犯人隠避で逮捕されたら

2019-09-03

犯人隠避で逮捕されたら

犯人隠避での逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県芦屋市の道路上で、あおり運転をした上、Vさんの車を停車させ、Vさんの顔を数回殴り怪我を負わせたとして、兵庫県芦屋警察署は、Aさんを傷害容疑で指名手配しました。
兵庫県芦屋警察署は、Aさんの交際相手であるBさんの自宅でAさんの身柄を確保しました。
一緒に居たBさんは、犯人隠避容疑などで逮捕されました。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

茨城県のあおり運転殴打事件がこの夏世間を騒がせましたが、あおり運転をした男性と一緒に居た女性についても話題になっていますね。
この女性も、犯人隠避の容疑などで逮捕されることとなりましたが、「犯人隠避罪」とはどのような罪でしょうか。

犯人隠避罪について

犯人隠避罪は、刑法の第103条に規定されている犯罪です。

第百三条 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

犯人隠避罪の構成要件は、次の通りです。
①罰金以上の刑にあたる罪を犯した者または拘禁中に逃走した者を
②隠避させたこと。

本罪の意義は、犯人や逃走者を蔵匿・隠避し、刑事裁判や刑の執行を免れさせることにより、国家の刑事司法作用を侵害することを防止することにあります。

本罪の主体は、犯人以外の者です。
犯人自身がみずから蔵匿・隠避する行為は、類型的に期待可能性がないため不可罰とされています。

本罪の客体は、「罰金以上の刑にあたる罪を犯した者または拘禁中逃走した者」です。
「罪を犯した者」は、訴追・処罰の可能性がある者でなければなりません。
「罪を犯した者」の意義については、争いがありますが、最高裁判例は、犯罪の嫌疑を受けて捜査または訴追されている者とする立場をとっています。(最判昭24・8・9)
告訴権の消滅、時効の完成などにより訴追・処罰の可能性がなくなった者は、本罪の客体とはなりません。
保釈中の被告人も「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」にあたります。
また、「拘束中に逃走した者」とは、法令により拘禁されている間に逃走した者をいいます。

本罪の行為である「隠避」は、「蔵匿」以外の方法により官憲による発見・逮捕を免れしめるべき一切の行為をいいます。
「蔵匿」とは、官憲による発見・逮捕を免れるべき隠匿場所を提供することです。
逃走のための資金調達、身代わり犯人を立てる、逃走中の者に捜査の形勢を知らせて逃走の便宜を与えるなどの行為が「隠避」にあたります。

犯人隠避罪について、犯人または逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができるとされています。(刑法第105条)
これは、親族間の自然の人情から、親族の犯罪者を匿ったり、身内の犯罪の証拠を隠す行為は期待可能性が乏しいことから、責任が軽くなるとする点に親族による犯罪に関する特例の趣旨です。

犯人隠避罪で逮捕されたら、逮捕から48時間以内に警察は被疑者を釈放するか、検察に送致するかを決めます。
検察に送致された場合、検察官は被疑者の身柄を受けてから24時間以内に被疑者を釈放するか、勾留請求をするかを決定します。
検察官が勾留請求した場合、被疑者の身柄は裁判所に移り、裁判官は被疑者と面談した上で、当該被疑者を勾留するか否かを判断します。
勾留となれば、被疑者は検察官が勾留請求した日から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間の身体拘束となります。
その間は、学校や職場に行くことができませんので、最悪の場合、退学や解雇となる可能性もあります。
そのような事態を回避するため、逮捕されたら早期に弁護士に相談し、身柄解放活動を依頼されるのがよいでしょう。

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