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ぐ犯少年にも対応する弁護士

2020-07-05

ぐ犯少年について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県揖保郡太子町に住むAさん(16歳)は、地元の高校に進学しましたが、学校に馴染むことが出来ず、2か月で退学してしまいました。
その後、家族とも言い争うことが多くなり、Aさんは実家を出て、知り合いの家で生活するようになりました。
生活費を稼ぐために風俗店でアルバイトしたり、援助交際をしていました。
ある夜、繁華街でうろついていたAさんを兵庫県生田警察署が補導し、ぐ犯少年として神戸家庭裁判所に送致されました。
(フィクションです。)

ぐ犯少年とは

家庭裁判所の審判の対象となる少年は、3種類に分けられます。

(1)犯罪少年
14歳以上20歳未満で罪を犯した少年。

(2)触法少年
14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年。

(3)ぐ犯少年
ぐ犯事由があり、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年。
ぐ犯事由には、次の4つがあります。

①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
少年が、保護者の正当な監督を必要とする行状があるにもかかわらず、法律上及び社会通念上保護者の正当な監督に服しない行動傾向があることです。

②正当な理由がなく家庭に寄り付かないこと。
少年の性格、年齢、家庭の状況等を総合して、少年が家庭に戻らないことに正当な理由がない場合をいいます。
家庭内で少年が身体的・精神的虐待を受けている場合や、少年が職を求めて家庭を飛び出した場合などは、正当な理由なく家庭に寄り付かないことには当たりません。

③犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること。
犯罪を犯すきっかけとなるような好ましくない交際をし、または教育上子供を立ち入らせるべきではない場所に出入りすることです。
例えば、暴力団や暴走族などの反社会的集団に所属したり、不良仲間と交際したりすることや、不健全な風俗営業や遊行施設などに出入りすることなどです。

④自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
性的に悪い習慣があったり、人格を損なうみだらな行為などといった社会的・倫理的観念に反する降雨意を自ら行い、または他人にさせるような行動傾向があることをいいます。
具体例としては、風俗店で働く、援助交際をするなどです。

これらのぐ犯事由のいずれかに該当すれば足りますが、いずれも一定期間にわたる行状、性癖であることが求められます。
ぐ犯は、犯罪には至っておらず、成人であれば処罰の対象となりません。
しかし、少年法は、今だ犯罪行為まで至っていない不良な行為をしている少年を早期に発見し、適切な保護を加えることにより、少年の健全な育成を図るとともに、犯罪の発生を未然に防ごうとしていることから、ぐ犯少年を審判の対象としています。

家庭裁判所に送致された後は、犯罪少年の場合と同様の手続がとられます。
観護措置の必要があれば観護措置がとられますし、調査官による調査が行われ、審判が開かれ決定が言い渡されます。
犯罪ではなく、犯罪行為の前段階と評価されることから、軽い処分で済むと思われることが多いのですが、事案によっては要保護性が高いことも多く、観護措置がとられる可能性もあります。
また、終局処分についても犯罪少年の場合と同様ですので、要保護性が高い場合には少年院送致のような重い処分が決定することもあります。
そのため、ぐ犯事件の付添人活動においても、犯罪少年と同様に、要保護性を解消するために十分な活動を行う必要があります。

ぐ犯少年についても少年事件に強い弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様がぐ犯少年として家庭裁判所に送致されて対応にお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

盗撮事件で逮捕されたら

2020-06-28

盗撮事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
会社員のAさんは、兵庫県西宮市の駅構内の階段で、女性のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したとして、兵庫県甲子園警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、早期釈放と前科回避に向けてすぐに動いてくれる弁護士を探しています。
(フィクションです。)

盗撮で問われる罪とは

スマートフォンのカメラ機能を利用して行う盗撮や、小型カメラを靴やペンに仕込んで行う巧妙な盗撮など、様々な方法で盗撮は行われています。
もちろん盗撮は犯罪です。
盗撮は犯罪であることは、よく知られたところですが、盗撮が何の罪に当たるかについてまでご存じの方はそう多くありません。

法律上、「盗撮罪」という罪はありません。
盗撮行為は、各都道府県が定める迷惑防止条例で禁止される「卑猥な言動」に当たることが多く、迷惑防止条例違反という罪が成立する可能性があります。

兵庫県の迷惑防止条例は、その第3条の2において、「卑わいな行為等」を禁止する規定を定めています。
同条で禁止される行為は以下の通りです。

(1)公共の場所・乗物における「人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動」および「正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で、写真機等を設置する行為」の禁止
「公共の場所」は、不特定多数の者が自由に出入りし利用できる場所のことで、「道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、興行場、飲食席、遊戯場その他の公共の場所」です。
同様に、「公共の乗物」とは、不特定多数の者が、自由に利用することができる乗物をいいます。
つまり、誰でも行ける(いる)ことができる場所・乗物のことです。
そのような場所で、「人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」をしたり、「人の通常衣服で隠されている身体や下着を撮影するために、写真機を設置」することが禁止されています。
「人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」というのは、「社会通念上、性的道着観念に反する下品でみだらな言動または動作」をいいます。(最高裁判例)
盗撮は、この「卑わいな言動」に当たります。
盗撮に加えて、盗撮目的での写真機の設置も規制対象となります。

(2)公共の場所・乗物を除く、集会所、事業所、タクシーその他の不特定多数の者が利用するような場所・乗物において、「人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為」や「人に不安を覚えさせるような卑わいな言動」をしたり、「人の通常衣服で隠されている身体や下着を撮影するために、写真機を設置」することが禁止されています。
公共の場所・乗物だけでなく、その他の不特定多数の人が利用するような場所・乗物での、盗撮および盗撮目的での写真機等の向ける行為・設置行為も規制対象です。

