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少年事件における被害者対応

2021-01-17

少年事件における被害者対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市灘区の路上を歩いていた女性の背後からいきなり抱き着き胸を服の上から触って逃走するという事件が起きました。
兵庫県灘警察署は、市内に住むAくん(高校1年生)を強制わいせつの疑いで逮捕しました。
Aくんは容疑を認めているとのことですが、Aくんの両親は被害女性への対応をどのようにすべきか分からず困っています。
(フィクションです)

被害者対応について

窃盗・詐欺・傷害・盗撮・痴漢などといった犯罪には、犯罪によって被害を被った被害者が存在します。
民事上の責任として、加害者は、自身の行為によって身体的・精神的・財産的損害を被った被害者に対して、損害賠償責任を負う可能性があります。

それでは、刑事事件においては、被害者対応の如何が最終的な処分やその後にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

被害者がいる事件では、被害弁償や示談が成立しているか否かといった点が最終的な処分に大きく影響します。
示談というのは、被害者との合意のことを意味しますが、通常は、加害者が被害者に対して慰謝料を含めた被害弁償を行う一方、被害者から許しを得、今回の事件は当事者間では解決したとする約束のことをいいます。
被害者のいる事件では、被害が金銭的に回復されたか否か、被害者が加害者に対してどのような感情を抱いているのか(厳しい処罰感情があるのか、処罰を求めていないのか)といった点が、処分を決めたり、宣告刑を決めるにあたって重要な意味を持ちます。
特に、被害者等の告訴権者からの告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」に該当する罪を犯した場合には、被害者との示談が成立し、被害者からの許しを得ているのであれば、検察官は起訴することができませんので、不起訴処分で事件を終了させることになります。
親告罪ではない場合でも、被害者との示談が成立していることが考慮され、不起訴処分となるケースは多くなっています。
起訴後であっても、被害弁償や示談は量刑上重要な要素となりますので、捜査段階で示談が成立していない場合でも、公判期日までに示談が成立するよう示談交渉に動くことは重要です。

以上のように、容疑を認めている場合には、被害弁償や示談成立に向けて活動することは、最終的な処分への影響という点で重要です。

また、刑事事件の段階で被害者と示談を成立させることにより、別途民事訴訟を起こされる危険性を回避することができます。

少年事件における被害者対応

刑事事件における被害者対応、つまり被害弁償や示談は、最終的な結果に大きく影響するという意味で重要であると言えますが、少年事件においても同様のことが言えるのでしょうか。

少年審判では、非行事実と要保護性の2点について審理されます。
非行事実は、成人の刑事事件でいう公訴事実です。
要保護性は、一般的に次の3要素から構成されるものと理解されます。
①再非行性
少年の現在の性格、環境に照らして、将来再び非行をする危険性があること。
②矯正可能性
少年法上の保護処分による矯正教育によって再非行性を除去できること。
③保護相当性
少年法上の保護処分が更生のために有効適切であること。
少年審判では、非行事実と要保護性が審理されるので、例え非行内容が重いものであっても、要保護性が解消されていると判断されれば、保護観察処分などの社会内処遇が言い渡される可能性があります。
逆に言えば、比較的軽い罪に当たる非行内容であったとしても、要保護性が高いと判断されると、少年院送致などの重い処分となる可能性もあるということです。

このように、少年事件では、要保護性が最終的な処分に大きく影響します。
そして、この要保護性という観点からも、少年事件においても被害者対応が重要であると言えるのです。
少年事件では、被害者との示談成立が直接処分に影響することはありません。
つまり、成人の刑事事件のように、被害者と示談が成立していることをもって事件を終了させることはありません。
しかし、家庭裁判所は、少年が、被害者への被害弁償や示談を通して、被害者の気持ちを考え、自分の行った行為を振り返り、その反省を深めることができたかどうかを見ており、その意味で、被害者対応が要保護性の減少につながり、処分にあたっても考慮される事情となります。
つまり、少年事件では、被害弁償や示談成立の有無それだけが考慮されるのではなく、例え示談が最終的には成立していなくとも、その過程で少年が被害者の気持ちを理解しようとし、事件と向き合い内省を深めたか否かも最終的な処分を決める際に考慮されることになるのです。

このように、成人の刑事事件における被害者対応と少年事件における被害者対応とでは、幾分か異なるところがあるため、少年事件でお困りであれば少年事件に強い弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし、被害者への対応にお困りであれば、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

ネット上の誹謗中傷で刑事事件に

2021-01-10

ネット上の誹謗中傷刑事事件に発展する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県南あわじ警察署は、ある日の早朝にAさんの自宅を訪れました。
「V社に対するネット上の誹謗中傷で、何か身に覚えはありませんか。」と尋ねられたAさんは、昨年まで勤めていたV社が「反社会的勢力と裏取引をしている」、「V社はブラック企業」、「V社は社員を奴隷扱いしている」などと、あることないことネットに書き込んでいたことを認めました。
Aさんは、人間関係のトラブルからV社を退社することになったため、その腹いせにネット上で誹謗中傷の書き込みを1年ほど続けていました。
Aさんは、大変なことをしてしまったと反省しており、今後どのような処分を受けることになるのか不安でたまりません。
(フィクションです)

止まぬネット上の誹謗中傷

インターネットの普及に伴い、ネット上でのトラブルも増加しています。
特に、SNSや掲示板での誹謗中傷の書き込みは後を絶ちません。
残念ながら、ネット上では相手方に自分の顔や名前を知られることがないということをいいことに、相手の気持ちを無視した無責任な書き込みをする者は少なくありません。
しかしながら、ネット上の誹謗中傷は刑法上の名誉棄損罪や侮辱罪にあたる可能性があります。

