駅員への暴力行為で現行犯逮捕

2019-08-01

駅員への暴力行為で現行犯逮捕

~ケース~
兵庫県神戸市長田区の駅の改札口で、自動改札機にICカード乗車券をかざして出ようとしたところ、残高不足で出入り口が塞がれてしまいました。
酔って気が大きくなっていたAさんは、ICカードにチャージすることなく、そのまま閉じたバーを無理やり通り抜けて外に出ました。
それを見ていた駅員のVさんが、Aさんに声をかけ、支払いを済ませるよう求めたところ、Aさんはカッとなり、Vさんの胸を強く押し、Vさんは態勢を崩し床に倒れるかたちになりました。
他の駅員が兵庫県長田警察署に通報し、Aさんは駆け付けた警察官に暴行の容疑で現行犯逮捕されました。
(フィクションです)

駅員に対する暴力行為

駅のホームなどで、「駅員に対するこ暴力行為は犯罪です!」といったことが書かれたポスターを見られたことがあるでしょうか。
日本民営鉄道協会やJR各社などのまとめによると、駅構内や列車内で2018年度に起きた駅員や乗務員に対する暴力行為は630件にのぼるということです。
この数字は、昨年度を比較すると、26件減少しており、2014年度の800件以降は減少しているとのことです。
注目すべきは、暴力行為の加害者の約53%が酒気を帯びていることや、曜日別でみると、週末にかけて増加しており、時間帯別では深夜の発生件数が多くなっています。
ですので、飲酒と暴力行為には相関関係がみられると言えるでしょう。

駅員への暴力行為で成立する犯罪は?

駅員や乗務員に対する暴力行為は、その内容により次のような罪に該当することになります。

暴行罪

刑法第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

人に暴行を加えたが、結果その人が傷害を負わなかった場合には、「暴行罪」が成立する可能性があります。
ここでいう「暴行」というのは、不法な有形力の行使が人の身体に対して加えられる場合をいいます。
相手の身体を押す、叩く、引っ張るなどといった行為だけでなく、狭い四畳半の部屋で在室中の相手方を脅かすために日本刀の抜き身を振りまわる行為、音・光・電流等を行使する場合も「暴行」に含まれます。
暴行罪の故意は、「人の身体に対して有形力を行使することの認識」であり、未必的認識で足ります。

傷害罪

刑法第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

暴行を加えた結果、相手方に傷害を負わせてしまった場合には、「傷害罪」が成立する可能性があります。
結果である「傷害」の概念については、「人の生理的機能に障害を加えること」であると理解されています。
ですので、殴って傷を負わせるといった身体への侵害だけでなく、精神的障害を患った場合も「傷害した」ことになります。
傷害罪の故意については、「傷害罪が暴行罪の結果的加重犯であるので、傷害罪の故意は暴行の認識があれば足りる」と理解されます。

駅員への暴力行為で逮捕される場合

駅員や乗務員に対して暴力行為を行い逮捕される場合の多くが、駅員や駆け付けた警察官に現行犯逮捕されるものです。
現行犯逮捕」は、現に罪を行っている、あるいは行い終った直後の者の場合に、逮捕状なく逮捕できるものです。
現行犯逮捕については、私人についても認められていますので、駅員や目撃者等によってなされることも可能です。
酒に酔っての暴力行為逮捕された場合、酔いが冷めると罪を認め反省していれば、勾留されずに釈放となる可能性もあります。
他方、「覚えていない」「やってない」などと容疑を否認したり、反省の態度がない場合には、逮捕に続き勾留となる可能性も少なくありません。
駅員への暴力行為逮捕されたら、すぐに弁護士に相談し、取調べ対応についてのアドバイスを受けるのがよいでしょう。

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