(3)浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を受けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置することを禁止しています。

以上のように、兵庫県迷惑防止条例は、盗撮が行われた場所を「公共の場所・乗物」に限定しておらず、また、盗撮のみならず盗撮目的でのカメラ等を向ける行為や設置行為も禁止対象としています。
そのため、盗撮しようと思って、スマートフォンなどをスカート内に差し向け、現に下着などは撮影できていない場合であっても、条例違反が成立することになります。

盗撮事件における弁護活動

盗撮事件における主な弁護活動は、早期釈放に向けた身柄解放活動と不起訴処分獲得を目指す活動です。

1.身柄解放活動

逮捕された場合、逮捕から48時間以内に、警察は、逮捕された人を釈放するか、それとも検察に証拠書類とともに送るか決めます。
検察に送致された場合、検察官が逮捕された人の身柄を受けてから24時間以内に、その人を釈放する、もしくは勾留請求を行います。
検察官が勾留請求すると、裁判官が、勾留するか否かの判断を下します。
勾留が決定した場合、逮捕された人は、検察官が勾留請求した日から原則10日間身柄が拘束されることになります。
その間は、学校や職場に行くことはできませんので、最悪の場合には退学や懲戒解雇となるおそれがあります。
そのような事態を回避するためにも、勾留が決定する前に、検察官に対して勾留請求しないよう、裁判官に対して勾留を決定しないよう働きかけることが重要です。
そのような働きかけにもかかわらず、勾留が決定してしまった場合であっても、その決定に対する不服申立を行い、できる限り早期に釈放となるよう身柄解放活動に従事します。

2.不起訴獲得を目指す活動

被疑者を起訴するか否かは、検察官が決めます。
起訴され、有罪判決が言い渡され刑罰が科されると、前科が付くことになります。
前科を回避するためには、検察官が今回の事件については起訴しない旨の決定をする、つまり不起訴処分で事件を終わらせる必要があります。

盗撮事件であれば、初犯であり、犯行が悪質でなく、被疑者との示談が成立している場合には、不起訴処分となる可能性は高いでしょう。
そのため、被害者との示談を成立させることが重要です。

このような弁護活動は、盗撮事件を含めた刑事事件・少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が盗撮事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

運転手役は共同正犯?幇助犯?②

2020-06-21

運転手役が共同正犯となるか幇助犯となるかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aは、先輩Bから、Bと知り合いのCを指定された場所まで送り迎えをするよう頼まれました。
兵庫県養父市のとある事務所までBとCを車で送り、その場で待機していました。
BとCは、帽子を被りマスクを着用した姿で車を降り、15分後、大きな袋に荷物を詰めて戻ってきました。
そして、AはBとCを指定された場所まで送り届けました。
Aは、Bから謝礼として3万円を受け取りました。
後日、兵庫県養父警察署がAさん宅を訪れ、窃盗容疑でAさんを逮捕しました。
(フィクションです。)

共謀共同正犯の成立は、
①共同実行の意思の連絡(=共謀)、
②犯行実現への強い動機、関心、利害があり、これに基づいて犯行を実現するのに重要な役割を果たすこと、
③共謀者の少なくとも1人による実行
が要件となります。
共謀共同正犯が成立する場合、すべての者が正犯として処罰されることになります。

一方、共犯の一種である幇助犯は、正犯の犯罪行為を容易にするなど、手助けをする行為を行った者をいいます。

2.幇助犯について

幇助犯については、刑法第62条に次のように規定されています。

正犯を幇助した者は、従犯とする。

幇助犯の成立要件は、
(1)正犯者を幇助すること(幇助行為と幇助の犯意)
(2)正犯が犯罪を実行すること
(3)幇助の因果関係
の3つです。

(1)正犯者を幇助すること

①幇助行為
正犯の犯罪行為を手助けすること。
その手段や方法に制限はありません。
道具や場所などの提供といった有形的な方法や、犯行場所の情報提供や精神的に決意を維持させるなどの無形的な方法でも構いません。

②幇助の犯意
正犯の犯罪行為を手助けする意思があること。
正犯者が幇助の意思に気が付いていない場合でも幇助犯は成立します。

(2)正犯が犯罪を実行すること

幇助行為の対象となる正犯は、不作為犯でもよいのですが、過失犯は含まれません。
また、幇助意思に基づき幇助したとしても、正犯が実行しない場合は幇助犯は成立しません。

(3)幇助の因果関係

幇助が正犯の実行に役立った、容易にした場合でないと幇助犯は成立しません。
幇助行為が正犯者の実行行為を物理的・心理的に容易にすれば足りるとされます。

幇助犯は、正犯の刑が減軽されます。

運転手役は、共同正犯か?幇助犯か?