(1)名誉毀損罪

刑法第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

◇客体◇

名誉毀損罪の客体は、「人の名誉」です。
ここでいう「人」には、自然人のほかに、法人、法人格のない団体も含まれますが、特定の人や団体であることが求められます。
「関西人」といった漠然とした集団は「人」には含まれません。
「名誉」とは、人に対する社会一般の評価を意味します。
ざっくり言えば、「自分が社会からどのように評価されているのか」に関わるものです。
名誉毀損罪における「名誉」には、人の経済的な支払能力や支払意思に対する社会的評価は含まれません。
また、「名誉」は、その内容としての人の価値は積極的(ポジティブ)なものに限られ、消極的な(ネガティブ)価値は含まれません。

◇行為◇

名誉毀損罪の行為は、「公然と事実を適示し」て「人の名誉を毀損」することです。
「公然」とは、不特定または多数人が認識し得る状態のことをいいます。
SNSやネット掲示板における書き込みは、通常誰でも閲覧可能である状態であることから、公然性は認められるでしょう。
適示される「事実」は、人の社会的評価を害するに足りる事実でなければなりません。
人の社会的評価を害するか否かは、相手方のもつ名誉如何によって決まります。
例えば、医者でもない者に「医者のくせに風邪も治せないやぶ医者」といっても、相手方はそもそも医者ではないので、適示された事実によって社会的評価を害することはありません。
適示される事実については、それが真実が否か、公知か否か、過去のものか否か、といったことは問いません。
「適示」とは、具体的に人の社会的評価を低下させるに足りる事実を告げることをいい、その方法・手段は特に制限されません。
そして、社会的評価を害するおそれのある状態を発生させれば「人の名誉を毀損」したことになり、通常、公然と事実を適示することにより、通常人の名誉は毀損されたものといえ、既遂に達することになります。

◇故意◇

名誉毀損罪の成立には、行為者において、他人の社会的評価を害し得る事実を不特定または多数人が認識し得る形で適示していることについての認識がなければなりません。

(2)侮辱罪

刑法第231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

◇客体◇

侮辱罪の客体は、「人の名誉」です。

◇行為◇

侮辱罪の行為は、「公然と人を侮辱」することです。
「公然」および「人」については、名誉毀損罪におけるそれらの意義を同じです。
「侮辱」とは、他人の人格を蔑視する価値判断を表示することをいいます。

名誉毀損罪と侮辱罪との違い

名誉毀損罪と侮辱罪は、公然と人の社会的評価を低下させ得ることを示す点で共通していますが、これらの罪は、具体的な事実を示す場合が名誉毀損罪、具体的な事実ではない抽象的な評価などを示す場合が侮辱罪に該当すると言えます。
上記事例においては、「反社会的勢力と裏取引をしている」、「V社はブラック企業」、「V社は社員を奴隷扱いしている」と書き込んでおり、それらを具体的な事実とまでは言えず、抽象的な評価の適示にとどまるため、侮辱罪が成立するものと考えられます。

刑事事件に発展した場合

名誉毀損罪も侮辱罪も、告訴がなければ公訴を提起することができない「親告罪」と呼ばれる罪です。
「告訴」というのは、犯罪の被害者やその他の告訴権者が、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示のことです。
親告罪は、被害者らが「犯人を厳しく処罰してください。」と捜査機関に申し出ることで、検察官は起訴することができる罪です。
つまり、被害者らからの申し出がなければ、検察官は起訴することができません。
そのため、刑事事件となった場合でも、被害者との間で示談を成立させ、行為者の処罰を求めない旨の合意を成立させることができれば、起訴されることはありませんので、名誉棄損・侮辱事件においては、何よりも被害者との示談が重要になります。
しかしながら、示談交渉を当事者間で行うことはあまりお勧めできません。
当事者同士の交渉は、感情的になり易く、交渉が難航する場合が多いからです。
また、示談が成立した場合であっても、法律に詳しくない者同士では、合意内容を適切に示談書にすることは難しく、後々言った言わないの争いに発展することもあるからです。
被害者との示談交渉は、法律の専門家である弁護士を介して行うのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ネット上の誹謗中傷刑事事件に発展し対応にお困りであれば、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

盗撮で逮捕されたら

2021-01-03

盗撮逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、駅構内の階段で、女性のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮したところ、後ろにいた男性に、「盗撮しましたよね。」と言われ、腕を掴まれました。
Aさんは、最初は盗撮を否定していましたが、最終的には犯行を認めました。
その後、Aさんは、兵庫県芦屋警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
Aさんの帰りが遅いことを心配したAさんの母親は、警察署に連絡したところ、Aさんが盗撮逮捕されたことを知らされました。
Aさんの母親は、ショックを受けたと同時に、この後どのような流れでいかなる処分が言い渡されるのか不安で仕方ありません。
(フィクションです)

盗撮事件は、弊所の扱う刑事事件で最も多い事件のひとつです。
携帯電話やスマートフォンにカメラ機能が付いていることが通常であり、駅のエスカレーターや階段などといった場所で、自分のスマホを用いて、衝動的に盗撮を行うケースから、靴やカバン、さらにはペンなどといった物に小型カメラを仕込んで女性のスカート内を盗撮する計画的な盗撮のケースまで様々です。
メディアなどから得た誤った情報を基に、「盗撮は簡単にできる」、「身体に触れるわけじゃないから、相手もそんな嫌な気持ちにはならないだろう」、「ばれなければ大丈夫」などといった歪んだ認識を持ち、犯行に及ぶ傾向が見られます。
しかしながら、盗撮は犯罪です。
犯罪に軽いも重いもありません。

