美人局で逮捕

2019-05-10

美人局で逮捕

~ケース~
Vさんは、出会い系サイトで知り合った女性Aさんと会う約束をしました。
Vさんは既婚者で、Aさんも既婚者であるが現在別居中だと聞いていました。
VさんとAさんは、食事のあと、ホテルへ行き肉体関係を持ちました。
ホテルから出ると、Aさんの夫だと名乗るBが突然現れ、「俺の嫁になにしてるんや!お前、独身か?結婚しとるんやったら、お前んとこの嫁に言うぞ!」と言い、金銭で和解することを持ち掛けられました。
妻にバレるのを恐れたVさんは、言われた通り金銭で解決することに合意し、手持ちの3万円を支払いました。
その後、Bと名乗る男から、更に金を無心する連絡が続き、困ったVさんは、兵庫県加西警察署に相談しました。
捜査の結果、AとBは、これまで同じような手法で多くの被害者から金銭を巻き上げていることが分かり、AとBを恐喝の疑いで逮捕しました。
(フィクションです)

美人局で問われ得る犯罪とは?

美人局とは、一般的に、ターゲットとなる男性に対し、男女が共謀して金銭をゆすり取る行為をいいます。
出会い系サイトで出会った女性と性的関係を持った直後に、夫や両親と名乗る男性から因縁をつけられ、事件解決名目で金銭を要求するケースが多くみられます。
未成年者がかかわる場合、18歳未満の少女と性的関係を持つことが刑罰法令に触れる可能性があることを逆手にとり、警察沙汰にしないことを条件に多額の金銭を要求するといった手法が多くなっています。
被害者側も、未成年者と性的関係を持った事実を公にされることを嫌いますので、美人局であると疑っても、被害を警察に相談・報告することが出来ないという点があるようです。

美人局は、恐喝罪・詐欺罪・脅迫罪・強要罪・暴行罪・傷害罪・強盗罪などに該当する可能性があります。

強盗罪

第二百三十六条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

強盗罪における「暴行・脅迫」は、「相手方の反抗を抑圧するにたりる程度のもの」であることが必要となります。
そのような強度の暴力や脅迫で相手の反抗を抑圧し、相手の意思によらずに財物を自己または第三者の占有に移した場合には、強盗罪が成立することになります。
暴行・脅迫と財物奪取との間に因果関係が必要となるのです。
上記ケースでは、BがVさんに暴行・脅迫を用いて、Vさんから金銭を奪い取ったのであれば、強盗罪に問われるでしょう。

恐喝罪

第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

「恐喝」とは、脅迫・暴行を手段として、その反抗を抑圧するに足りない程度に相手を畏怖させ、財物の交付を要求することをいいます。
この恐喝行為の結果、畏怖した相手の処分行為に基づく交付によって、財物を取得した場合に、恐喝罪は成立します。
強盗罪との違いは、暴力・脅迫の程度、そして相手の処分行為の有無です。
脅迫の結果、Vさんが畏怖を原因としてBに金銭を渡したのであれば、恐喝罪となるでしょう。

詐欺罪

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

人を欺いて財物を交付させる犯罪です。
詐欺罪は、①欺く行為をして、②それに基づき相手方が錯誤に陥り、③その錯誤によって相手が処分行為をし、④それによって財物の占有が移転し、⑤財産的損害が生じる、一連の相当因因果関係にあることが必要となります。
美人局の場合、恐喝罪との違いは、「錯誤に基づく財産的処分行為」であるか「畏怖に基づく財産的処分行為」かという点です。
相手が18歳未満ではないのに18歳未満だと虚偽の事実を示して、児童買春が成立するとして示談金を求めるケースでは、詐欺罪が問われる可能性もあります。

美人局事件でも、事案によって成立する罪名は異なりますので、一度刑事事件に強い弁護士にご相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ご家族が美人局事件で逮捕されている場合には、刑事事件専門弁護士が接見を行う「初回接見サービス」をご案内させていただきます。
詳しくは、フリーダイアル0120-631-881まで。