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則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

2021-07-29

 

密漁について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の代表弁護士則竹理宇が取材を受け、コメントが7月15日発行の東京新聞に掲載されました。

潮干狩り感覚の密漁で摘発されるケースが多発

これからの季節、海でのレジャーに出かける方も多いかと思いますが、海に生息する魚介類をむやみに採って持ち帰ると「密漁」となり、漁業法や、各都道府県が定める漁業調整規則に違反する可能性があるので注意が必要です。
中には、潮干狩り感覚で罪の意識がないままに禁止場所で貝類を採ってしまい、密漁として摘発を受けている方もいるようなので十分にお気をつけください。
また実際に各地でこういった事件の摘発が多発しており、海上保安庁等に検挙されると、管轄の検察庁に書類送検されて、刑事罰が科せられる可能性もあります
新聞記事には、こういった「密漁」に関して、漁業協同組合への取材内容や、専門家の意見を掲載し注意を呼び掛けています。

則竹弁護士のコメント

こういった密漁事件に巻き込まれないためにどうすればいいのかについて、則竹弁護士は「管轄の漁協に確認を取ってもらうのが確実だが、それが難しければ、人がいない場所では特に採取や立ち入りを禁止した看板などがないかチェックする。潮干狩り場以外では採ることを避けるのが賢明だ。」とコメントしています。

東京新聞(7月15日発行)の記事

虞犯少年で保護観察

2021-07-28

虞犯少年保護観察となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県東灘警察署は、大麻所持の疑いで少年ら5人を逮捕しました。
Aくんは、家出をしており、お世話になっていたBくんが、他の少年らと出会うということで付いてきただけであり、少年らが大麻を所持していることは知りませんでした。
捜査段階では、Aくんについて嫌疑は認められませんでしたが、Aくんは虞犯少年として神戸家庭裁判所に送致されました。
今後の手続や処分について不安になったAくんとAくんの両親は、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

虞犯少年とは

家庭裁判所は、非行があるとされている少年について、非行事実の有無を確定し、非行のある少年に対して、その性格や環境の問題に応じて、少年の更生に適した最終的な処分を選択します。
家庭裁判所が取り扱う非行があるとされている少年は、次の3つに分類されます。

①犯罪少年
罪を犯した少年のことです。

②触法少年
刑罰の定めのある法令に触れる行為をしたが、行為時に14歳未満であるため、刑法上罪を犯したことにならない少年のことです。

③虞犯少年
保護者の正当な監督に服しない、正当な理由がないのに家庭に寄りつかない、いかがわしい場所に出入りするなどといった一定の事由があり、その性格や環境からみて将来罪を犯すおそれのある少年のことをいいます。

家庭裁判所が、犯罪少年だけではなく、触法少年や虞犯少年も取り扱う対象としているのは、少年審判の目的が、罪を犯した者を非難し処罰することではなく、非行性を排除し将来罪を犯すことを防ぐことにあるためです。

このため、捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、少年について犯罪の嫌疑がある場合のみならず、犯罪の嫌疑が認められない場合でも、虞犯に該当する場合には、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。

虞犯少年についてもう少し詳しくみていきましょう。

虞犯少年は、少年法大3条1項3号のイ、ロ、ハ、ニの事由(これを「虞犯事由」といいます。)のいずれか1つ以上に該当し、かつその性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し(14歳以上の場合)、又は刑罰法令に触れる行為(14歳未満の場合)をするおそれ(これを「虞犯性」と呼びます。)のある少年のことです。

虞犯事由とは、次の4つです。

(イ)保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。

(ロ)正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。

(ハ)犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。

(ニ)自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

将来少年が罪を犯す、又は刑罰法令に触れる行為を行うおそれである虞犯性については、知能性格等の本人の問題点や、家庭・学校・職場・交流関係などの非行の誘因・抑止双方に関係する環境的要因などを総合的に検討して判断されます。

保護観察処分に向けて

少年審判では、非行事実と要保護性について審理されます。
要保護性とは、①少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること、②保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性、③保護処分による保護がもっとも有効でかつ適切な処遇であること、の3つの要素により構成されるものです。
虞犯事件は、過去に問題行動が繰り返されていたり、複数の前歴があったりと、少年の要保護性が高いケースが少なくありません。
そのため、虞犯事件といえども、児童自立支援施設送致や少年院送致となる割合が高い傾向にあります。
虞犯事件においても、要保護性の解消に向けて十分な活動を行う必要があります。

保護観察処分とは、保護処分の1つで、少年を施設に収容せずに社会生活をさせながら、保護観察所の行う指導監督及び補導援護によって少年の改善更生を図る、社会内処遇です。
施設収容ではなく社会内での更生が可能であると審判で認められれば、保護観察が決定されることになります。
そのためには、審判の審理対象となる要保護性の解消に向けた活動が重要なポイントとなります。
少年自身の内省を深めるとともに、少年の家庭、学校、職場、交際関係などといった周囲の環境を改善し、再び非行に陥ることのないように整えていく必要があります。
このような活動は、少年本人とその保護者だけでは難しい場合が多く、付添人である弁護士の協力を仰ぎながら行うのがよいでしょう。