盗撮で逮捕された場合の流れ

盗撮逮捕される場合には、2つのケースがあります。
1つは、盗撮を行った際に、被害者や目撃者に身柄が拘束されてしまう場合です。
いわゆる「現行犯逮捕」です。
盗撮事件で逮捕されるケースの多くが、現行犯逮捕となっています。
見つからないと思っていても、不自然な行動は周囲に目立ちやすく、その場で犯行が発覚することが多いのです。
このように犯行現場で逮捕された場合、その後に警察に引き渡されることになります。

もう1つは、盗撮時には誰にも犯行がばれなかった場合や犯行が発覚したものの逃亡に成功した場合であっても、被害者が被害届を提出したり、目撃者が警察に通報するなどし、盗撮が警察に発覚すれば、警察は盗撮事件として捜査を開始します。
被害者や目撃者からの供述や周囲の防犯カメラの映像などから、犯人を特定します。
このように、捜査によって犯人が発覚した場合、かつ、被疑者の身柄を確保する必要があると判断されれば、警察は逮捕状を持って被疑者を逮捕します。
このような逮捕を「通常逮捕」といいます。
通常逮捕の場合、早朝に被疑者の自宅を訪れて逮捕したり、警察へ呼び出した後に逮捕するなどして逮捕が執行されることが多いようです。

どちらのケースであっても、盗撮逮捕されると、通常の刑事事件と同様に、逮捕後、まずは警察署で取り調べを受けます。
警察は、犯人をさらに拘束して取り調べる必要があると判断すれば、逮捕から48時間以内に、証拠や関係書類と共に被疑者を検察に送ります。
これを「送致」と呼びます。
盗撮事件では、初犯であり、容疑を認めており、家族などの身元引受人がいる場合には、検察に送致されずに、48時間以内に釈放となることも少なくありません。
しかしながら、職場や学校などでの盗撮事件のように、被害者との接触可能性がある場合や、余罪が疑われていたり、盗撮の常習者である場合には、検察に送致されることになるでしょう。

検察に送致されると、今度は検察官による取り調べを受けます。
検察官は、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放するか、裁判官に勾留の請求をするかを決めます。
被疑者をさらに拘束して捜査をする必要があると判断すれば、検察官は裁判官に勾留の請求を行います。
検察官からの請求を受けた裁判官は、被疑者と面談を行った上で、送られてきた事件資料に目を通し、当該被疑者を勾留すべきか否かを判断します。
裁判官が勾留を決定すると、被疑者は検察官が勾留請求を行った日から原則10日間の身体拘束を受けることになります。
他方、裁判官が勾留請求を却下すると、検察官が却下決定に対して不服申し立てを行わない限り、当該被疑者は即日釈放されることになります。

事件について起訴する起訴しないの判断を行うのは、検察官です。
捜査を遂げた結果、被疑者が犯罪を犯したことが証拠上明白であり、その訴追が必要であると判断する場合に、検察官は裁判所に起訴状を提出して起訴します。
逆に言えば、そのような場合でなければ、検察官は起訴しない、つまり不起訴で事件を終了させることになります。
勾留されている場合には、検察官は、勾留期間内に起訴不起訴の判断を行います。
既に釈放されていれば、比較的ゆっくりと捜査が進み、検察官の終局処分判断までにも時間を要します。

検察官による起訴の種類も1つではなく、盗撮の場合には、略式起訴による略式手続に付されることも多いです。
略式手続は、簡略化された手続であり、検察官による簡易裁判所への略式命令の請求により、法廷での審理を行わず、検察官が提出した証拠のみに基づき、簡易裁判所が罰金・科料を科す略式命令を言い渡すものです。
勾留されているケースでは、勾留期間満期日に、検察官に略式手続についての説明を受け、被疑者の了解を得たうえで、即日略式起訴され、罰金を納めて釈放となります。

盗撮などの同種前科があったり、犯行態様が悪質であるなど、略式手続に付するのが相当ではないと判断されれば、検察官は公判請求を行います。
この場合、公開の法廷で審理されることになります。
起訴されると、被疑者段階での勾留が被告人勾留に切り替わり、原則2か月の勾留となります。
起訴後は、保釈制度が利用できるため、捜査段階では身体拘束を解くことが困難であった場合には、起訴後すぐに保釈を請求し、釈放されるよう準備しておく必要があるでしょう。

盗撮逮捕された後の流れは、以上のようになります。
ただ、盗撮の内容や前科の有無、被害者との示談成立の有無などにより、釈放の可能性や最終的な処分結果も異なります。
ご家族が盗撮逮捕されたのであれば、早期釈放やできる限り穏便に事件を解決するために、早期に弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

覚せい剤取締法違反事件で保釈

2020-12-27

覚せい剤取締法違反事件で保釈となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県宝塚市に住むAさんの自宅に、早朝、兵庫県宝塚警察署の警察官が訪れ、覚せい剤取締法違反で家宅捜索が行われました。
Aさんの部屋から覚せい剤が発見され、Aさんは覚せい剤所持で逮捕され、そのまま兵庫県宝塚警察署に連れて行かれました。
その場に居たAさんの妻は、突然の逮捕に驚き、Aさんがいつ釈放されるのか不安でなりません。
Aさんの妻は、刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

覚せい剤取締法違反での身体拘束

覚せい剤取締法違反で逮捕された場合、その後に勾留に付される可能性は極めて高いと言えます。

「逮捕」とは、被疑者の身柄を拘束し、引き続き短期間その拘束を続ける処分をいいます。
警察は、逮捕から48時間以内に、被疑者の取調べを行った上で、被疑者を釈放するか、若しくは被疑者の身柄を検察に送致します。
警察が被疑者の身柄を送致すると、検察官は、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者の取調べを行い、被疑者を釈放する、若しくは裁判官に対して勾留を請求します。
「勾留」とは、逮捕後なお引き続き比較的長期間の身体拘束の必要性があるときに、被疑者の身柄を拘束する裁判及びその執行のことをいいます。
検察官が勾留を請求すると、被害者の身柄は裁判所に移送され、裁判官との面談を行います。
裁判官は、被疑者を勾留すべきか否かを判断し、勾留とした場合には、被疑者は、検察官が勾留請求をした日から10日間その身柄が拘束されることになります。