それでは、侵入盗の運転手役は、共同正犯(共謀共同正犯)となるのか、それとも幇助犯となるのか、について考えてみましょう。

共謀共同正犯幇助犯の要件を比較してみると、「正犯意思があるか否か」という点が両者の違いであることに気付くでしょう。
つまり、犯行実現への強い動機、関心、利害があって、これに基づき、犯行を実現するために重要な役割を果たしているか否か、という点です。

侵入盗の実行行為は、BおよびCが行っており、Aは実行行為ではない「送迎行為」を行いました。
「送迎行為」は実行行為ではありませんので、当該行為を行ったAは、窃盗の幇助犯となるのか、それとも共謀共同正犯となるのかが問題となります。

繰り返しになりますが、共謀共同正犯幇助犯の要件の違いは、「正犯意思があるか否か」という点ですので、ここで2つを区別するために、「送迎行為」が「正犯意思に基づく行為」か否かを検討する必要があるわけです。
つまり、正犯意思に基づく場合は窃盗の共謀共同正犯、正犯意思に基づかない場合は窃盗の幇助犯となるのです。

そこで、Aについて、①犯行実現への強い動機・関心・利害があるか、②犯行を実現するために重要な役割を果たしたか、を検討する必要があります。

①犯行実現の強い動機・関心・利害がある場合
事前に分け前の約束に基づいて送迎行為をしている場合や、組織的な窃盗グループの一員で、組織の指示に従って送迎行為をしている場合などは、犯罪実現の強い動機・関心・利害があると考えられます。

②犯行の実現に重要な役割を果たした場合
送迎行為は、実行行為(窃盗)を直接援助する行為とは言えません。
しかし、盗品を持って現場からすぐに逃走するためにはAの送迎行為、一般的に犯行の実現に重要な行為であると言えます。

Aが、事前にBから、侵入盗の計画について聞いていた、もしくは、Bの話からAが侵入盗について認識していたり、報酬についても事前に決められていた上で、Aが運転手役を積極的に担ったのであれば、共謀共同正犯が成立すると考えられるでしょう。

一方、AとBとの関係から、Aが運転手役を引き受ける以外に選択肢がなかった場合には、幇助犯にとどまる可能性もあります。

共謀共同正犯が成立する場合に科され得る刑罰と幇助犯が成立する場合の刑罰とは異なりますので、どちらが成立するかによりその後の処分が大きく変わることになります。

刑事事件でお困りの方は、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
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運転手役は共同正犯?幇助犯?

2020-06-14

共同正犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aは、先輩Bから、Bと知り合いのCを指定された場所まで送り迎えをするよう頼まれました。
兵庫県養父市のとある事務所までBとCを車で送り、その場で待機していました。
BとCは、帽子を被りマスクを着用した姿で車を降り、15分後、大きな袋に荷物を詰めて戻ってきました。
そして、AはBとCを指定された場所まで送り届けました。
Aは、Bから謝礼として3万円を受け取りました。
後日、兵庫県養父警察署がAさん宅を訪れ、窃盗容疑でAさんを逮捕しました。
(フィクションです。)

共同正犯と幇助犯

1.共同正犯について

2人以上の行為者が、意思の連絡に基づき、共同して犯罪を実現する場合を「共犯」といいます。
「共犯」にも、2人以上の者が共同して犯罪を実行する「共同正犯」、他人をそそのかして犯罪実行の決意を生じさせ、その決意に基づいて犯罪を実行させる「教唆犯」、実行行為以外の行為で実行行為者の実行行為を容易にさせて犯罪を実現する「幇助犯」とがあります。
共同正犯」は、2人以上の者が、共同して犯罪を実行するもので、すべての者が正犯として処罰されます。

共同正犯が成立するためには、
(1)共同実行の意思に基づき、
(2)共同実行の事実
が必要となります。

(1)共同実行の意思

2人以上の者が、共同してある特定の犯罪を行おうとする意思を「共同実行の意思」といい、この意思の連絡が必要となります。
共同実行の意思の連絡を「共謀」といいます。
共同実行の意思は、必ずしも犯行の細部にわたって認識していたことまでも必要とされません。

(2)共同実行の事実

共同実行の意思の連絡に基づいて、共謀者の全部又は一部が犯罪の実行行為をおこなったことが必要となります。

共同正犯の成立には、(1)共同実行の意思、そして、(2)共同実行の事実が必要となるのですが、共同実行の事実を欠いた場合でも、共同実行の事実がある場合と実体的に共同実行したのと変わりない関与をした場合には、共同正犯が成立します。
これは、いわゆる「共謀共同正犯」といいます。
共同実行の事実と変わらない関与をした場合とは、①犯行実現への強い動機、関心、利害があり、②これに基づいて犯行を実現するのに重要な役割を果たした場合です。

①犯行実現の強い動機・関心・利益
利益の分配があること、犯罪の実現によって利益を得る関係にあること、暴力団・過激派・会社犯罪のような組織犯罪であることなどから、犯罪実現に強い動機・関心・利益があるか否かが判断されます。

②犯罪の実現に重要な役割を果たした
時間的・場所的に実行行為に近接し、実行行為を直接援助する行為や、実行行為を直接援助する行為とは言えないけれど、犯行遂行上、重要かつ不可欠な行為を担った場合には、犯罪の実現に重要な役割を果たしたと考えられます。

以上のように、実行行為を行っていない場合であっても、共謀共同正犯が成立し、正犯と同じように処罰されることがあります。

共謀共同正犯の場合、実行していないため、本当に犯罪の共謀をしたのかについて争われることがあります。
例えば、上のケースにおいて、Aさんが共謀共同正犯の成立を争う場合には、Aさんが、共同実行の意思を欠いており、共謀共同正犯が成立しないことを主張することがあります。
そのような場合には、単に「共同実行の意思はない!」と述べるだけではなく、客観的な証拠に基づいて説得的に主張していかなければならず、刑事事件に精通する弁護士による弁護が必要となるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
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覚せい剤取締法違反で緊急逮捕

