されています。
共に主体となるのは、強盗犯人で、この強盗犯人が強盗に及ぶ際に人に怪我をさせたことによって成立する犯罪ですが、何が違うのかといえば、傷害の故意があるかどうかです。
ここでいう傷害の故意とは「相手に怪我をさせてでも金品を強取してやろう」という意思を意味します。
ちなみに人が傷害を負うタイミングについては、強盗の機会であればよく、何も強盗犯人からの直接的な暴行行為によって生じる必要はありません。
ですから、強盗の被害にあった被害者がその場から逃げる際に転倒して怪我した場合も、強盗犯人の行為と、傷害の結果に一定の関連性さえ有していれば、強盗致傷罪が成立するのです。

また強盗致傷(傷人)事件は、共に刑法第240条が適用され、その法定刑は「無期又は6年以上の懲役」です。
このように起訴されて有罪となった場合、減軽事由がなければ執行猶予を得ることができない非常に厳しい罰則規定がされており、また起訴された場合は、裁判員裁判によって審理されます。

強盗傷害(傷人)事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、強盗致傷(傷人)事件のような凶悪事件の弁護活動に対応している法律事務所です。
強盗致傷(傷人)事件でお困りの方からの法律相談や、強盗致傷(傷人)事件を起こして警察に逮捕された方への初回接見に即日対応しておりますので、まずはフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

女子中学生とのみだらな行為をスマホで撮影 児童ポルノ製造罪で逮捕

2023-01-14

女子中学生とのみだらな行為をスマホで撮影したとして、児童ポルノ製造罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

事件内容(1月11日配信の神戸新聞NEXTを引用)

兵庫県警少年課と神戸北警察署は、昨年11月1日、神戸市中央区のホテルにおいて、女子中学生にみだらな行為をして、その様子をスマートフォンで撮影した児童ポルノ製造の疑いで、すでに別の児童ポルノ製造罪起訴されている男を逮捕しました。
男は、チャットアプリを通じて女子中学生と知り合っており、18歳未満であることを知りながら犯行に及んでいたようです。

児童ポルノ製造罪

児童ポルノ製造罪は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律で規制されている犯罪です。
この法律は、主に児童買春と児童ポルノについて規制している法律で、児童ポルノについては

  • 所持
  • 提供
  • 製造
  • 運搬
  • 輸入

する行為が規制されており、不特定又は多数に提供したり、公然陳列することを目的にしている場合は厳罰規定があるものもあります。
ちなみに今回の逮捕容疑となっている、児童ポルノ製造罪の罰則は、単純な製造や、他者への提供目的の製造、盗撮による製造に関しては「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」が規定されていますが、不特定又は多数に提供したり、公然陳列する目的をもって製造していた場合は「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」となります。
製造した児童ポルノをツイッター等のSNSに投稿すると、厳しい罰則が適用されるので注意が必要です。

児童ポルノ製造罪で起訴(公判請求)

単純な児童ポルノ製造罪の場合、初犯であれば略式起訴による罰金刑でとどまるケースが目立ちますが、初犯であっても、今回報道された事件のように複数件(余罪がある)の場合は、正式に起訴(公判請求)される事もあります。
事実を認めている事件で公判請求されるということは、検察官としては「罰金では軽すぎる」と判断していることが多く、実際に公判請求された事件で罰金刑が言い渡される可能性は低く、懲役刑が言い渡されるケースが多いようです。
そこで執行猶予が付けば、すぐに刑務所に服役することは免れますが、それでも執行猶予期間中に事件を起こしてしまうと、執行猶予が取り消されるので、執行猶予中は日常生活に注意しなければなりません。

ちなみに今回の事件で逮捕された男は、すでに起訴されており、今回が再逮捕だったようですので、よほど有利な事情がなければ、追起訴されてしまうでしょう。
追起訴された場合、既に起訴されている事件と、追起訴された事件は別(併合罪)ですので、有罪となった場合に科される刑事罰は「4年6月以下の懲役又は600万円以下の罰金」となります。

