道路交通法違反事件:罰金と反則金の違い

2020-03-04

道路交通法違反事件における罰金反則金の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

前回のブログにおいて、あおり運転が道路交通法違反となる可能性があることを説明しました。
車間距離不保持違反、急ブレーキ禁止違反、安全運転義務違反ともに罰則が設けられています。
しかし、必ずしもこれらの義務違反により刑事罰が科されるとは限りません。

交通反則通告制度について

自動車や原動機付自転車の運転者がした違反行為のうち、反則行為については、一定期間内に反則金を納めることにより、その行為につき刑事裁判、少年の場合は家庭裁判所の審判を受けることなく事件が処理される制度を「交通反則通告制度」といいます。

この制度は、交通手段として自動車が普及するようになり、道路交通法違反事件の件数が増大したことで、検察庁や裁判所の仕事を圧迫するようになったため、関係機関の負担を軽減するために設けられました。

交通反則通告制度の対象となる「反則行為」とは、車両等の運転者が行った道路交通法の第8章の罪に当たる行為のうち、道路交通法の別表第2の上欄に掲げるものをいいます。
つまり、別表第2の上欄に掲げるもののうち、犯罪として成立する行為のことです。
別表第2の上欄に掲げるものとは、比較的軽微なものであって、おおむね現認、明白、典型的なものです。
例えば、一時停止違反、駐車違反、時速30キロ未満の速度超過などです。
無免許運転や酒酔いといった危険性の高いものや警察官の指示命令に違反する行為のような特殊のものについては、除外されます。

車間距離不保持違反に関しては、一般道であれば普通自動車等で反則金は6千円、高速道路では普通自動車等の反則金は9千円です。
急ブレーキ禁止違反の反則金は7千円、安全運転義務違反は9千円です。

交通反則通告制度の対象となる違反をした場合、警察官から現場で「交通反則告知書」、いわゆる「青キップ」と「反則金仮納付書」が交付されます。
告知を受けた日の翌日から7日以内に反則金を納付すれば、手続が終了します。
納付期限を過ぎてしまった場合、通告センターに出頭し、通告書と納付書の交付を受けます。
出頭できなかった場合、通知書と納付書が送付されます。
通告を受けた日の翌日から10日以内に反則金を納付すれば、手続は終了しますが、期限内に納付しない場合には、刑事手続がとられ、交通裁判所または検察庁に呼び出しを受けることになります。
未成年者の場合は、家庭裁判所もしくは検察庁から呼び出されます。

刑事手続がとられた場合

交通反則通告制度が適用されない場合、刑事手続がとられます。
この場合、違反者は「被疑者」となります。
捜査機関による捜査が終了すると、検察官は被疑者を起訴するか否かを判断します。
起訴には、①公判請求、②即決裁判手続の申立て、③略式命令の請求があります。
実際には、事件のほとんどが③の略式手続によって処理されます。

①公判請求は、裁判所に対し、特定の犯罪事実について特定の被告人に対する実体的審理および有罪の判決を求める意思表示です。
公判請求されると、公の裁判で審理され、有罪か無罪か、有罪の場合にはどのような刑罰を受けるべきなのかが決められることになります。

検察官の請求があるとき、簡易裁判所は、公判を開かずに書面審理によって、簡易裁判所が管轄する事件について、100万円以下の罰金または科料を科すことができます。
この手続を「略式手続」といい、簡易裁判所が言い渡す裁判を「略式命令」と呼びます。
公判を開かずに非公開の簡易な手続きで迅速に行われる点がその特徴です。
交通事件のほとんどが略式手続で処理されます。
この略式手続に基づき、略式命令が出されると、刑の言渡しを受けた者は、「罰金」を納めなければなりません。
罰金」は、刑事罰の一種ですので、有罪判決を受けたことが前提となります。
ですので、交通反則通告制度が適用された場合とは異なり、前科が付くことになります。

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