少年事件における弁護人・付添人の選任

2019-09-04

少年事件における弁護人・付添人の選任

~ケース~
兵庫県加古郡播磨町に住む中学生のAくん(14歳)は、帰宅途中の女子児童のおしりを服の上から触ったとして、兵庫県加古川警察署に迷惑防止条例違反の疑い取調べを受けました。
逮捕されることはありませんでしたが、どうやらAくんには他にも同様の事件を起こしていたようで、警察からは「あと何度か警察で取調べをした後、検察に送致されて、その後家庭裁判所に事件が送られることになる。」と言われ、今後どのような手続を踏み、どんな処分が言い渡されることになるのか、AくんもAくんの両親も心配です。
Aくんの両親は、少年事件に詳しい弁護士に相談してみようかと話をしています。
(フィクションです)

少年事件の流れ

少年法は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合及び犯罪の嫌疑はなくとも家庭裁判所の審判に付すべく事由がある場合には、全ての事件を家庭裁判所に送致することを義務付けています。
これの趣旨は、たとえ非行事実が軽微なものであっても、その背後には様々な問題が存在する場合が多く、家庭裁判所に全ての事件を送致させ、そこで行われる少年に対する科学的調査を踏まえて保護処分と刑事処分のいずれかが相当であるかを判断させようとする点にあります。
家庭裁判所に送致される「少年」は、大きく次の3つに分けられます。
①罪を犯した少年(「犯罪少年」)
②14歳未満の者で刑罰法令に触れる行為をした少年(「触法少年」)
③次に掲げる事由があり、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年(「ぐ犯少年」)
 イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること
 ロ 正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと
 ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人との交際、又はいかがわしい場所に出入りすること
 二 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること

①の犯罪少年については、家庭裁判所送致前の捜査段階では、刑事訴訟法が適用されるので、成人の刑事事件の場合とほぼ同様の手続を踏むことになります。
ですので、「被疑者」として捜査の対象となれば、少年は「弁護人」を選任することもできます。
弁護人は、違法・不当な捜査活動がなされないよう監視したり、被害者がいる事件では被害者と示談交渉を行う等、被疑者である少年の権利や利益を擁護する役割を担っており、早期に弁護人を選任し弁護活動を行ってもらうことが重要です。
弁護人は、「国選弁護人」と「私選弁護人」とに分けられます。
ここでいう国選弁護人は、被疑者国選弁護制度を利用し国が選任した弁護人です。
被疑者に対して勾留状が発せられており、被疑者が貧困その他の事由によって弁護人を選任することができない場合に、裁判官に対して国選弁護人の選任を請求することができます。
しかし、被疑者国選弁護の対象事件は、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる事件」に限れらますので、上記ケースにおいては被疑者国選弁護の対象事件には当たらないことになります。
一方、少年やその家族によって自由に選任する弁護人を「私選弁護人」といい、費用は自己負担ですが、身柄在宅にかかわらず、どの段階でも選任することが可能です。

先述しましたが、原則すべての少年事件は家庭裁判所に送致されます。
少年事件では、捜査段階の弁護人選任の効力が家庭裁判所に送致された時点で失われ、家庭裁判所送致後に改めて「付添人」として選任される必要があることに注意が必要です。
家庭裁判所送致後、少年の権利を擁護し、その代弁者としての性格と、少年保護事件の目的が適正に実現されるよう家庭裁判所に協力し援助するという役割を付添人は担っています。
この付添人にも、私選付添人と国選付添人とがあります。

少年法は、国選付添人の場合を除き、付添人の資格について特に設けていません。
少年及び保護者は、私選付添人を家庭裁判所に事件が係属した後はいつでも選任することができます。
国選付添人には、次の2つがあります。
①裁量的国選付添人
家庭裁判所は、犯罪少年又は触法少年のうち、死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪に該当する非行に及んだ者について、観護措置がとられており、かつ、弁護士の付添人がいない場合には、事案の内容、保護者の有無その他の事情を考慮して、審判の手続に弁護士である付添人が関与する必要があると認めるときは、弁護士である付添人を付すことができます。
②必要的国選付添人
家庭裁判所は、前述した裁量的国選付添人対象事件のうち、非行事実を認定するための審判の手続に検察官が関与する必要があると認めるときは、決定をもって、審判に検察官を出席させることができ、この決定をした場合において、家庭裁判所は少年に弁護士である付添人がないときは、弁護士である付添人を付さなけらばなりません。

このように、被疑者国選弁護人と同様に、国選付添人対象事件は一定の重大事件に限られており、上記ケースは該当せず、国選付添人を選任することはできません。

少年審判においては、非行事実のみならず要保護性も審理対象となり、非行自体が軽微なものであっても、要保護性が高いと判断されれば、身体拘束を伴う保護処分が言い渡される可能性もあります。
そのような事態を回避するためにも、早期の段階から刑事事件・少年事件に精通する弁護士を弁護人付添人として選任するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。