児童ポルノ製造事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、児童ポルノ製造事件などの刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
現在は、スマートの普及によって簡単に写真撮影できる上に、SNSを利用すれば、撮影した映像・画像を簡単に投稿できるようになっているが故に、こういった事件に対して罪の意識が軽薄になってしまいがちですので注意が必要です。


弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、児童ポルノ製造罪でお悩みの方からの法律相談や、児童ポルノ製造罪で警察に逮捕された方への初回接見サービスに、即日対応しておりますので、このような事件でお困りの方はご相談ください。

【速報】兵庫県警が特殊詐欺の情報提供者に情報料を支払い

2023-01-08

兵庫県警が特殊詐欺の情報提供者に情報料を支払うことを発表しました。
本日のコラムではこの記事について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

記事の内容(1月6日配信の讀賣新聞を参考にしています。)

兵庫県警の発表によりますと、情報料が支払われるのは、兵庫県内で被害があった特殊詐欺事件が対象です。
情報内容は、電話をかける「かけ子」や振り込まれた現金を引き出す「出し子」、指示役のほか、グループの拠点などに関する情報で、その情報をもとに警察が捜査を行い、逮捕や事件解決につながった場合に支払われるようです。
支払われる金額は30万円を上限とするようですが、特殊詐欺グループの壊滅につながるような情報に関しては100万円支払われる場合もあるとのことです。

特殊詐欺事件

今回対象となっているのは特殊詐欺事件に限られています。
新聞やニュース等で、当たり前のように「特殊詐欺事件」という単語が使用されていますが、特殊詐欺事件とはどのような事件なのでしょうか。
警視庁によりますと、特殊詐欺事件

  • オレオレ詐欺
  • 預貯金詐欺
  • 架空料金請求詐欺
  • 還付金詐欺
  • 融資保証金詐欺
  • 金融商品詐欺
  • ギャンブル詐欺
  • 交際あっせん詐欺
  • キャッシュカード詐欺盗

に分類し、これらの事件を「特殊詐欺事件」としているようです。(詳細は こちらをクリック
「オレオレ詐欺」が流行してから、かれこれ10年以上経過しますが、警察はこれまで注意を呼び掛けて、抑止検挙活動に相当力を入れてきましたが、残念ながら、被害は大きく減少することなく、年によっては前年度より増加することもあります。
特に兵庫県では、昨年、特殊詐欺グループを撲滅させるべく、新たに特殊詐欺特別捜査隊が発足しましたが、昨年は過去2番目の発生件数となっているようです。

特殊詐欺事件に関するご相談は

このように特殊詐欺事件は、警察が最も力を入れて捜査する事件の一つでもあります。
それ故に、慎重に捜査が行われ、逮捕される可能性が高い事件でもあります。
特に、受け子出し子など、特殊詐欺事件の中でも逮捕されるリスクの高い役割りに関しては、SNSなどで募集を募っており、誰もが足を踏み入れてしまう可能性があります。
中には自分が特殊詐欺事件に関与していると気付かずに、事件に加担してしまっとして逮捕された方もいるぐらいですので、特殊詐欺事件に関して不安のある方は、今すぐ、弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、特殊詐欺事件に関する 無料法律相談 や、特殊詐欺事件で逮捕された方に対する 初回接見サービス 
フリーダイヤル0120-631-881
にて、24時間、年中無休で承っております。

留守宅から金庫を盗み出す 住居侵入と窃盗罪で逮捕

2023-01-02

留守宅から金庫を盗み出した男らが、住居侵入と窃盗罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

事件内容昨年12月30日配信の神戸新聞NEXTを引用

昨年11月11日、神戸市灘区の留守中の民家において、金庫1個が盗み出される空き巣事件が発生しました。
被害にあった民家は、勝手口のガラス戸が割られており、犯人はそこから室内に侵入にして犯行に及んだとみられていました。
この事件を合同で捜査していた、兵庫県警捜査3課と西宮、尼崎北署は29日、住居侵入と窃盗の疑いで2人の容疑者を逮捕しました。