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児童福祉法違反(淫行をさせる行為)で逮捕

2021-07-25

児童福祉法違反淫行をさせる行為)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県明石警察署は、自身の経営する塾に通う女子高生にみだらな行為をさせたとして、Aさんを児童福祉法違反淫行をさせる行為)の疑いで逮捕しました。
女子高生と両親が同署に相談したことで事件が発覚しました。
被害を受けた女子高生は、「言うことを聞かないと志望校に受からないと思った。」と話していますが、Aさんは「恋愛感情があった。」と述べており、容疑を否認しています。
(フィクションです。)

児童福祉法違反(淫行をさせる行為)について

児童福祉法第34第1項第6号条は、「児童に淫行をさせる行為」を禁止する旨を規定しています。
児童福祉法違反(児童に淫行をさせる行為)は、社会における児童の福祉を保護法益とするものです。

児童福祉法で定義される「児童」の対象年齢は、「満18歳に満たない者」であり、18歳未満の者が「児童」に当たります。

「淫行」とは、「児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又は性交類似行為」を意味し、「児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として取り扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為」が「淫行」に該当するものと理解されています。(最判平28年6月21日)
性交に準ずる性交類似行為には、手淫、口淫、素股、肛淫等を伴う男色行為、バイブレーダーを調達して児童に手渡し、自己の面前において、児童をしてこれを性器に挿入させる行為などが該当します。

また、「させる行為」については、「直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為をいうが、そのような行為に当たるか否かは、行為者と児童の関係、助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断する」とされます。(最判平28年6月21日)
雇用関係や身分関係などにより、行為者が児童を支配している場合には、淫行を助長促進する行為は、必ずしも積極的でなくてもよいと解されており、飲食店の経営者が、住み込み女中である児童が客と淫行することを承認した場合(最判昭30年12月26日)においても、児童に淫行をさせる行為を認めています。
「させる行為」とあるのは、児童福祉法第34条第1項第6号が、本来は売春防止法と同様の趣旨で、特に児童に売春をさせることを処罰する目的で立法されたためです。
しかし、判例は、自己を相手とする淫行をさせる場合も、「させる行為」に当たるとの解釈を採用しており、自己を相手とする淫行であっても、それが「児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」と言えるものであれば、淫行を「させる行為」に当たると考えられます。
そのため、18歳未満の者との性交・性交類似行為すべてが児童福祉法違反児童に淫行をさせる行為)となるのではなく、行為者と児童との関係、助長・促進行為の内容や児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容、淫行に至る動機・経緯、児童の年齢などを総合的に考慮して、児童に淫行をさせる行為と言えるのかどうかが判断されます。

上の事例においても、Aさんと女子高生との間の関係性(塾講師と生徒)から、助長・促進行為の内容や児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容、淫行に至る動機・経緯、児童の年齢などといった要素が検討されることになります。

児童福祉法違反児童に淫行をさせる行為)の法定刑は、10年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはその併科と非常に厳しいものとなっています。

相手方児童が被害者であるため、被害者への被害弁償や示談を成立させることを目指すことになります。
被害者自身は18歳未満であるため、示談交渉の相手は被害児童の保護者となります。
保護者の処罰感情は往々にして厳しく、示談交渉も難航することが予想されます。
そのため、刑事事件に詳しく、被害者との示談交渉にも豊富な経験を有する弁護士を介して示談交渉をすることをお勧めします。
また、児童福祉法違反児童に淫行をさせる行為)は、被害者等の告訴がなければ公訴を提起することができない罪(これを「親告罪」といいます。)ではありませんので、事案によっては、示談が成立したとしても、公判請求される可能性もあります。
しかしながら、示談が成立している場合には、検察官が起訴猶予として不起訴で事件を終了させる可能性を高めることができますので、やはり、非親告罪であっても、被害者との示談の有無は最終的な処分に大きく影響を与える要素となります。

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飲酒運転で危険運転致死傷罪

2021-07-21

飲酒運転危険運転致死傷罪が適用される場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県たつの市飲酒運転をして交通事故を起こし、相手方を死亡させたとして、兵庫県たつの警察署は、Aさんを危険運転致死の容疑で神戸地方検察庁姫路支部に送致しました。
Aさんは、飲酒運転後に事故を起こしたことについては認めていますが、運転時には、それほど酔っていた認識はありませんでした。
家族の依頼で接見に来た弁護士に、Aさんは自身に問われている罪について質問しています。
(フィクションです。)

危険運転致死傷罪について

人身事故を起こした場合、過失運転致死傷罪が適用されるケースがほとんどです。
しかし、一定の危険な状態で自動車を運転し、人を死傷させた場合には、より重い罪である危険運転致死傷罪が適用される可能性があります。
飲酒運転で交通事故を起こした場合も、道路交通法違反(酒気帯び運転)と過失運転致死傷罪ではなく、危険運転致死傷罪が成立することがあります。

危険運転致死傷罪は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)の第2条および第3条で危険運転致死傷罪について規定しています。

■危険運転致死傷罪(2条)■

第2条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
1 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
2 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
3 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
4 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
5 車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為
6 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)第4条第1項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和27年法律第180号)第48条の4に規定する自動車専用道路をいう。)において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為
7 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
8 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