「勾留」の要件には、①勾留の理由、及び②勾留の必要性とがあります。
勾留の理由は、(a)被疑者が「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」がある場合で、かつ、(b)住所不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれ、の少なくとも1つに該当することです。
勾留の必要性については、勾留の理由がある場合であっても、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これにより被る被疑者の不利益を比較衡量した結果、被疑者を勾留することが必要であるをいいます。

覚せい剤などの薬物事件では、薬物の入手先や譲渡先など、逮捕された被疑者だけでなく他の者も関与しているため、釈放した場合に、共犯者と連絡をとり、罪証隠滅を行う危険性があると判断されることが多く、勾留に付される可能性が高いのです。
そのため、覚せい剤取締法違反事件において、捜査段階での身柄解放は困難と言えるでしょう。
しかしながら、初犯であり、かつ被疑事実を認めている場合には、起訴後保釈制度を利用して釈放される可能性はあります。

保釈について

保釈」とは、一定額の保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身柄拘束を解く裁判とその執行のことをいいます。
保釈制度は、起訴され、被告人となった時から利用することができます。

保釈には、次の3つの種類があります。

(1)権利保釈
裁判所は、保釈の請求があったときには、原則として保釈を許さなければなりません。
しかし、例外として、権利保釈の除外事由がある場合には、請求を却下することができます。
除外事由は、以下の6つです。
①被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。

(2)裁量保釈
裁判所は、権利保釈の除外事由がある場合であっても、適当と認めるときには、職権で保釈を許すことができます。

(3)義務的保釈
裁判所は、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求により又は職権で、保釈を許さなければなりません。

このように、権利保釈の除外事由がある場合でも、職権で保釈を認めてもらえることがありますので、起訴後は保釈制度を利用して釈放されるよう動きます。

Aさんの場合、覚せい剤取締法違反覚せい剤所持)で起訴されているとすれば、法定刑は「10年以下の懲役」と定められていますので、下限は1月で権利保釈の除外事由①に該当しません。
しかし、薬物事件の場合、除外事由③や④に該当するとして権利保釈が認められないことがあります。
そのような場合でも、家族などの身元引受人がおり、専門的な治療を受けるなど再犯防止策が用意されていることや、被告人の身体拘束が長期化することで被る不利益の大きさなどを考慮してもらい、職権での保釈が認められる可能性はあります。

 

覚せい剤取締法違反事件における身柄解放活動は、薬物事件にも対応する刑事事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、覚せい剤取締法違反事件をはじめとした刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
身柄解放でお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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児童買春・児童ポルノ処罰法違反で逮捕

2020-12-20

児童買春児童ポルノ処罰法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県加古川市に住むAさんは、ある朝、兵庫県加古川警察署から突然家宅捜索を受けました。
警察は、Aさんと同居している両親に、「Aさんを警察署に連れて行く。」と伝えました。
Aさんの両親は、いったい何の件かもわからなかったので警察に尋ねたところ、「児童買春・児童ポルノ処罰法違反で。」と言われました。
息子の逮捕にショックを隠せない両親でしたが、何とか対応することはできないものかと、藁にもすがる想いで、ネットで検索し、刑事事件専門弁護士を探し出しました。
すぐに連絡し、警察署での接見をお願いしました。
(フィクションです)

児童買春・児童ポルノ処罰法

児童買春児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春・児童ポルノ処罰法」といいます。)は、児童買春児童ポルノに係る行為等を規制し、これらの行為等に対する罰則を定めています。

1.児童買春

児童買春・児童ポルノ処罰法において規制される「児童買春」とは、児童、児童に対する性交等を周旋した者、または児童の保護者もしくは児童をその支配下に置いている者に対して、対償を供与し、またはその供与を約束して、当該児童に対し、性交等をすることをいいます。(児童買春・児童ポルノ処罰法第2条2項)
ここでいう「対償」というのは、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益のことを意味しており、それはお金に限りません。
例えば、児童に食事をご馳走したり、プレゼントを渡したりすることや、児童やその保護者を雇用することを約束して、児童を性交等をした場合には、それが性交等をすることに対する反対給付であるといえるか、そして、食事やプレゼントが経済的にどのような価値を有するのか、雇用の約束が経済的利益にあたるのか、といった点を考慮して対償について判断されます。
また、「性交等」には、「性交もしくは性交類似行為をし、または自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門または乳首をいう。)を触り、もしくは児童に自己の性器を触らせること」が含まれています。
「性交類似行為」は、実質的に、性交と同視しうる態様での性的な行為のことで、口腔性交・肛門性交などがそれにあたります。

児童買春に関する罰則は、
児童買春…5年以下の懲役または300万円以下の罰金。
児童買春周旋…5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方。
        業とした場合は、7年以下の懲役および1000万円以下の罰金に加重。
児童買春勧誘…5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方。
        業とした場合は、7年以下の懲役および1000万円以下の罰金に加重。

2.児童ポルノ

児童売春・児童ポルノ処罰法における「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、①児童を相手方とするまたは児童による性交または性交類似行為に係る児童の姿、②他人が児童の性器等を触る行為または児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿で、性欲を興奮させまたは刺激するもの、③衣服の全部または一部を付けない児童の姿であって、殊更に児童の性的な部位が露出されまたは強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させまたは刺激するもの、を視覚により認識することができる方法で描写したもの、をいいます。

