偽造クレジットカード使用で逮捕

2019-06-03

偽造クレジットカード使用で逮捕

偽造クレジットカード使用で問われる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
Aさんは、兵庫県神戸市北区の電気販売店で、偽造クレジットカードを使用して、デジタルカメラなど電化製品5点を騙し取ったとして、兵庫県神戸北警察署に不正作出支払用カード電磁的記録供用罪と詐欺罪で逮捕されました。
Aさんは、容疑を認めているようです。
遠方に暮らすAさんの家族は、逮捕の連絡を受け、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)

偽造クレジットカード使用で問われる罪とは?

クレジットカード決済や電子決済サービスが普及し、現金を持ち歩かずに買い物ができる便利な時代になっていますね。
しかし、便利な一方、カード情報が不正に流出し、勝手に利用されるといった問題も発生しています。
上記ケースでは、Aさんは、何らかの方法で不正に入手したクレジットカードの情報を基に作成した偽造クレジットカードを使用したことで警察に逮捕されています。
Aさんが問われている罪は、不正作出支払用カード電磁的記録供用罪と詐欺罪です。

不正作出支払用カード電磁的記録供用罪

あまり聞きなれない罪名ですね。
本罪を含む支払用カード電磁的記録に関する罪は、平成13年に公布・施行された刑法の一部を改正する法律により設けられたものです。
当時、クレジットカード等が広く普及していたのですが、クレジットカード等の電磁的記録の情報を不正に取得しカードを偽造し、これらを使用するなどの不正行為が多発し、大きな社会問題となっていました。
しかし、そのような不正行為に対して、従来からある通貨偽造の罪や有価証券偽造の罪では十分に対処しきれなかったことから、新たに新設されました。

不正作出支払用カード電磁的記録供用罪は、刑法第163条の2第2項に規定されています。

第百六十三条の二 人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する電磁的記録であって、クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカードを構成するものを不正に作った者は、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録を不正に作った者も、同様とする。
2 不正に作られた前項の電磁的記録を、同項の目的で、人の財産上の事務処理の用に供した者も、同項と同様とする。

①客体:「不正に作られた前項の電磁的記録」
不正に作られた第1項の電磁的記録、つまり、不正に作られた財産上の事務処理の用に供する電磁的記録であって、クレジットカードその他の代金若しくは料金の支払い用カード又は預貯金の引き出し用カードを構成するものを意味します。
②目的:「同項の目的」
人の財産上の事務処理を誤らせる目的のことで、「人」は犯人以外の者を指し、自然人のみならず法人も含みます。
「事務処理」とは、一般に他人の生活関係に影響を及ぼし得る事柄の処理をいいます。
「人の財産上の事務処理を誤らせる目的」には、『財産上の』とあり、身分証明のためや人に魅せるだけに用いる場合は該当しないと考えられます。
③行為:「人の財産上の事務処理の用に供した」
「用に供する」とは、不正に作出された支払用カードを構成する電磁的記録を、人の財産上の事務処理に用いられる電子計算機で使用しうる状態に置くことをいいます。
偽造キャッシュカードをCD(現金自動支払機)やATM(現金自動預け払い機)で使用したり、クレジットカードをCAT(信用照会端末)で使用したりすることをいいます。

詐欺罪

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪が成立するためには、「人を欺いて財物を交付させる」若しくは「人を欺いて財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させる」ことが必要です。
また、①人を欺いて、②それに基づき相手方が錯誤に陥り、③その錯誤によって相手方が処分行為をし、④それによって財物の占有が移転し、⑤財産的損害が生じることが必要で、①~⑤が客観的に相当因果関係になければなりません。
上記ケースの場合、家電量販店の店員に、偽造クレジットカードを交付し、同店員が同カードが真正な物と誤信させ、誤信した店員から商品を騙し取っているので、詐欺罪は成立するでしょう。

ご家族が偽造クレジットカード使用で突然逮捕されたと連絡を受けたとしたら、大半の方がどう対処すればよいのか分からず不安になられるでしょう。
そんな時は、すぐに刑事事件に強い弁護士に接見を依頼することで、逮捕されたご家族は取調べ対応のアドバイスを受けることができ、依頼されたご家族も事件の詳細や今後の流れについて知ることができます。
ご家族が刑事事件で逮捕されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡を!