飲酒運転に関するものとしては、1号の「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」によって、人を死傷させたか否かが問題となります。

判例によれば、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」とは、「アルコールの影響により道路交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態をいい、アルコールの影響により前方を中止してそこにある危険を的確に把握して対処することができない状態もこれに当たる。」とされています。(最決平23・10・31)
このような状態にあったかどうかを判断する際には、事故の態様のほかに、事故前の飲酒量及び酩酊状況、事故前の運転状況、運転後の言動、飲酒検知結果等が総合的に考慮されます。

また、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」と人の死傷との間に因果関係がなければなりません。

■危険運転致死傷罪(3条)■

第3条 アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。
2 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。

第3条1項は、「アルコールの影響により、正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で」、自動車を運転した結果、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態になり、人身事故を起こした場合に適用されます。
「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」とは、第2条第1号の「正常な運転が困難な状態」であるとまでは言えないけれども、自動車を運転するのに必要な注意力、判断能力や捜査能力が、そうではない時と比べて相当程度減退して危険性のある状態のほかに、そのような危険性のある状態になり得る具体的なおそれがある状態を意味します。
酒気帯び運転に当たる程度のアルコールを身体に保有する状態は、「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」に該当すると考えられます。

また、本罪の成立には、「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」で運転をしたことと「正常な運転が困難な状態」に陥ったこととの間に因果関係が認められなければなりません。

自動車運転処罰法第2条第1号の危険運転致死傷罪と、第3条第1項の危険運転致死傷罪とは、いずれも故意犯であることから、前者については、「正常な運転が困難な状態」の認識が、後者は「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」にあることの認識が犯罪の成立には必要となります。

「正常な運転が困難な状態」についての認識については、運転者において、運転行為が「正常な運転が困難な状態」であると評価していることを必要としているのではなく、それを基礎付ける事実を認識していれば足ります。
例えば、酒のせいで頭がふらふらする、物がしっかり見えないなどといった正常な運転が困難な状況に陥るための事実関係を認識していれば、「正常な運転が困難な状態」についての認識が認められます。

ついで、「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態にあることの認識についても、「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」であることを基礎付ける事実を認識していれば足りると理解されています。
例えば、酒気帯び運転に該当する程度の飲酒量であることや、足がふらつくなどの飲酒後の心身の変化の状況などについて認識していたのであれば、そのような事実は「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」をもたらすものであるので、そのような事実を認識していることをもって、「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」を認識していたものと考えられます。

危険運転致死罪は、裁判員裁判の対象事件ですので、危険運転致死罪で起訴された場合には、通常の刑事裁判とは異なる手続に付されることになります。

危険運転致死傷罪は、非常に重い罪ですので、交通事故を起こし危険運転致死傷罪に問われる可能性がある場合には、早期に弁護士に相談・依頼し、危険運転致死傷罪の成立を争う、できる限り科される刑罰を軽くすることを目指しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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質屋で偽ブランド品買い取らせ詐欺

2021-07-18

質屋偽ブランド品買い取らせ詐欺となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県加古川警察署は、兵庫県加古川市にある質屋にブランド品だと偽り偽ブランド品を買い取らせたとして、AとBを詐欺の容疑で逮捕しました。
Aが偽ブランド品を入手し、Bが質屋で買い取らせており、AとBは共謀して詐欺を働いたと疑われています。
Bは、「偽ブランド品だとは知らなかった。」と容疑を否認しています。
逮捕の知らせを受けたBの家族は、すぐに接見に行ってくれるよう刑事事件専門の弁護士に依頼しました。
(フィクションです。)

詐欺罪とは

詐欺罪は、刑法第246条に次のように規定されています。

1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

【1項詐欺】
構成要件
①人を欺いて
②財物を
③交付させたこと

1項詐欺の実行行為は、「人を欺いて財物を交付させること」です。
(a)欺く行為をして、(b)それに基づき相手方が錯誤に陥り、(c)その錯誤によって相手方が処分行為をし、(d)それによって財物の占有が移転し、(e)財産的損害が生じる、ことが必要となります。
つまり、(a)~(e)に間に因果関係がなければなりません。

(a)欺く行為
「欺く」行為は、一般人をして財物または財産上の利益を処分させるような錯誤に陥らせる行為です。
上記事例では、偽ブランド品を正規品だと偽って質屋に買取を要求する行為が「欺く」行為となります。
条文は「人を欺いて」とあるため、欺く行為を「人」に対して行われたものでなければならず、機械に対して虚偽の情報を入力するこういは、ここでいう「欺く」行為には当たりません。

(b)錯誤
欺く行為に基づいて相手方が錯誤に陥る、つまり、行為者の嘘を信じ込んだ状態となること詐欺罪の成立には必要です。
錯誤は、財産的処分行為をするように動機付けられるものであればよく、法律行為の要素の錯誤であると、動機の錯誤であるとを問いません。
質屋の店員が、Bさんの持参した偽ブランド品を正規品と信じ込んでしまった状態が「錯誤」にあたります。