児童ポルノに関する罰則は、
児童ポルノ所持…「事故の性的好奇心を満たす目的」で児童ポルノを所持した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金。
児童ポルノ提供…3年以下の懲役または300万円以下の罰金。
児童ポルノ提供目的製造・所持・運搬・輸入・輸出・保管…3年以下の懲役または300万円以下の罰金。
児童ポルノ製造…児童ポルノに該当する姿を児童にとらせ写真撮影等して製造した場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金。
⑤盗撮による児童ポルノ製造…3年以下の懲役または300万円以下の罰金。
⑥不特定多数への児童ポルノ提供…5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方。
⑦不特定多数への提供目的製造・所持・運搬・輸入・輸出・保管…5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方。
⑧不特定多数への提供目的での外国への輸入・外国からの輸出…5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方。

以上のように、児童買春・児童ポルノ処罰法違反に対しては厳しい罰則が設けられており、事案によっては逮捕・勾留といった身体拘束となったり、起訴されて有罪となる可能性も少なくありません。
児童買春・児童ポルノ処罰法違反の嫌疑がかかり捜査の対象となった場合には、身体拘束の回避、逮捕された場合には勾留の回避、被害児童(実際にはその保護者)との示談を成立させるなど被疑者・被告人に有利な事情を示し、できるだけ寛大な処分で事件が終了することができるよう、早い段階から弁護士に相談するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、児童買春・児童ポルノ処罰法違反事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件で対応にお困りの方は、一度弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

違法コピー商品の所持で逮捕

2020-12-13

違法コピー商品所持逮捕される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市長田区の服飾雑貨販売店の経営者Aさんは、偽ブランド品を販売目的で所持していたとして、兵庫県長田警察署に商標法違反の疑いで逮捕されました。
Aさんは、店の倉庫に某ブランドのロゴが付いたマスクや財布、カバンなどを複数所持していました。
Aさんは、今後どのような処分となるのか不安で仕方ありません。
(フィクションです)

違法コピー商品の所持:商標法違反

違法コピー商品所持は、登録してある商標を不正利用したとして、商標法違反に問われる可能性があります。

商標法は、事業者が、自社の取り扱う商品やサービスを他社のものと区別するために使用するマークである商標を保護する法律です。
「商標」は、人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるものであって、業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用するもの、及び業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用するものです。

商標登録原簿に登録された商標は、商標法によって保護されます。
商標登録原簿に登録されると、商標権が生じます。
「商標権」とは、登録商標(商標登録を受けている商標)を指定商品又は指定役務(商標出願にあたり、その商標を使用している又は使用を予定している商品や役務を指定する必要があり、この指定された商品や役務のこと)について排他的独占的に使用できる権利のことです。
商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有します。
商標権者は、専用権を実効あるものとするために、登録商標の類似範囲の商標を第三者が使用することを禁止することができます。

商標権者は、その商標権について専用使用権を設定することができます。
専用使用権とは、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標を排他的独占的に使用できる権利のことです。

商標権の侵害

(1)商標権の直接侵害行為

商標法は、商標権又は専用使用権を侵害した者については、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することと定めています。
商標権の侵害というのは、他人の登録商標をその指定商品又は指定役務について使用する行為、及び他人の登録商標の類似範囲において使用する行為をいいます。
何の使用権限もない者が、指定商品又は指定役務について商標登録を受けている商標と同じ商標を使用した場合は、商標権の直接侵害行為に当たります。

(2)商標権の間接侵害行為

商標法は、商標権又は専用使用権の侵害する行為とみなされる行為を行った者については、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを丙かすると定めています。
商標権の侵害行為とみなされる行為には、
①指定商品・指定役務についての登録商標に類似する商標の使用、又は指定商品・指定役務に類似する商品・役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用。
②指定商品又は指定商品・指定役務に類似する商品であって、その商品又はその商品の包装に登録商標またはこれに類似する商標を付したものを譲渡、引渡し又は輸出のために所持する行為。
③指定役務又は指定役務・指定商品に類似する役務の提供にあたりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供するために所持し、又は輸入する行為。
④私的役務又は指定役務・指定商品に類似する役務の提供にあたりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供させるために譲渡し、引渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持し、若しくは輸入する行為。
⑤指定商品・指定役務又はこれらに類似する商品・役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をするために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を所持する行為。
⑥指定商品・指定役務又はこれらに類似する商品・役務について登録商標またはこれに類似する商標の使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を譲渡し、引渡し、又は譲渡・引渡しのために所持する行為。
⑦指定商品・指定役務又はこれらに類似する商品・役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をし、又は使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造し、又は輸入する行為。
⑧登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造するためにのみ用いる物を業として製造し、譲渡し、引渡し、又は輸入する行為。

さて、違法コピー商品所持については、その数が多ければ、販売目的があると認められ、商標権の間接侵害行為に当たる可能性があります。
犯罪の成立には、登録商標又は指定商品・指定役務の存在及びこれと同一又は客観的に類似した商標、商品・役務の使用等の事実を認識していることが必要となります。
そのため、違法コピー商品だと知らずに所持していた場合には、故意がなく犯罪は成立しません。

容疑を認める場合であっても否認する場合であっても、自己に不利な供述がとられることのないよう早期に弁護士に相談し取調べ対応についての適切なアドバイスをもらうのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
商標法違反でご家族が逮捕された方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

特殊詐欺で少年院送致を回避

2020-12-06

特殊詐欺少年院送致を回避する活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
大学生のAさんは、特殊詐欺の受け子として、兵庫県小野市の民家で住人からキャッシュカードが入った封筒を受け取りに行きました。
封筒を受け取り家を出た瞬間に、Aさんは外で待機していた兵庫県小野警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんは、本件以外にも1件同様の特殊詐欺の受け子をしていましたが、暗証番号が間違っていたためATMで現金を引き下ろすことができませんでした。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、Aさんは少年院に入ることになるのではないかと心配でなりません。
(フィクションです)