空き巣

この事件は、留守宅に忍び込んで、室内から金品を盗み出す典型的な空き巣事件です。
空き巣事件は、窃盗罪の中でも、侵入窃盗に分類され、非常に悪質とされており、また広域にわたって発生する傾向があるため、警察は、複数の所属が合同で捜査するようです。

住居侵入罪と窃盗罪

空き巣は、人の家に不法に侵入して窃盗しているので、当然、住居侵入罪窃盗罪に抵触します。

刑法第130条(住居侵入罪等)

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

刑法第235条(窃盗罪)

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

空き巣のように、数個の犯罪が、手段と目的の関係にある場合を牽連犯といいます。
牽連犯は、刑を科せる上で一罪として扱われ、その数個の犯罪のうち、最も重い罪の法定刑によって処断されます。
ですから空き巣の場合は、窃盗罪によって処断されることとなるのです。

空き巣事件の弁護活動

空き巣事件で警察に逮捕された場合、余罪の追及などで身体拘束が長くなる傾向があります。
また刑事裁判では、厳しい判決が予想され、初犯であっても余罪が複数ある場合は実刑判決もあり得ます。
そのため逮捕段階から刑事事件に精通した弁護士を選任し、適切な弁護活動を受けることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、空き巣事件に関する 無料法律相談 や、空き巣事件で逮捕されてしまった方への 初回接見サービス を提供しております。
空き巣事件でお困りの方は、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

警察官のみぞおちを蹴った男が逮捕 公務執行妨害罪について

2022-12-29

警察官のみぞおちを蹴ったとして、男が公務執行妨害罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

事件内容本日配信の神戸新聞NEXTを引用

喧嘩の通報で駆けつけて事案処理中の、尼崎南警察署の警察官に対して、通りかかった男が声をかけて、その後、警察官のみぞおちを蹴るという暴行に及んだようです。
逮捕された男は、酒に酔っていたようで、警察の取調べに対して「手を出していない。警察官に無理やり取り押さえられたので抵抗はした。」と容疑を否認しているようです。

年末になると、お酒を飲む機会が増えてきますので、酒に酔ってこのような事件を起こしてしまう方もよくいるようです。
当然、お酒を飲んでいたからといって許されるわけもありませんし、年末だからといって警察が大目に見てくれるとは考えられません。
むしろ酒の酔っている方は容疑を否認しがちで、逮捕等による身体拘束がいたずらに長くなる可能性もあるので注意が必要です。
それでは公務執行妨害罪について解説します。

公務執行妨害罪

公務執行妨害罪は、刑法95条に規定されている犯罪です。

刑法第95条1項(公務執行妨害罪)

公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

新聞等で報じられる公務執行妨害事件のほとんどは、今回のように警察官に対する事件がですが、公務執行妨害罪の客体となるのは何も警察官に限られていません。
ですから市役所の職員や、公立病院に勤める医師など公務員の身分がある人ならば当然のこと、違法駐車の取り締まりをしている駐車監視員のようなみなし公務員であっても、公務執行妨害罪の客体となり得るのです。

ちなみに公務執行妨害罪は、公務員の身体の安全や意思決定の自由を保護するための法律ではなく、公務の公正かつ円滑な遂行を保護するための法律で、保護される公務は、当然、適法なものでなければなりません。
今回の事件ですと、逮捕された男性が供述している内容が事実だとすれば、警察官が逮捕された男性を取り押さえる行為が違法だった場合は、公務執行妨害罪の成立に影響するでしょう。

もし警察官が怪我をすれば

公務執行妨害罪でいうところの「暴行」によって、警察官等の公務員が怪我をした場合は、公務執行妨害罪とは別に傷害罪で成立することになります。
その場合、公務執行妨害罪と傷害罪は「(※)観念的競合」となりますので、重い方の傷害罪の法的刑によって処断されます。