(c)処分行為
「財物を交付させる」とは、相手方の錯誤に基づく財産的処分行為により財物の占有を取得することをいいます。
処分行為は、財産を処分する意思と、財産を処分する行為とが必要となります。

(d)財物の移転
財物の占有が移転することを「財物の移転」といいます。

(e)財産的損害
欺かれなければ交付しなかったであろう財物を交付していれば、財産的損害が発生しているとされます。
質屋は、偽ブランド品だと知っていたら通常は買い取らなかったでしょうから、Bに支払った現金が財産的損害となります。

【2項詐欺】
構成要件
①人を欺いて
②財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させたこと

2項詐欺の実行行為は、「人を欺いて財産上不法の利益を得る」ことです。
「財産上不法の利益」とは、「不法の」手段によって得られた財産上の利益のことであって、得られた利益が不法なものという意味ではありません。
「財産上の利益」には、債務免除や弁済の猶予、役務の提供などがあります。
また、「財産上不法な利益を得る」とは、欺く行為に基づく錯誤の結果、おこなわれた財産的処分行為によって行為者または一定の第三者が、不法に財産上の利益を取得することです。

1項詐欺および2項詐欺いずれの成立にも、主観的要件を充たす必要があります。
まずは、故意についてですが、詐欺罪の故意は、「人を欺いて錯誤に陥らせ、かかる錯誤に基づく財産的処分行為により、財物を交付させること」、あるいは、「人を欺いて錯誤に陥らせ、その錯誤に基づく財産的処分行為により、自己または第三者に財産上不法の利益を得させること」についての認識、認容です。
また、詐欺罪の主観的要件として、故意の他に、「不法領得の意思」があります。
「不法領得の意思」とは、権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い利用し処分する意思のことです。

上の事例では、Bさんは、自身が質屋に売った商品が偽物だったとは知らなかったと故意を否認しています。
詐欺罪の成立には、行為時に騙すつもりであったのかどうかという点が問題となることが多く、故意は人の心の中のことですので、そう容易に立証することはできません。
ただ、だからと言って、単に「騙すつもりはなかった。」と主張すれば故意が認められないのかと言えばそうではありません。
詐欺行為があったとされる時点までの経緯(例えば、AとBとのメールのやり取り、Aの供述など)から、行為時にBに故意やAとの共謀があったと判断されることもあります。
そのため、故意や共謀がなかったことを裏付ける客観的な事実を確認し、取調べで自己に不利な供述がとられることがないよう適切に対応していくことが重要となります。
早期に弁護士に相談し、取調べ対応についてのアドバイスをもらい、しっかりと取調べ対策をしておくことが大切です。

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詐欺事件で逮捕

2021-07-14

詐欺事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県伊丹警察署は、兵庫県伊丹市にある美容室の店員から、「客がお金を下ろしてくると言ったまま戻ってこない。」と連絡がありました。
同警察署は、逃げた客の身元を特定し、詐欺の容疑で市外に住むAさんを逮捕しました。
Aさんは、「料金は支払うつもりだった。」と容疑を否認しています。
(フィクションです。)

詐欺罪について

刑法第246条 
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪は、
①人を欺いて財物を交付させた場合、
②人を欺いて、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた場合
に成立する罪です。

①人を欺いて財物を交付させる

■客体■
詐欺罪(1項)の客体は、他人の「財物」であり、不動産も含まれます。

■行為■
詐欺罪が成立するためには、人を欺いて錯誤を生じさせ、その錯誤に基づいて財物を交付させることが必要となります。
つまり、(a)人を欺く行為(欺罔行為)→(b)相手方の錯誤→(c)交付行為→(d)財産の移転、という一連の流れがあり、(a)~(d)の間に因果関係がなければなりません。

(a)欺罔行為
詐欺罪における「欺罔行為」は、人の錯誤を惹起する行為と意味し、人による財物の交付行為に向けられたものであることが必要となります。
つまり、相手方に対して、相手の財物を行為者に渡すよう嘘の情報を伝える行為のことです。
「人」を欺く行為でなければならないため、器械の不正操作は、詐欺罪には当たりません。
人を欺く行為は、不作為(あえて積極的な行為をしないこと)によっても成立することがあります。
それは、相手方が錯誤に陥ろうとしていること、あるいは既に錯誤に陥っていることを知っておきながら、真実を告げて誤解を解こうとせず、あえてそのままの状態にしている場合です。

(b)相手方の錯誤
欺罔行為により、相手方が錯誤に陥ることが必要となります。
人を欺く行為により生じる錯誤は、交付の判断の起訴となる重要な事項についてのものであり、それがなければ交付行為を行わなかったであろうような重要な事実に関するものでなければなりません。

(c)交付行為
詐欺罪の成立には、錯誤により生じた瑕疵ある意思に基づいて、物が交付されることが必要です。
つまり、騙された者が、その者の意思に基づいて、交付行為を行い、物が移転することが必要となります。
相手方の意思に基づかず、例えば、相手方の隙をついて物を移転させた場合には、詐欺ではなく窃盗が成立することになります。