少年が特殊詐欺に加担するケースは少なくありません。
「簡単に金が稼げる。」、「いいバイトがある。」などといった誘い文句に乗り、アルバイト感覚で犯行に加担してしまうのです。
特殊詐欺に誘い込む組織の人間は、現金やキャッシュカードなどを受け取りに行く役(いわゆる「受け子」)は逮捕されやすいため、外部の人間に担わせることが多いのです。
そこで、インターネットの掲示板やSNSを通じて受け子を募集し、応募してきた者に犯行を指示し実行させます。

特殊詐欺による被害額も大きく、社会的にも大きな問題となっています。
そのため、特殊詐欺事件を起こした場合には、厳しい処罰が科される傾向にあります。
これは、被疑者が少年であっても同様の傾向が見られ、初犯であってもいきなり少年院送致という厳しい処分が言い渡される可能性があります。

特殊詐欺事件で少年院送致を回避するために

特殊詐欺については重い処分が科される可能性があります。
成人の刑事事件では、事件内容にもよりますが、初犯であっても実刑判決が言い渡されることもあります。
少年の場合でも、いきなり少年院送致となる可能性はあります。

少年院送致は、再非行のおそれが強く、社会内での更生が困難な場合に、少年を少年院に収容して矯正教育を受けさせる処分です。
少年院は、保護処分の執行を受ける者及び少年院において懲役又は禁錮の刑の執行を受ける者を収容し、これらの者に対して矯正教育その他の必要な処遇を行う施設です。
家庭裁判所は、少年院送致を決定する場合、少年の年齢や心身の発達の程度に応じて、送致すべき少年院の種類を指定します。

少年院送致を回避するためには、裁判官に少年の社会内での更生が期待できると認めてもらう必要があります。
少年審判では、非行事実の他に、要保護性についても審理されます。
要保護性というのは、一般的に、少年が将来再非行に至る危険性があり、保護処分により再非行が防止できることです。
具体的には、次の3つの要素から構成されます。
①犯罪的危険性:少年が、その性格、環境等から、将来、非行を繰り返す可能性があること。
②矯正可能性:保護処分によって、少年の犯罪的危険性を除去できる可能性があること。
③保護相当性:少年の処遇にとって、保護処分が有効かつ適切な手段であること。

この要保護性は、どのような保護処分をするかを決める上でも重要な要素となります。
そのため、付添人である弁護士は、要保護性の解消に向けた活動を行います。
この要保護性を解消するための活動を「環境調整」と呼びます。

特殊詐欺事件における環境調整

1.被害者対応

特殊詐欺事件では、財産的損害を被った被害者がいます。
そのため、被害者への被害弁償を行う必要があります。
成人の刑事事件では、被害者との示談成立が直接処分に影響しますが、少年の場合には、示談が成立したことをもって最終的な処分が軽くなるというわけではありません。
しかしながら、被害者への対応を行う中で、少年が自身が行った行為の重さを理解し、事件と向き合い、少年の内省を促すことに繋がります。
その意味で、被害者対応を行うことが要保護性の解消に影響するため、重要な活動のひとつを言えます。

2.家庭環境・交友関係の改善

少年の更生には、少年の家族の協力が必要不可欠です。
少年が非行を犯した原因が家庭環境にあることも少なくありません。
弁護士は、少年や家族としっかりと話し合い、少年の更生に適した環境を整えるべく尽力します。
また、交友関係が非行の原因である場合には、少年の交友関係の改善を目指します。
少年に対して一方的に交友関係を断つよう求めるのではなく、非行の原因が何であったかを考え理解させ、交友関係を改める必要性について納得させることが重要です。

少年が社会に戻ったとしても、更生できる環境が整っていると判断されれば、少年院送致ではなく保護観察による社会内処遇が言い渡される可能性が高まります。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
お子様が特殊詐欺に加担し逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談だくさい。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

ひき逃げ事件における身体拘束

2020-11-29

ひき逃げ事件を起こした場合の身体拘束の可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県洲本市で車を運転していたAさんは、車線変更をしたところ、後方から走行していたバイクと接触し、バイクは転倒してしまいました。
Aさんは、バイクが転倒したことをサイドミラーで確認しましたが、気が動転してそのまま少し先まで車を走らせました。
我に返ったAさんは、現場に戻ってきましたが、バイクの運転手は怪我をしているようで、すでに目撃者が救急通報していました。
現場に駆け付けた兵庫県洲本警察署の警察官に事情を聴かれたAさんは、正直に一度現場から走り去ったことを述べています。
警察官からは、Aさんの行為がひき逃げに当たると言われ、Aさんは今後どのような処分を受けるのか心配でなりません。
(フィクションです)

ひき逃げで問われる罪とは

芸能人をはじめとする有名人が交通事故を起こした場合、メディアで大きく取り沙汰されますが、なかでも「ひき逃げ事件」については一大ニュースとして扱われていますよね。
単なる交通事故よりも、ひき逃げ事件がそのように扱われるのは、事故を起こした人物の知名度にもよるところではありますが、後者のほうが重い罪となる場合が多いことも一因と言えるかもしれません。

交通事故を起こし、相手方に怪我を負わせてしまったり、死亡させてしまった場合には、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)に規定される「過失運転致死傷罪」、もしくは「危険運転致死傷罪」という罪が成立することになります。
ですので、通常、人身事故を起こした場合には、過失運転致死傷罪、または危険運転致死傷罪に問われることになります。

これに対して、ひき逃げ事件の場合には、上の罪に加えて、道路交通法違反の罪にも問われることになります。
いわゆる「ひき逃げ」というのは、交通事故を起こし、相手方に怪我を負わしているにもかかわらず、救護などの必要な措置をとることなく、その場を後にする行為のことを言います。
このような行為は、道路交通法で定められている義務に違反することになります。