2020-06-07

覚せい剤取締法違反事件で緊急逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
自営業のAさんが、覚せい剤を使用した疑いで、兵庫県明石警察署緊急逮捕されました。
Aさんは、6月7日未明、兵庫県明石市内の路上で不審な動きをしていたため、兵庫県明石警察署の警察官が職務質問をし、尿検査の結果、覚せい剤の陽性反応が出たため、Aさんを緊急逮捕しました。
Aさんは、容疑を認めています。
(フィクションです。)

人の身体を拘束する強制処分である「逮捕」は、原則として、事前に裁判官が発布する逮捕状によるものでなければなりません。
しかし、例外として、逮捕状なく逮捕することも認められています。
逮捕状のない逮捕には、「現行犯逮捕」と「緊急逮捕」とがあります。

今回は、緊急逮捕について解説します。

緊急逮捕とは

刑事訴訟法第210条1項は、緊急逮捕について規定しています。

第二百十条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

緊急逮捕は、
①死刑・無期・長期3年以上の懲役・禁固にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があり、
②急速を要し、
③裁判官の逮捕状を求めることができず、
④逮捕の必要性がある場合に、
その理由を被疑者に告げた上で、逮捕するものです。

緊急逮捕が許されるのは、重い罪に制限されています。
重い罪といっても、①に該当する罪は多く、殺人罪、傷害罪、強盗罪、強制性交等罪、強制わいせつ罪、現住建造物等放火罪といったものから、窃盗罪、公務執行妨害罪、器物損壊罪も含まれます。
上のケースでは、Aさんは覚せい剤取締法違反(使用)を疑われていますが、本罪の法定刑は、10年以下の懲役ですので、長期3年以上の懲役にあたる罪となります。
そして、そのような重い罪を犯したと疑うだけの充分な理由が必要です。

また、緊急逮捕が許されるのは、その名の通り、「緊急性」の要件を満たしている場合です。
すぐに逮捕しなければ逃げてしまう、今逮捕しないと証拠が隠滅されてしまう、といったような切迫した状況にあって、裁判官に逮捕状を請求して、裁判官が逮捕状を発布するのを待っている時間がない場合です。

刑事訴訟法には、その要件が記載されていませんが、通常逮捕の要件である「逮捕の必要性」も緊急逮捕の要件のひとつと解されます。
つまり、「逃亡するおそれ」や「犯罪の証拠を隠滅するおそれ」です。

緊急逮捕の場合、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければなりません。

緊急逮捕は、通常逮捕および現行犯逮捕と以下の点で異なります。

通常逮捕との大きな違いは、事前に裁判官から逮捕状が発布されているか否かという点です。
通常逮捕は、裁判官が発布した逮捕状で逮捕するのに対し、緊急逮捕は、逮捕状なく逮捕することができます。
また、通常逮捕の要件に「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があることとされますが、緊急逮捕では「罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由」がある場合にのみ逮捕することができます。
緊急逮捕には、通常逮捕における「相当」な理由よりも高度の嫌疑があることが求められるのです。
さらに、緊急逮捕の対象となる犯罪は、死刑・無期・長期3年以上の懲役・禁固に当たる罪に限定されています。

現行犯逮捕は、逮捕状なしに逮捕できる点で、緊急逮捕と同じですが、緊急逮捕は犯人の身柄を拘束した後で、すぐに逮捕状を裁判官に請求しなければなりません。
また、現行犯逮捕は一般人でも可能ですが、緊急逮捕ができるのは検察官、検察事務官、司法警察職員に限られます。

緊急逮捕された後の流れは、通常逮捕や現行犯逮捕と同じです。

逮捕から48時間以内に検察官に送致されるか否かが決まり、検察官が被疑者の身柄を受けてから24時間以内に勾留請求をするか否かが決まります。
逮捕から勾留までの期間は短く、逮捕から長くても3日で勾留が決まってしまいます。
「家族が逮捕された!」と慌てふためいている間に、勾留が決まり長期間の身体拘束を余儀なくされる…ということもあります。

ご家族が刑事事件を起こし逮捕されてしまったのであれば、できる限り早い段階で弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、覚せい剤取締法違反事件も含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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殺人と傷害致死の境界線~殺意の有無~

2020-05-31

殺人傷害致死の境界線について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース①~
兵庫県朝来市に住むAさんは、長年Vさんと交際しており結婚の話も出ていました。
しかし、ある日突然、Vさんが他の人と結婚するから別れてほしいと言われ、AさんはVさんに対して激しい憎悪を抱きました。
Aさんは、倉庫に置いてあったバットを持ち出し、そのバットでVさんの頭部や顔面、腹部を十数回にわたって殴打しました。
その結果、Vさんは脳挫滅などにより死亡しました。
Aさんは、Vさんを殺すつもりはなかったと供述しています。
(フィクションです。)

~ケース②~
兵庫県朝来市に住むAさんは、長年Vさんと交際しており結婚の話も出ていました。
しかし、ある日突然、Vさんが他の人と結婚するから別れてほしいと言われ、AさんはVさんに対して激しい憎悪を抱きました。
Aさんは、鉄拳でVさんの頭部や顔面、腹部を十数回にわたって殴打したところ、Vさんはその場に倒れ、脳挫傷などにより死亡しました。
Aさんは、Vさんを殺すつもりはなかったと供述しています。
(フィクションです。)

殺人と傷害致死の境界線は?