(d)財物の移転
物が交付行為によって移転することにより、詐欺罪は既遂(犯罪を実行し、結果が発生したということ。)となります。

②人を欺いて、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させる

■客体■
詐欺罪(2項)の客体は、「財産上の利益」です。
条文は、「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた」とありますが、これは、財産上の利益を不法に取得し、又は他人に取得させることを意味しているのであって、不法な利益を取得することを意味するものではありません。
「財産上の利益」とは、債券など有体物以外の財産的権利・利益のことをいいます。
具体的には、債務免除(支払義務、契約に基づいて交付しなければならない義務の免除)、弁済の猶予、役務の提供などが挙げられます。
上の事例で問題となっている美容室での施術料金の支払いですが、これは支払義務の免除という財産上の利益に当たります。

■行為■
詐欺罪(2項)の行為も、1項と同じで、人を欺いて錯誤を生じさせ、その錯誤に基づいて財産上の利益を得させることです。

詐欺罪は故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ犯罪は成立しません。
詐欺罪の故意は、「人を欺いて財物を交付させること、あるいは、人を欺いて財産上不法な利益を得、又は他人にこれを得させること」の認識・認容です。
また、詐欺罪の成立には、故意の他に、不法領得の意思が必要となります。
不法領得の意思は、権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い利用・処分する意思のことです。
詐欺事件で容疑を否認するケースの多くが、「だますつもりはなかった。」などといった故意を否認するものです。
その場合には、単に「だますつもりはなかった。」と主張するだけでは捜査機関や裁判所に故意がないことを認めてもらうことは難しいです。
故意がなかったことを裏付ける客観的な証拠を収集し、捜査機関や裁判所に提示し、故意がなく犯罪が成立しないことを認めてもらう必要があります。
自己に不利な供述がとられてしまうことがないよう、できるだけ早期に弁護士に相談し、取調べ対応についてのアドバイスを受けるなどして適切な弁護を受けられるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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風営法違反(無許可・無届営業)で逮捕

2021-07-11

風営法違反無許可無届営業)で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県神戸市長田区でメンズエステ店を営業していたAさんは、ある日、客が店を出たところで兵庫県長田警察署の警察官とみられる男らから事情を聴かれていることに気が付きました。
Aさんは、風営法の届出が不要なメンズエステ店を経営していましたが、実際は性風俗サービスに当たる営業を行っており、警察に摘発されるのではと心配しています。
逮捕された場合について、事前に弁護士に相談しておこうと思い、急いで刑事事件に強い弁護士を探し、相談の予約を入れました。
(フィクションです。)

風営法違反事件で検挙されるケースの多くが、無許可無届営業によるものです。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、「風営法」といいます。)は、風俗営業などにより、店の周辺の環境や子供の健全な育成に悪影響を及ぼさないように、一定のルールを定めている法律です。
風営法で規制しているビジネスは、「風俗営業」、「性風俗関連特殊営業」、「特定遊興飲食店営業」、「酒類提供飲食店営業」など、です。
この「風俗営業」には、キャバクラ、ホストクラブ等の社交飲食店、照度10ルクス以下の位飲食店、客席の広さが5㎡以下の狭い飲食店、麻雀店やパチンコ店といった遊技場、そしてゲームセンターなど、があります。
「性風俗関連特殊営業」は、ソープランドやファッションヘルスなどの店舗型性風俗特殊営業、デリヘルなどの無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業、無店舗型電話異性紹介営業、の5つに分類されます。

風営法で規制されているビジネスは、きちんと定められたルールを遵守して運営されている限りは普通に営業することができます。
しかしながら、ルールに反して営業している場合には、刑事罰が科せられる可能性があります。

ルールに従った営業を行うことが大前提ですが、そのひとつに、営業の許可や届出があります。

風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別に応じて、営業所ごとにその営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を得ていなければなりません。(風営法第3条第1項)
この許可を得ずに、風俗営業に当たる営業を行っていた場合には、風俗営業の無許可営業となり、起訴され有罪となれば、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はその両方が科せられることになります。

性風俗関連特殊営業についても、営業を行うためには、営業の届出をしなければなりません。
店舗型性風俗関連特殊営業を行うためには、営業の種別に応じて、営業所ごとに、その営業所の所在地を管轄する公安委員会に対して、営業等の届出をしなければなりません。(風営法第27条第1項)
無店舗型性風俗関連特殊営業を営もうとする者は、営業の種別に応じて、営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に、営業の届出をしなければなりません。(風営法第31条の2第1項)
営業の届出をせずに性風俗関連特殊営業に当たる営業を行っていた場合には、6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科せられる可能性があります。

上の事例では、男性を対象としたエステティックサロンとしてメンズエステ店を開業していた、つまり、風営法の規制対象となる営業は行わないものとして営まれていました。
しかしながら、メンズエステ店の実態は、男性客に性的サービスを提供しており、風営法の規制対象となる性風俗関連特殊営業に当たるものと考えられます。
性的サービスを提供するメンズエステ店は、「個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業」(風営法第2条第6項第2号)の店舗型性風俗特殊営業の定義に該当するため、店舗型性風俗特殊営業の届出をしなくてはなりません。