道路交通法第72条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

この条文は、救護義務を当該交通事故に係る車両等の運転手その他の乗務員に課していますが、「車両等」には自転車などの軽車両も含まれます。
条文前段は、交通事故に係る車両等の運転手等に、その車両等を停止させ、負傷者に対して応急の手当てをしたり、医師への急報、救急車の要請、病院へ負傷者を運ぶなどといった救護を行い、車両等や負傷者を安全な場所に移動させるなどの措置をとることを要求しています。
このような行為を怠った場合には、救護義務に違反することになり、道路交通法違反が成立するというわけです。
救護義務違反についての罰則は、人身事故を起こした者による違反の場合には、10年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

ひき逃げ事件では、先の過失運転致死傷罪(7年以下の懲役若しくは禁固又は100万円以下の罰金)、あるいは危険運転致死傷罪(人を負傷させた場合:15年以下の懲役、人を死亡させた場合:1年以上の有期懲役)といった罪と道路交通法違反(救護義務違反)の2つの罪が成立する可能性があり、その場合、2つの罪は併合罪の関係となり、併合罪を有期懲役に処する場合は、最も重い罪について定めた刑の長期に2分の1を加えたものを長期とします。
そのため、仮に、過失運転死傷と道路交通法違反(救護義務違反)の2罪が成立する場合、裁判官は懲役15年を超える判決を下すことはできません。
しかしながら、過失運転運転致傷単体で処罰されるよりも罪は重くなります。

ひき逃げ事件を起こしたら

一度現場から逃亡しているため、ひき逃げ事件においては、逮捕・勾留といった身体拘束を受ける可能性が高いと言えます。
しかし、ひき逃げの態様によっては、例えば、一度その場を後にしたものの、すぐに現場に戻ってきたなどであれば、身体拘束からの解放の可能性も少なくありません。
勾留に付されれば、逮捕から最大で23日間の身体拘束となる可能性もあり、勾留により被り得る不利益は計り知れません。
そのような事態を回避するためにも、早期に弁護士に相談・依頼し、身体拘束からの解放を目指した活動を行うことが重要です。
弁護士は、勾留の要件を充たしていないことを客観的な証拠に基づき検察官や裁判官に説得的に主張し、勾留をしないよう働きかけます。
勾留が決定した後であっても、勾留の裁判に対する不服申し立てを行い、早期の釈放を目指します。

このような活動は、刑事事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件をはじめとした刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が逮捕されてお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

公務執行妨害で逮捕

2020-11-22

公務執行妨害逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県尼崎市の路上に車を駐車していたAさんは、駐車監視員が自身の車を取り締まっている場面に遭遇しました。
Aさんは駐車監視員に対して、「他の車も駐車しているだろう。なぜ俺のだけ取り締まっているんだ。」などと言ったところ、駐車監視員は相手にしなかったため、怒ったAさんは駐車監視員の男性の顔を殴りました。
通報を受けて駆け付けた兵庫県尼崎東警察署の警察官は、Aさんを公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕しました。
(フィクションです)

公務執行妨害罪

刑法第95条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

◇公務員◇
「公務員」とは、公務員の身分を有する者、及び公務員の身分は有しないが法令により公務に従事する議員・委員その他の職員のことをいいます。
駐車監視員は、放置車両確認事務の業務を委託された民間法人の従業員です。
しかし、警察署長から放置車両確認事務を受託している法人(放置車両確認機関)に従事する役員や駐車監視員は、公務員ではありませんが、業務を行っている最中は公務員とみなされる、いわゆる「みなし公務員」の立場にあります。

◇職務を執行するに当たり◇
「職務」とは、ひろく公務員の職務上取り扱う事務のことをいいます。
職務上の個々の行為のみならず、一定の継続性をもった勤務状態も職務の執行といえます。
「執行に当たり」とは、職務執行に際してを意味します。
まさに職務に着手しようとする場合や、職務の執行直後の職務執行と不可分の関係にある事後行為も含まれますが、職務の執行が終ってしまった後での公務員に対する暴行・脅迫は、公務執行妨害ではなく単なる暴行罪・脅迫罪が成立するにとどまります。

◇暴行・脅迫◇
公務執行妨害罪の成立には、公務の執行を妨害するに足りる「暴行」又は「脅迫」が加えられていることが必要となります。
「暴行」とは、人に対する不法な有形力の行為をいい、「脅迫」とは、恐怖心を起こさせる目的で、他人に害悪を告知することをいいます。
「暴行」は、公務員の身体に直接加えられることは必要ではなく、公務員が携帯している物や公務員の周囲にある物などといった物に対して加えられた有形力の行使であっても、公務員が現に行おうとする行動の自由を侵害するためになされ、それが公務員の身体に感応する作用を持つものであれば、間接的に公務員に対し暴行を加えたことになります。
本罪の「脅迫」は、人を畏怖させるに足りる害悪の告知のすべてを含みます。
暴行・脅迫の結果として、公務員の職務執行が現実に害されたことまでも必要とされません。

◇職務行為の適法性◇
公務執行妨害罪が成立するためには、暴行・脅迫を加えられた公務員の執行している職務が「適法」でなければなりません。
この要件は条文上明示されていませんが、解釈上必要な要件とされています。
職務行為が「適法」とされるためには、次の3つの要件が備わっていることが必要です。
①その行為が、その公務員の一般的権限の範囲内にあること。
②具体的職務行為について法律上の要件を具備していること。
③一定の方式や手続が有効要件とされる行為については、それらを正しく踏んでいること。

◇故意◇
公務執行妨害罪は故意犯であるので、本罪が成立するためには、犯人において、相手方が公務を執行中の公務員であることの認識がなければなりません。
この認識を欠く場合、単に暴行罪や脅迫罪が成立するにとどまります。