※観念的競合…1個の行為が複数の罪名に触れる場合をいい、その場合は、刑を科する上に一罪として扱われ、複数の罪のうち、最も重い法定刑によって処断される。

公務執行妨害罪の弁護活動

警察官等の公務員に対して暴行したからといって、必ず公務執行妨害罪が成立するわけではありません。
今回のように現行犯逮捕されたとしても、実際に、公務執行妨害罪に抵触するかは、法律的な要件を満たしているかどうかによりますので、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

判決に不服です!!控訴したい方は必見!!

2022-12-19

刑事裁判で言い渡された判決に不服だという方、控訴したい方は必見です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が、控訴について解説します。

控訴審とは

裁判は裁判官裁判員といった人間によって行われますので、裁判の内容に誤りがある、手続上違法がある、といったことはあり得ることです。
刑罰を科すということは、人の人生に大きな影響を与えますので、これらに対して、その是正の手段を講じておかなければなりません。
その手段として、裁判を受け不利益を被った者が、その裁判が確定する前に、上級裁判所に不服申し立てをし、原裁判の原稿または取消を求める「上訴」が設けられています。
この「上訴」のなかで、第一審判決を不服として高等裁判所へ申し立てる上訴を「控訴」といいます。

誰が控訴できるの?

控訴の申立てをすることができるのは、第一審判決を受けた当事者である検察官および被告人です。
また、被告人の法定代理人保佐人、第一審における代理人・弁護人も、被告人のために控訴をすることができます。
被告人が控訴する場合、被告人は、自分と利益となる内容を主張して申立てなければなりません。
つまり、無罪判決に対して控訴を申し立てる、原判決よりも重い刑を主張して控訴を申し立てる、といったことはできないのです。

控訴した際の弁護人は?

控訴審においては、控訴審での弁護人を改めて選任する必要があります。
第一審における弁護人を控訴審でも弁護人とする場合であっても、選任は審級ごとになされるので、改めて弁護人を選任しなければなりません。
控訴の申立は、第一審の弁護人にお願いすることができますが、控訴の申立が受理されると、第一審の弁護人は弁護人ではなくなります。
控訴を申立てるには、控訴申立書を第一審裁判所に提出しなければなりません。
控訴は、第一審判決が宣告された日から14日以内に申立てる必要があります。
これを過ぎると、判決が確定してしまいます。
期間内に控訴が申し立てられると、原判決の確定が阻止され、その執行が停止し、事件が控訴審に係属することになります。
控訴を受け取った第一審裁判所は、控訴提起期間が経過していないか、控訴の放棄や取下げがされていないかを審査し、そうでなければ、訴訟記録および証拠物を控訴裁判所に送付します。

控訴の理由は?

控訴申立人は、控訴裁判所が指定する期限までに、控訴の理由を簡潔に明記した控訴趣意書控訴裁判所に提出しなければなりません。
控訴の理由は、刑事訴訟法第377条に定められており、そのいずれかを根拠とする場合に限り適法なものとして扱われます。
控訴の理由には、大きく分けると以下の理由です。

①訴訟手続の法令違反
②事実誤認
③法令適用の誤り
④量刑不当

控訴したい方は

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
裁判の判決に納得できない方、判決に不服のある方、控訴を考えておられる方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部の弁護士にご相談ください。

ひったくり事件 窃盗の疑いで男が逮捕

2022-11-26

高齢の女性から鞄をひったくったとして窃盗の疑いで男が逮捕された事件を参考に、ひったくりについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

事件概要(11月17日配信の神戸新聞NEXTの記事を参考にしています。)