上のケースでは、どちらもAさんがVさんに暴行を加えたことにより、Vさんが死亡しています。
Vさんを死亡させてしまったあという結果は同じです。

生じる結果は同じであっても、成立し得る罪が同じとは限りません。
ケース①では殺人罪が、ケース②では傷害致死罪が成立するものと考えられます。
同じ被害者の死という結果にもかかわらず、殺人罪と傷害致死罪が成立する場合とがあるのは、どのような違いによるのでしょうか。

それは、「殺意」を有していたか否かの違いによるものです。

殺人罪は、人を殺す犯罪です。
殺人罪の成立には、犯行時に殺意を有していることが必要です。
殺意というのは、人が死ぬ危険性の高い行為を、そのような行為と分かって行ったことです。
細かく言えば、相手が確実に死ぬとわかって、あるいは、相手が確実に死ぬとまではわかっていないけれども、もし死んでしまうとしてもかまわないと思っていた場合です。

殺意は、人の心の内のことですが、内心は行動などに客観面に表れることから、客観的な事情に基づいて認定されます。
つまり、人が死ぬ危険性の高い行為をそのような行為であると分かって行ったか否かを客観的な事情に基づいて認定していくことになるのです。

殺意の認定における客観的な事情としては、次のようなものがあります。

①創傷の部位

創傷の部位が、胸部(特に心臓部)、頭部、顔面、腹部、頸部などにあれば、これらの部位は、人体のその損傷が生命に影響を大きく与える部分であることから、殺意を認定する要素となります。

このような部位に傷があれば、人が死ぬ危険性の高い行為であると分かって行ったと認めやすいのですが、行為者が、その部位を認識しないで傷を生じさせた場合は、消極要素となります。

②創傷の程度

加えられた攻撃の程度やその回数の大小で、その程度や回数が大きければ大きいほど殺意を認定する要素となります。

例えば、刃物で被害者を刺し殺した場合、刺された箇所が多ければ多いほど、攻撃の回数は多く、また、刺された傷の長さが10センチを超え、刃物の刃体と比較してその割合が高い場合は、その攻撃の程度は強く、人が死ぬ危険性の高い行為であると認識して行ったと認められやすくなります。

③凶器の用法

力を込めたり、繰り返し凶器を使用した場合は、殺意を認定する要素となります。

④動機の有無

行為者と被疑者との行為前後の行動状況、両者の性格、両者の知己の程度や交際関係などから、殺意を抱く合理的な理由、つまり、動機がある場合は、動機に基づいて殺意が発生したとして、殺意を認定する要素となります。

⑤犯行後の行動

犯行後、被害者をそのまま置き去りにする場合は、死亡の結果発生に沿う行動であるので、殺意の認定要素となります。
他方、被害者に救命措置を講じる場合には、死亡の結果を阻止する行動であるので、殺意の認定の消極要素となります。

以上のような客観的事情に基づいて、殺意の有無が判断されます。

ここで、上のケースについて考えてみましょう。

ケース①において、AさんはVさんに対し、頭部や顔面、腹部という人体の枢要部に対し、十数回にわたってバットで殴打し、その結果、Vさんに脳挫滅を負わせ、Vさんを死亡させています。
そして、これらの行為は、突然Vさんから別れを切り出されたことに対する憎悪に基づくものです。
創傷の部位、バットという凶器の種類、用法、脳挫滅という創傷の程度、動機から、Aさんは、Vさんが死ぬ危険性の高い行為をそのような行為であると分かっていながら行った、つまり、殺意が認定でき、Aさんは殺人罪の罪責を負うのもと考えられます。

次に、ケース②についてですが、AさんはVさんに対し、頭部や顔面、腹部という人体の枢要部に対し、十数回にわたって攻撃し、その結果、Vさんに脳挫傷の結果を生じさせ死亡させています。
そして、動機がVさんに対する憎悪であることは、ケース①と同じです。
しかし、ケース②では、Aさんの攻撃方法は鉄拳ですので、鉄拳での攻撃は凶器を用いた攻撃よりもその程度は弱く、一般的に鉄拳による攻撃から死亡の結果を生じさせる可能性は低く、死亡に至る危険性は低いといえるでしょう。
もちろん、行為者が格闘家のような場合は例外は考えられます。
以上の点から、Aさんが、人が死ぬ危険性の高い行為をそのような行為であると分かって行った=殺意を認定することは困難であり、Aさんは、傷害致死罪の罪責を負うと考えられます。

殺人罪と傷害致死罪の法定刑は大きく異なりますで、殺意の認定の如何により科される刑罰にも大きな違いが生じますので、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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勾留に対する準抗告に成功し釈放

2020-05-24

勾留に対する準抗告が認められ釈放となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市東灘区の駅構内で、女子高生のスカート内にスマートフォンを差し入れ、盗撮したとして、会社員のAさんが目撃者らに取り押さえられました。
その後、Aさんは兵庫県東灘警察署の警察官に引き渡されました。
警察から逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、ショックのあまり寝込んでしまいました。
そうこうしているうちに、Aさんは勾留され、10日間は外に出られないと言われたAさんの妻は、慌ててネットで刑事事件に強い弁護士に相談の連絡を入れました。
(フィクションです。)

あなたのご家族が逮捕・勾留されてしまったら

あなたの大切なご家族が刑事事件を起こし、逮捕されてしまったとしましょう。
あなたのご家族は、逮捕されてから48時間以内に釈放となるか、証拠や関係書類と共に検察庁へ送られます。
検察庁に送られた場合、担当の検察官は、被疑者であるあなたのご家族を取り調べます。
取調べた上で、送られてきた証拠や関係書類等を検討し、あなたのご家族を勾留すべきかどうか判断します。