公務執行妨害で逮捕されたら

公務執行妨害事件の場合、現行犯逮捕となることがほとんどです。
通常の刑事事件では、逮捕から48時間以内に、被疑者が釈放されるか証拠や関係書類と共に検察庁に送られます。
被疑者の身柄を受けた検察官は、被害者に対して勾留請求をするか否かを決めます。
検察官が勾留請求をした場合、当該被疑者を勾留すべきか否かを裁判官が判断します。
勾留が決定すると、検察官が勾留請求をした日から10日間、被疑者の身柄は拘束されることになります。
公務執行妨害事件の多くが、酒に酔っていたケースやカッとなったやったケースなどであり、そのような場合、本人の住所が定まっており、身元引受人となる家族がいるようであれば、勾留されずに釈放となる可能性が比較的高いと言えます。
ただし、行為態様が悪質であり、罪証隠滅や逃亡のおそれが認められる場合には、勾留となる可能性もあります。

公務執行妨害事件でご家族が逮捕されてお困りであれば、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
早期釈放に向けた活動は、刑事事件・少年事件専門弁護士にお任せください。
無料法律相談初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。

口座売却・譲渡で刑事事件に

2020-11-15

口座売却譲渡刑事事件に発展する事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aさんは、金遣いが荒く、金融機関から借り入れを行うなどしていました。
簡単に稼ぐ方法はないかと、インターネットで探していたところ、預金通帳・キャッシュカードの高額買取を謳う広告を見つけ、さっそく相手方に連絡をとりました。
すると、△△銀行の口座を開設するように指示され、Aさんは指定された銀行の口座を開設しました。
そして、手に入れた銀行のキャッシュカードを指定された住所に送ると、Aさんが指定した銀行口座に5万円が振り込まれました。
しばらくしたある日、△△銀行から、Aさんが開設した口座が犯罪に使用されているため凍結した旨の連絡を受けました。
Aさんは、犯罪に使われたことは身に覚えがないと回答しましたが、△△銀行から、口座売却譲渡は犯罪に当たるため、後日警察から連絡があると言われ、心配になったAさんは、警察に行く前に弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

口座売却・譲渡は犯罪です

ネット上で、銀行口座売却譲渡を募る書き込みやメッセージを見たことがある方は、少なくないのではないでしょうか。
銀行の預金通帳やキャッシュカードを渡すだけで、融資を受けたり、高額な報酬を得られるなんて、おいしい話だと飛びついてしまう方もいらっしゃいますが、銀行口座売却譲渡は法律で禁止されており、違反した場合には刑罰が科せられることになる犯罪行為なのです。
以下、(1)他人に売却したり、使用させる目的で、銀行口座を新たに開設し、その銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却譲渡した場合と、(2)もともと自分で持っていた銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却譲渡した場合とに分けて、どのような罪が成立する可能性があるのかについて説明します。

(1)他人に売却したり、使用させる目的で、銀行口座を新たに開設し、その銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却・譲渡した場合

自分の名義で銀行の預金口座を開設することは、何ら違法なことではありません。
しかし、銀行は、その規定等によって、預金口座の契約者に対して、預金契約に関する一切の権利、通帳、キャッシュカードを名義人以外の第三者に譲渡、質入れさせまたは利用させるなどすることを禁止しています。
そのため、銀行側において、契約者が、他人に預金口座売却する、または他人に使用させる目的で口座を開設しているとわかっていれば、口座を開設させることはありません。
しかし、契約者が、その目的を秘して、自分で利用するために口座開設を申し込んだ(積極的に自分のための口座開設であることを申し込み時に主張していることまで必要とされず、預金口座の開設等を申し込むこと自体、申し込んだ本人がこれを自分自身で利用する意思があることを示しているものと理解されます。)のであれば、それを信じて銀行が口座の開設や、預金通帳・キャッシュカードの交付に応じた場合、契約者による口座開設の申し込み行為は、銀行を騙す行為(欺罔行為)であり、騙された銀行が、当該契約者の真意を知っていれば応じなかった行為、つまり口座の開設や預金通帳・キャッシュカードの交付が行われ、契約者は、預金通帳・キャッシュカードを取得するに至っており、詐欺罪が成立するものと考えられます。

(2)もともと自分で持っていた銀行の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却・譲渡した場合

他方、もともと自分自身が利用する目的で適法に開設した銀行の預金口座の預金通帳やキャッシュカードを他人に売却したり、譲渡した場合には、「犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下、「犯罪収益移転防止法」といいます。)に違反する可能性があります。

①自分の預金口座を、他人がなりすまして利用することを知った上で売却・譲渡した場合
自分名義の預金口座を、他人が自分になりすまして利用することを認識していながら、当該口座の預金通帳やキャッシュカードを売却したり譲渡した場合には、犯罪収益移転防止法第28条2項前段に当たり、それに対する罰則は、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはその両方となります。

②自分の預金口座を他人がどのように利用するかを知らずに、売ったり有償で貸したりした場合
相手方が自分名義の預金口座を自分になりすまして利用することを認識していなかった場合であっても、通常の商取引または金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で通帳やキャッシュカードを売ったり、貸したりした場合には、犯罪収益移転防止法第28条2項後段で規定されている行為に当たり、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。

以上のように、口座売却譲渡は、犯罪に当たる可能性があります。
売却譲渡した口座が特殊詐欺などの犯罪に利用されている場合には、遅かれ早かれ捜査機関に発覚することとなります。
そうなれば、口座の名義人は、捜査機関の取り調べを受けることになります。
問題の行為が上の犯罪に当たるか否かは、行為の目的をどのように認識していたかに依拠するため、銀行や警察から連絡を受けた場合には、速やかに刑事事件に強い弁護士に相談し、刑事手続を理解し、取り調べ対応についてのアドバイスを受けるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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まずはお気軽にお電話ください。

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