風俗営業の取り締まりが厳しい昨今、無許可無届営業が発覚すると、内偵捜査の末に、突然店の経営者らが警察に逮捕されることも珍しくありません。
風営法違反無許可無届営業)で逮捕された場合、店の営業に関する資料を収集したり、経営者や従業員など関与する者の供述をとるなどしなければなりませんので、逮捕後に勾留となる可能性は高いでしょう。
容疑を認める場合には、取調べにおいて自己に不利な供述がとられないよう弁護士から適切なアドバイスをもらうことは重要です。
また、弁護士は、できる限り穏便に事件を終わらせられるよう、被疑者に有利な事実を整理し、証拠を収集した上で、検察官に不起訴とするよう、あるいは略式手続に付すよう働きかけます。
他方、容疑を否認する場合、例えば、風営法の規制対象となる営業に当たるのか、被疑者がその経営者と言えるのか、といった点を争う場合には、被疑者に有利な証拠を提示し、不起訴や無罪獲得に向けた活動を行います。

風営法違反無許可無届営業)事件で、逮捕されるのではと心配している方は、すぐに弁護士に相談されることをお勧めします。
「どうせこないだろう。」と甘くみていると、突然逮捕されるケースは少なくありません。
事前に弁護士に相談することで、逮捕を回避することができる可能性を高めたり、逮捕後も冷静に対応することができますので、一度刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

自首する前に弁護士に相談

2021-07-07

自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
Aさんは、アルバイト先の更衣室に盗撮目的で小型カメラを設置しました。
しかし、従業員がカメラに気付いたようで、店長に報告したところ、盗撮の疑いがあるとして、兵庫県垂水警察署に相談することになりました。
その話を聞いたAさんは、犯人が自分であることを早く打ち明けるべきだとは思っていますが、このまま自首するのも不安なので、警察署に出頭する前に弁護士相談することにしました。
(フィクションです。)

自首が成立する要件とは

自首は、「犯罪事実または犯人が誰であるかが捜査機関に発覚する前に、犯人が自ら進んで犯罪事実を申告し、処罰を求める意思表示」です。

つまり、自首が成立する要件は、
①犯罪事実・犯人が捜査機関に発覚する前に
②捜査機関に対して
③犯人が自ら進んで犯罪事実を申告し、
④処罰を求める
ことです。

①犯罪事実・犯人が捜査機関に発覚する前に

犯罪事実または犯人が捜査機関に発覚する前とは、犯罪事実(犯罪に該当する客観的な事実)が捜査機関に発覚していない場合、及び、犯罪事実は発覚しているが、その犯人が誰であるか発覚していない場合です。
上の事例では、「Aさんのアルバイト先の更衣室で盗撮目的でカメラが設置されていた」(盗撮に成功していたのであれば、盗撮されていた。)という犯罪事実については、アルバイト先の店長が警察に相談したことで、捜査機関に発覚しています。
ただ、その時点では、まだ犯人は特定されていない(と考えられます。)ので、「捜査機関に発覚する前」の要件はクリアしているものと思われます。
犯人が誰であるかは判明しているものの、単に犯人の所在が不明である場合は、「捜査機関に発覚する前」の要件には該当しません。

②捜査機関に対して

ここでいう「捜査機関」とは、検察官または司法警察員のことです。

③犯人が自ら進んで犯罪事実を申告し

自首が成立するためには、犯人が自発的に犯罪事実を申告していることが必要です。
そのため、取調べや職務質問中に、犯罪事実を自白したとしても、それは自発的な申告とは言えず、自首は成立しないことになります。

④処罰を求める

犯人が自身の処罰・処分を求めていることも自首の成立要件です。
犯罪の一部を隠すために犯罪事実を申告する場合は、処罰を求める意思表示とはならず、自首は成立しません。

自首が成立した際の効果は、任意的減軽です。
つまり、裁判官の判断で、刑を軽くしてくれる場合があるということです。

 

自首をする前に弁護士に相談

自首をすることのメリットは、
①刑の任意的減軽事由であること。
②被疑者・被告人の有利な事情となること。
③身体拘束を回避できる可能性があること。
です。

①刑の任意的減軽事由

これは上でも述べた点ですが、自首が成立することで、裁判官が刑を軽くしてくれる可能性があるというメリットがあります。

②有利な事情

自ら犯罪事実を申告し、処罰を受ける意思を表明していることから、被疑者・被告人が反省しているということを裏付ける行動として、検察官による終局処分の判断の際や裁判官がどのような刑を科すべきかを検討する際に考慮されます。

③身体拘束の回避

自首したことにより、犯人が罪証を隠滅する可能性や逃亡する可能性が低いと判断され、逮捕や勾留となる可能性を低くする効果が見込めるでしょう。
もちろん、事件の軽重によっては自首した場合でも身体拘束が避けられない場合がありますが、そうでなければ身体拘束せずに在宅事件として捜査が進められるケースは少なくありません。

自首には以上のようなメリットがありますが、警察への犯罪事実の申告がすべて自首に当たるとは限りませんので、事前に弁護士相談し、自己のケースが自首に当たるのか、自首した後はどのような流れになるのか、見込まれる処分はどのようなものか、などを予め知っておくことにより、警察に出頭する際の不安を軽減させることができるでしょう。
また、事前に弁護を依頼している場合には、逮捕・勾留の回避に向けた弁護活動や被害者対応などの活動をすぐに行ってもらえ、事件が早期に終了する可能性を高めることになります。