勾留」というのは、逮捕された被疑者や被告人の逃亡や証拠隠滅を防ぐために、刑事施設に留置して身柄を拘束することをいいます。

勾留とするためには、勾留の理由と勾留の必要性がなければなりません。

勾留の理由というのは、
・罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること。
・定まった住居を有しないこと。
・罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること。
・逃亡しまたは逃亡すると疑うに足りる相当の理由があること。
です。

このような勾留の理由がある場合でも、被疑者を勾留することによる利益と、勾留することにより被る被疑者の不利益を比較衡量した結果、被疑者を勾留する必要がある場合でなければなりません。

以上の要件を満たしていると判断されると、検察官は裁判官に対して勾留を請求します。

勾留請求を受けた裁判官は、あなたのご家族と面談を行います。
面談を行った上で、検察官から送られてきた資料を検討し、あなたのご家族を勾留すべきか否かを決めます。
裁判官が勾留の要件を満たすと判断すれば、勾留の決定がなされ、あなたのご家族は、検察官が勾留請求をした日から、原則10日間刑事施設に拘束されることになります。

10日間の身体拘束となれば、その間、学校や会社に行くことはできません。
数日であれば、体調不良の口実も通るでしょう。
しかし、日数が増えるにつて、そのような口実も通らなくなり、学校や会社に事件のことを伝えなければならなくなるでしょう。
学校や会社に事件が発覚すれば、最悪の場合、退学や懲戒解雇となる可能性もあります。

そのような事態を回避するためにも、できるだけ早く釈放されることを目指しましょう。

しかしながら、逮捕から勾留が決定するまでは、あっという間なのです。
長くとも3日の内で決まってしまいます。
兵庫県では、多くの場合、検察へ送られた日に、勾留請求され、勾留が決まってしまいます。
ですので、ご家族が逮捕されたとの連絡を受けて、あれこれしている間に、いつの間にか勾留に付されていたなんてことは少なくありません。

勾留となってしまった場合でも、勾留の裁判に対して不服申立を行い、勾留を取り消し、釈放となる可能性はあります。
勾留に対する不服申立を「勾留に対する準抗告」といいます。
勾留を決定した裁判は間違っていると異議を申し立てるものです。
勾留に対する準抗告については、勾留を決定した裁判官ではない裁判官によって判断されます。
申立にあたっては、勾留の理由および勾留の必要性がないことを客観的な証拠に基づいて説得的に主張しなければなりません。
例えば、勾留の理由で、被疑者の逃亡・罪証隠滅のおそれが該当すると判断されていたのであれば、家族の監督が期待できることを、また、勾留の必要性については、被疑者家族は被疑者の収入で生活しているため、勾留により解雇された場合に被る不利益が著しく大きいことを主張します。

準抗告が認められれば、先の勾留の決定は取り消され、検察官の勾留請求も却下されますので、勾留されていた被疑者は釈放となります。

いつ釈放されるかで、拘束されたいた方やそのご家族のその後の生活も大きく変わってきますので、できるだけ早期の釈放を目指しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でご家族が逮捕・勾留されてお困りであれば、今すぐ弊所にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

裁判員裁判にも対応する弁護士

2020-05-17

裁判員裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県川西警察署は、傷害致死の容疑でAさんを逮捕しました。
逮捕されたAさんは、この先どのような手続を踏むことになるのか分からず不安です。
担当の取調官からは、裁判員裁判に付される可能性について聞きました。
Aさんは、家族が手配した刑事事件専門の弁護士に、裁判員裁判について聞いています。
(フィクションです)

裁判員裁判について

裁判員裁判が導入されてから、はや11年が経とうとしています。
私たちも、裁判員として裁判に参加する可能性があるのですが、みなさんはどのぐらい裁判員裁判についてご存じでしょうか。
今回は、裁判員裁判、そして、裁判員裁判の対象となる刑事事件における弁護活動について解説します。

裁判員裁判とは

通常の刑事裁判は、検察官、そして、被告人・弁護人が提出した証拠に基づいて、被告人が罪を犯したことが合理的な疑いを入れない程度に立証されたか、つまり、有罪であるか否か、そして、有罪である場合には、どのような刑罰を科すべきかについて、法律の専門家である裁判官が判断します。
これに対して、裁判員裁判は、裁判官に加えて、一般市民が裁判員として裁判に参加し、被告人の有罪無罪、そして量刑の判断も行います。
もちろん、参加する裁判員は、法律の専門家ではありませんので、裁判が円滑に進むよう、裁判員裁判には、通常の刑事裁判とは異なる手続がとられます。

まずは、どのような事件が裁判員裁判の対象となるのかについてみていきましょう。

全ての刑事事件が裁判員裁判の対象となるわけではなく、ある一定の重大な事件のみが裁判員裁判の対象となります。
裁判員裁判の対象事件は、
①死刑または無期も懲役もしくは禁固にあたる罪にかかる事件
②法定合議事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪にかかる事件
です。
法定合議事件というのは、数人の裁判官で審理される事件のことです。

裁判員裁判の対象となる具体的な罪名をあげると、殺人、現住建造物等放火、通貨偽造・同行使、強制性交等致死傷、身代金目的略取等、強盗致傷、強盗致死、強盗殺人、傷害致死、危険運転致死などです。

裁判員裁判では、原則として、裁判員6名と裁判官3名が1つの事件を担当します。

裁判員は、公判期日に出頭し、刑事裁判の審理に出席します。
公判期間は、できる限り連日となるようにし、集中して審理ができるようにします。
そのため、公判期間に先立って、裁判官、検察官、被告人・弁護人が「公判前整理手続」を行います。
この公判前整理手続では、検察官が手持ちの証拠を開示した上で、裁判でどういった点が争われるのかについて予め明らかにし、審理の進行予定が決められます。
争点を予め明らかにしておくことで、短期間での審理が可能となります。
また、法律に明るくない裁判員も、予め争点が明らかにされていることで、落ち着いて事件を審理することができます。

