外国人事件にも対応する弁護士③

2020-02-27

外国人事件での判決後の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
研修生として日本に入国した外国籍のAさんは、在留期間を過ぎても日本で生活していました。
知り合いを通じて、偽造在留カードを取得し、Aさんは兵庫県加西市の工場に勤務していました。
ある日、兵庫県加西警察署の警察官からの職務質問を受けた際に、Aさんは持っていた偽造在留カードを提示しました。
提示された在留カードを見て不審に思った警察官が、警察署までAさんを任意同行し、事情を聞いたところ、偽造であることを認める発言をしたため、そのままAさんを逮捕しました。
(フィクションです)

前回は、外国人が刑事事件を起こし逮捕された後の流れについて説明しました。
今回は、裁判で判決が言い渡された後の手続についてみていきたいと思います。

外国人事件の判決後の手続について

さて、判決後の流れはどのようになるのでしょうか。

実刑判決が言い渡された場合、外国人であっても日本人と同様に、刑務所に収監され刑に服することになります。

執行猶予判決が言い渡された場合、在留資格があるケースとないケースでその後の流れは異なります。

◇執行猶予付き判決が言い渡された場合:在留資格あり◇

被告人に在留資格がある場合、執行猶予付き判決が言い渡されれば、日本人の場合と同様に釈放となります。
ただし、薬物事犯などについては、判決確定の時点で、「有罪の判決を受けた者」として退去強制事由に該当することになります。
また、旅券法違反や入管法違反など一定の犯罪についても、刑の確定の時点で「刑に処せられた者」として、退去強制事由に該当することになります。
このように退去強制事由に該当する場合、判決時に一旦釈放され、判決が確定した後に入管に収容されることがあります。
在留資格を有している外国人が執行猶予付き判決が言い渡された場合に、退去強制事由に該当することとなるかは、当該外国人の在留資格の種類や、犯した罪の種類、言い渡された刑の内容によります。

入管法24条の退去強制事由に該当しない限り、有罪判決はその時に有している在留資格に影響することはありません。
しかし、素行不良と認定され、在留期間の更新や在留資格の変更等が困難となる場合があることに注意が必要です。

◇執行猶予付き判決が言い渡された場合:在留資格なし◇

被告人に在留資格がない場合、入管法24条4号ロに規定される退去強制事由の「在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間を経過して本邦に残留する者」に当たり、執行猶予付き判決が言い渡された後、直ちに入管に収容されることになります。

Aさんは、不法残留のケースですので、執行猶予付き判決が言い渡されたとしても、在留資格がないため、判決言い渡し後すぐに退去強制手続きがとられることになります。

判決に不服がある場合

言い渡された判決に納得がいかない場合には、上級裁判所に不服申立てをすることができます。
第1審判決に対しては「控訴」、控訴審判決に対しては「上訴」という手続となります。
判決言い渡しの日の翌日を初日と数え、14日以内に、上級裁判所宛ての控訴申立書または上訴申立書を、判決を言い渡した裁判所に提出しなければなりません。

外国人の場合、判決後の手続は、言い渡された判決の内容だけでなく、在留資格の有無によっても異なってきます。
刑事手続と入管の行政手続とは別個の運用されていますが、刑事裁判の結果が行政手続に影響することにもなりますので、刑事事件終了後をも見据えた弁護活動を行ってもらうよう弁護士にしっかり相談することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、外国人事件も含めた刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
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