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監護者わいせつ事件で逮捕

2021-07-04

監護者わいせつ事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県丹波篠山市に住む会社員のAさんは、兵庫県篠山警察署から監護者わいせつ事件の被疑者として呼び出しを受けています。
Aさんは、妻の連れ子のV(13歳)に対して、胸を触るなどのわいせつな行為をしたと疑われています。
Vが、学校の先生に相談したことで事件が発覚し、Vは児童相談所に一時保護されています。
Aさんは、警察署に出頭する前に、逮捕される可能性や逮捕された後の流れについて、刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

監護者わいせつ罪とは

監護者わいせつ罪は、平成29年の刑法改正により新設された罪です。

第179条 
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。

■犯行の主体■

監護者わいせつ罪の主体は、「18歳未満の者を現に監護する者」です。
「18歳未満の者を現に監護する者」とは、18歳未満の者を現実に監督し保護している者のことです。
これには、親権者が典型的な例となりますが、親権者であっても、実際に監護している実態がなければ「現に監護する者」には該当しません。
他方、親権者でない者でも、事実上、現実に18歳未満の者を監督し保護する者であれば、監護者に当たります。
監護者に当たるかどうかは、監護者わいせつ罪が、依存・被依存あるいは保護・被保護によって生じる監護者であることによる影響力があること利用してわいせつ行為をすることに処罰の根拠があることから、依存・被依存あるいは保護・被保護の関係があるかどうか、そして、その関係は、具体的な影響力を及ぼせる程度であるかどうかといった点から判断されます。
衣食住などの経済的な観点、生活上の指導監督などの精神的な観点から被疑者と被害者との関係性を分析し、その関係が継続的に続いているかどうかが検討されます。

■犯行の客体■

監護者わいせつ罪の客体は、現に監護されている18歳未満の者です。

■行為■

監護者わいせつ罪の行為は、①現に監護する者であることによる影響力に乗じて、②わいせつな行為をすることです。

①現に監護する者であることによる影響力に乗じて
「現に監護する者であることによる影響力」とは、監護者が被監護者の生活全般にわたって、衣食住などの経済的な観点や、生活上の指導監督などの精神的な観点から、現に被監護者を監督し、保護することにより生ずる影響力のことをいいます。
その影響力に「乗じて」とは、現に監護するものであることによる影響力が一般的に存在し、かつ、行為時においてもその影響力を及ぼしている状態で、わいせつな行為を行うことをいいます。
つまり、わいせつ行為を行う場面で、影響力を利用するために具体的な行為を行うことまで必要ではないけれども、監護者の影響力と無関係に行った場合には、影響力に乗じたとは言えません。

②わいせつな行為
ここでいう「わいせつな行為」は、強制わいせつ罪における「わいせつ行為」と同じで、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為」をいいます。

■故意■

監護者わいせつ罪は、故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ罪は成立しません。
監護者わいせつ罪の故意は、自己が18歳未満の者を現に監護する者であること、現に監護するものであることによる影響力があることに乗じること、わいせつな行為を行うことの認識・認容です。
18歳未満の者を現に監護する者であることの認識・認容については、現に監護する者に該当することの認識まで必要ではなく、これを基礎づける事実の認識・認容で足ります。

監護者わいせつ罪の法定刑は、強制わいせつ罪のそれと同じであり、6月以上10年以下の懲役です。

監護者わいせつ事件で逮捕されたら

監護者わいせつ事件では、被疑者と被害者との関係性から、被疑者の身柄を拘束をせずに捜査を進めると、被疑者が被害者、あるいは、被害者の母親と接触し、供述を変えるように迫るなど罪証隠滅のおそれがあると判断される傾向にあることから、被疑者の身柄を確保した上で、捜査が進められる可能性は高いでしょう。
つまり、逮捕される可能性も高く、その後に勾留が付くことが予想されます。
ただ、捜査段階での釈放が困難であっても、起訴後に保釈制度を利用して釈放される可能性はあるでしょう。
保釈が認められるかどうかの判断において、重要な要素のひとつに、罪証隠滅のおそれの有無があります。
逮捕・勾留の場面でも重要な要素となった罪証隠滅のおそれですが、やはり、起訴後、つまり、検察官が被疑者を有罪にするだけの十分な証拠を揃えた後であっても、被害者との接触を図り、被害者の供述を変えるよう迫るおそれは残ります。
そのため、被害者との接触の可能性がないことを立証し、裁判官に罪証隠滅のおそれがないと認めらもらうよう、起訴される前から準備しておく必要があります。

監護者わいせつ事件では、犯罪を立証するだけの十分な証拠があると検察官がと考える場合には、起訴される可能性が高いでしょう。
監護者わいせつ罪の法定刑は懲役刑のみですので、起訴=公判請求となり、公開の法廷で審理されることとなります。
ただ、有罪にするだけの証拠が揃っている場合であっても、被害者が、その精神的な影響を恐れ、裁判で証言することを拒否するケースも少なくなく、起訴しないとすることもあります。