公判の流れとしては、通常の刑事事件と同様です。
まず、検察官が起訴状を朗読し、裁判で立証したい事実について確認します。
その後、検察官と弁護人がそれぞれが証明しようとする事件のストリートについて説明した上で、証拠の取調べを行います。
検察官、弁護人は、裁判員に分かりやすい方法で、それぞれの主張を展開し、証拠調べを行います。
証拠調べは、主に証人尋問が中心となります。
証拠調べが終わると、検察官、弁護人それぞれが最後に意見を述べます。
これで、公判審理が終了します。

公判審理が終わると、裁判員と裁判官は、被告人が有罪か無罪か、有罪の場合にはどのような刑罰を宣告するかについて話し合います。
そして、後日、裁判員立ち合いのもと、裁判長が判決の宣告を行います。

以上が、裁判員裁判のおおまかな流れます。
裁判員裁判の大きな特徴のひとつに、公判前整理手続に付されるということです。
公判前整理手続に付されることで、公判期日では、裁判での争点が明らかになり、裁判が円滑に進むという利点があります。
その反面、公判前整理手続をうまく利用することができず、相手の主張をよく理解することができなければ、的確な反論をすることができず、争点があやふやになってしまうおそれがあります。
争点があやふやになると、証人尋問や被告人質問で適切な対応ができなくなってしまいます。
裁判員裁判では、公判前の段階から裁判の結果に大きく影響しかねません。

それゆえ、公判が始まる前から弁護士の力量が大きく問われることになるのです。

また、裁判員裁判では、一般市民である裁判員が出席するため、裁判員に理解・納得してもらえるような言葉や証拠で、主張を展開していく必要があります。

裁判員裁判で無罪判決や減刑、執行猶予判決を目指すのであれば、裁判員裁判の経験・実績が豊富な弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
裁判員裁判の経験・実績のある弁護士も所属しておりますので、裁判員裁判の対象となる事件を起こし対応にお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

業務上横領事件で起訴回避

2020-05-10

業務上横領事件で起訴回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県丹波篠山市にある会社で経理業務を担当していたAさんは、管理していた現金を横領していました。
家庭の都合でAさんが会社を退職した後に、横領に気づいた会社は、すぐにAさんに連絡しました。
「全額返済してくれないなら、兵庫県篠山警察署に被害届を提出する。」と言われたAさんは、このまま業務上横領起訴されてしまうのかと心配しています。
(フィクションです)

業務上横領罪とは

業務上横領罪は、①業務上の委託に基づき、②自己の占有する他人の物を、③横領する犯罪です。

①業務上

「業務」というのは、委託を受けて他人の物を占有または保管する事務を反復継続して行う地位のことを意味します。
例えば、質屋や倉庫業者、職務上金銭を保管する役職員などが、業務上の占有者です。
上記ケースでは、Aさんは、会社で経理を担当していたので、「業務上」の要件を満たすでしょう。

②自己の所有する他人の物

これは、業務と関連して理解自己が占有する他人の物を指します。
「占有」とは、物に対して事実上または法律上支配力を有する状態のことをいいます。
他人から預かった金銭を預金した者や小切手振出をゆだねられた者は、その人の金銭が入っている預金を占有していると理解されます。

③横領

「横領」の意義については、不法領得の意思を実現する一切の行為と理解する「領得行為説」と、委託の趣旨に反する権限逸脱行為と理解する「権限行為説」とが主張されていますが、判例及び通説は、前者の「領得行為説」の立場を採っています。
この説によれば、横領とは、「委託物につき不法領得の意思を実現するすべての行為」を含みます。
ここでいう「不法領得の意思」というのは、「他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その者につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思」をいいます。
よって、領得行為説において、「横領」行為は、「不法領得の意思を表現する一切の行為」のことで、売買、贈与、質入れ、抵当権の設定、消費、着服などが含まれます。
「不法領得の意思」は、自己のために領得する意思に限定せず、行為者と特殊の関係を有する第三者に領得させる意思があってもよいとされます。
委託者本人のために物を処分した場合、原則としては「不法領得の意思」は認められませんが、その処分が委託の趣旨に反し許されないものであるときには、不法領得の意思が認められます。
また、処分したものを後日補填する意思があった場合でも、「不法領得の意思」が認められることがあります。

上記ケースにおいて、Aさんがもっぱら自分のために使う目的で、会社のお金を着服していたのであれば、業務上横領罪が成立すると考えられます。

業務上横領事件で起訴を回避するためには

業務上横領事件で捜査機関が刑事事件として捜査を開始する場合、その多くが、被害者からの被害届や告訴を受理したことによります。
ほとんどの場合、被害者が横領に気が付いた時点で、警察に相談する前に、被疑者を呼び出し事情を聞き、横領額の返済を求めることになります。
横領した者に刑事処分が下ったところで、被害が回復されなければ被害者にとって意味がありませんので、まずは被害弁償がなされることを優先するのです。
警察に事件が発覚する前に、被害弁償が完了すると、被害者によっては、問題となっている横領の件について被害届の提出や告訴をしないこともあります。
しかし、早期の被害弁償が叶わない場合や、被害者の処罰感情が強い場合には、捜査機関に被害届を提出、あるいは告訴をすることもあります。