兵庫県警察捜査3課兵庫県尼崎南署は、窃盗の疑いで尼崎市内に住む無職の男を逮捕しました。
男は、尼崎市内の路上で歩いていた高齢の女性のカバンを自転車で追い抜きざまにひったくった疑いがもたれています。
警察によると、現場付近の防犯カメラの映像に被害者の証言と一致する特徴的な服装の男が映っていました。
そこで、複数の防犯カメラ映像をつないで足取りを追う「リレー捜査」をして男の自宅付近までたどり着いたところ、似た服の男が自転車で捜査員の目の前に現れたため逮捕につながりました。

「ひったくり」とは

「ひったくり」とは、物を持ち歩いている歩行者や、前かごに荷物を入れている自転車に近付き、すれ違いざまに物を奪って逃げる行為をいいます。
「大丈夫だろう」と油断している人を狙った悪質な事件で、数年前までは街頭犯罪の中でも発生件数の多い事件として警察が重点的に警戒活動を行っていましたが、そういった警察の活動のかいあってか、最近は発生件数が減少傾向にあるようです。

ひったくり行為は何罪にあたるのか

相手に怪我を負わせず、荷物だけを奪い取っていったような場合は、窃盗罪が成立します。
窃盗罪は、他人の財物を不法領得の意思をもって窃取した場合に成立します。
不法領得の意思とは、権利者を排除して他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い利用・処分する意思をいうものとされています。

強盗罪になる場合も

もっとも、ひったくる際に、被害者がバックを離さないことから奪い取るために、殴ったり引きずり回したりした場合は、強盗罪が成立する可能性があります。
さらに、この強盗により被害者が怪我をしていた場合は、強盗致傷罪が成立し、さらに重い刑罰を受ける可能性があります。

ひったくり事件に強い弁護士

兵庫県尼崎市の刑事事件でお困りの方、ひったくりの疑いで警察の取り調べを受けている方は、兵庫の刑事事件に強いと評判の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。
また、ご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方は、初回接見サービスをご利用ください。

介護施設での虐待事件 職員を傷害罪で逮捕~②~

2022-11-23

~昨日の続き~

虐待事件で逮捕・勾留されるケース

虐待事件を起こした場合、必ずしも逮捕勾留されるとは限りません。
捜査機関に虐待の事実が発覚したとしても、虐待の程度が軽い場合には、身体拘束せずに関係機関と連携して対応することがあります。
しかし、捜査機関に発覚する虐待事件の多くは、被害者が虐待に堪えられなくなり警察に自ら通報するケースや、虐待が疑われることが周囲に発覚し関係機関が警察に報告するケースなど、虐待の程度が重いものだと言えます。
ですので、そのような場合には、加害者と被害者の密接な関係性もあり、警察に逮捕される可能性が高いでしょう。
また、家庭内や施設内の虐待事件では、加害者が被害者と近い関係にあり、身体拘束しなければ被害者に接近し供述を変えるよう迫るおそれもあると判断されやすく、逮捕後勾留となる可能性は低くありません。
勾留となれば、逮捕から最大で23日間の身体拘束が余儀なくされます。
長期間外界との連絡が閉ざされた非日常的な環境の中で、捜査機関からの連日の取調べを受けることは、そう容易いことではなく、身体的にも精神的にも大きな影響を被ることになります。
そのような時、弁護士との接見身体拘束を受けている方やその家族の不安を和らげます。
特に刑事事件に精通する弁護士であれば、事件内容を詳しく聞いた上で、今後の流れや見込まれる処分を丁寧に説明し、身体拘束を受けている方のためにどのような活動ができるのか、また取調べをどのように対応すべきかについて適切にアドバイスすることができます。

ご家族が逮捕された時は

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部では、初回無料の法律相談や、即日対応可能な初回接見サービスを、お電話で簡単に申し込むことができます。
まずは、24時間、年中無休で対応している
フリーダイヤル 0120-631-881
まで、お電話ください。
お客様のお話をおうかがいした専門のオペレーターから、お客様のご要望にあったサービスを提案させていただきます。

なお、初回接見サービスについては こちらをクリック ください。

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