監護者わいせつ事件で逮捕された場合、身体拘束が長引く可能性、公判請求される可能性が高いでしょう。
そのため、取調べ対応や保釈に向けた準備、公判に向けた準備を捜査段階から進めておく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
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少年事件における弁護士

2021-06-30

少年事件における弁護士について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県南あわじ市に住む高校生のAくん(16歳)が、兵庫県南あわじ警察署に逮捕されました。
Aくんの父親は、警察から、Aくんが見知らぬ女性に暴行を加えたとだけ聞きましたが、詳しいことは教えてもらえませんでした。
Aくんの父親は、ネットで刑事事件・少年事件に詳しい弁護士を探し、相談の連絡を入れました。
(フィクションです。)

20歳未満の者が刑罰法令に触れる行為を行った場合、少年法に基づく手続に従って事件が処理されることになります。
少年法は、「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う」おとを目的としています。(少年法第1条)
これは、少年は、心身共に発展途中であり、刑罰を科すよりも、少年が再び非行を犯すことのないように改善教育することに重きを置いた考え方に基づいているためです。

とは言え、少年法の手続が刑事事件の手続と完全に独立しているというわけではなく、14歳以上の少年の場合、捜査段階では、被疑事件として刑事事件の手続が適用されます。
また、少年が刑事事件の手続に付されるのは、家庭裁判所が終局処分として検察官送致を決定した場合です。
少年の刑事事件においては、弁護士は、少年の弁護人として、少年の権利や利益を保護・代弁する役割を担います。
成人であっても、捜査機関による取調べに不安を抱くものですので、少年であればなおさら、どのように対応すべきか迷うでしょう。
特に、逮捕・勾留によって少年の身柄が拘束されている場合は、外部と自由に連絡をとることができませんので、不安は更に増します。
取調官の誘導に乗って、少年に不利な供述をしてしまったりすることがないよう、弁護人である弁護士からアドバイスをもらうことは大切です。

弁護人には、その選任方法により、国選弁護人と私選弁護人に分けることができます。
国選弁護人は、その名の通り、国が選んだ弁護人です。
起訴される前の被疑者段階においても、ある一定の要件を満たす場合には、国選弁護制度を利用することができます。
被疑者に対して勾留状が発せられている場合で、被疑者が貧困その他の事由により私選弁護人を選任することができないときは、国選弁護人の選任を請求することができます。
国選弁護人の場合、費用は国が負担するため、被疑者が弁護士費用を捻出する必要はありません。
ただ、注意しなければならないのは、勾留が決定した被疑者が国選弁護人の選任を請求することができるとされており、勾留前の段階では国選弁護人の選任を請求することはできません。
また、自分では自由に弁護人を選ぶことができないため、刑事事件や少年事件に詳しい弁護士が弁護人となるかは分かりません。
他方、私選弁護人は、被疑者やその家族が選ぶ弁護人のことです。
弁護士費用は自腹となりますが、刑事事件や少年事件に強い弁護士、被疑者やその家族と信頼関係を築くことができる弁護士を弁護人として選任することが可能です。

捜査機関が少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があると考える場合、あるいは、犯罪の嫌疑はないものの、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると考える場合には、捜査機関は全ての事件を家庭裁判所に送致します。
事件を受理した家庭裁判所は、調査、審判を経て、少年の更生に適した処分を決定します。
家庭裁判所に事件が送致された後の手続は、成人の刑事事件とは大きく異なります。
審判では、非行事実及び要保護性について審理され、処分が決定します。
非行事実は、刑事事件における公訴事実のようなもので、少年がどのような非行を行ったかどうかを審理します。
要保護性については、多義的に用いられているのですが、一般的には、次の3つの要素から構成されるものと理解されています。
①犯罪的危険性…少年が、性格や環境等から、将来、非行を繰り返す可能性があること。
②矯正可能性…保護処分によって、少年の犯罪的危険性を除去できる可能性があること。
③保護相当性…少年の処遇にとって、保護処分が有効かつ適切な手段であること。
この要保護性は、単に保護処分をするかどうかを決める要素となるだけではなく、どのような保護処分をするかを決める上でも重要な要素となります。
非行事実が軽微であっても、要保護性が高いと判断されれば、少年院送致といった厳しい保護処分が決定することもあるのです。

少年事件では、要保護性という要素がとても重要であり、その如何によって最終的な処分が決まります。
そのため、弁護士は、付添人として少年の権利・利益を保護しつつ、要保護性の解消に向けた環境調整活動を行うことが期待されます。
この付添人という身分ですが、捜査段階に弁護人として就いていた弁護士が、家庭裁判所に送致された後に、自動的に付添人となるわけではなく、捜査段階の弁護人は、事件が家庭裁判所に送致されれば、その身分が終了します。
そのため、家庭裁判所送致後に、新たに付添人として選任された旨を家庭裁判所に通知しなければなりません。
付添人についても、国選付添人が付けられる場合がありますが、現行上、それは一定の重大事件に限定されており、裁判官が必要と判断する場合に限られています。

成人の刑事事件においても、弁護人である弁護士が果たす役割は大きいと言えますが、精神共に未熟な少年であればなおさら、弁護人・付添人である弁護士の存在は重要と言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こして対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

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