警察が被害届や告訴を受理すると、捜査を開始することになります。
最終的に、起訴するか否かの判断は、警察ではなく検察官が行います。
起訴された場合、かなりの確率で有罪となりますので、公判請求にしろ、略式起訴にしろ、前科が付く可能性は高いでしょう。
そのため、検察官が起訴しないように早期に動く必要があります。

業務上横領事件において、起訴を回避するためには、何よりもまず、被害弁償がなされていることが重要なポイントとなります。
業務上横領罪は財産犯にあたるため、被害が回復したか否かという点が起訴・不起訴を判断する際に考慮されます。

起訴を回避するためには、早期に被害弁償をすることが重要です。
被害弁償を行うにあたって、被害者との交渉が求められますが、当事者同士の交渉は、感情論的になり交渉がなかなか進まないこともありますし、お互いに主張する横領額が大きく異なることもあります。
そのため、業務上横領事件において、交渉を円滑にすすめるために、弁護士を介して行われることが多くなっています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、業務上横領事件も含めた刑事事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

少年鑑別所収容を回避

2020-05-06

少年鑑別所収容を回避する活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市須磨区に住む高校生のAくん(15歳)は、盗撮の容疑で兵庫県須磨警察署に逮捕されました。
逮捕された日の夜に、Aくんは釈放されましたが、余罪もあるようで、警察からその後も取調べで出頭してほしいと言われています。
釈放となり一安心したAくんとAくんの両親でしたが、ネットで調べたところ少年鑑別所に収容される可能性があることを知り、Aくんも収容されるのか心配になり、すぐに少年事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

少年鑑別所とは

少年鑑別所」は、文字通り、「少年」を「鑑別」するところです。
具体的にいうと、鑑別対象者の鑑別、観護措置等によって収容される者らに対する必要な監護処遇、非行および犯罪の防止に関する援助を行う機関です。

少年鑑別所での鑑別は、「医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識・技術に基づき、鑑別対象者について、その非行・犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上、その事情の改善に寄与するため、その者の処遇に資する適切な指針を示すもの」とされています。
つまり、非行行為や罪を犯した少年が審判を受けるにあたって、様々な専門的見地から、少年が非行行為や罪を犯すに至った原因を明らかにし、再び過ちを繰り返さないよう少年の更生に適した処分を決めるための指針を示す目的で、少年の鑑別が行われるのです。

鑑別のために調査すべき事項は、少年の性格、経歴、心身の状態、発達の程度、非行の状況、家庭環境や交友関係、所在中の生活や行動の状況などです。

少年鑑別所に収容される場合とは

少年鑑別所に収容される場合は、主に、①捜査段階で勾留に代わる観護措置がとられた場合、そして、②家庭裁判所送致後に観護措置がとられた場合、です。

①勾留に代わる観護措置

警察に逮捕された場合、逮捕から48時間以内に警察は被疑者を釈放するか検察に送致するかを決めます。
検察に送致された場合、検察官が被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、検察官は被疑者を釈放する、あるいは、勾留請求を行います。
この際、被疑者が少年の場合、検察官は「勾留に代わる観護措置」を請求することができます。
「勾留に代わる観護措置」がとられた場合、勾留先は警察署の留置場ではなく、通常、少年鑑別所となります。
勾留の場合、勾留期間は原則10日で、勾留延長が認められれば、最大で20日となるのに対し、勾留に代わる観護措置については、その期間の延長は認められないため、勾留期間は10日です。

勾留に代わる観護措置で少年鑑別所に収容されている間、あくまで「勾留」の代わりで少年鑑別所に収容されているため、当該少年は鑑別されるのではなく、引き続き捜査機関からの取調べを受けることになります。

②観護措置

捜査機関の捜査が終了し、事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所はいつでも「観護措置」をとることができます。
「観護措置」とは、家庭裁判所が、調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図るながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことをいいます。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護の2種類がありますが、実務上、前者がとられることはほとんどありません。

観護措置の期間は、法律上は、2週間を超えることができず、特に継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとされています。
しかし、実務上は、ほとんどの事件で更新されており、観護措置の期間は、通常4週間となります。

先述のように、家庭裁判所は、家庭裁判所に事件が係属している間、いつでも観護措置をとることができます。
しかし、逮捕・勾留されている少年については、家庭裁判所に送致されたときに観護措置がとられることがほとんどです。
また、捜査段階で身体拘束されていない場合でも、家庭裁判所に送致された後に、観護措置が必要と判断されて観護措置がとられることもあります。

少年鑑別所収容を回避する活動

上で述べたように、少年鑑別所に収容される場合には、勾留に代わる観護措置がとられる場合と家庭裁判所送致後に観護措置がとられる場合とがあることを説明しました。
収容措置がとられると、長期間通常の生活をすることができませんので、その後の少年の生活に支障をきたしていまい、少年の更生の障害となってしまう可能性もあります。

そのような事態を回避するためには、それぞれの措置がとられる前に、当該措置をとる必要がないことを主張し、関係機関に働きかけることが重要です。
捜査段階では、勾留に代わる観護措置はもとより、勾留されることがないよう、勾留する理由および必要性がない旨を、客観的な証拠に基づいて、検察官および裁判官に主張することが求められます。
また、家庭裁判所に事件が送致された段階で、観護措置の必要性がないと考えられる場合や観護措置を避ける必要がある場合には、観護措置の要件・必要性がないことや観護措置を避けるべき事情があることについて、意見書の提出や裁判官との面談を通じて説得的に主張する必要があります。

このように、適時に対応する必要がありますので、少年事件に精通する弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までご連絡ください。

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