兵庫県神戸市北区の犯人隠避事件 刑事事件専門の弁護士に相談
兵庫県神戸市北区の学校の教諭が女子生徒の着替えを盗撮したとして逮捕された事件で、当時の校長と教頭が事件発覚を阻止する目的で撮影した動画を削除させ、警察に届け出ていなかったとして、兵庫県有馬警察署は、当時の校長ら2人を犯人隠避及び証拠隠滅の容疑で書類送検しました。
(NHK NEWS WEB 2017年10月23日17時34分掲載記事を基にしたフィクションです)
【犯人隠避罪】
犯人隠避罪は、刑法第103条に規定されています。
「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」
犯人隠避罪は、犯人・逃亡者を隠避し、刑事裁判または刑の執行を免れさせることにより、国家の刑事司法作用を侵害することを防止させるという意義を持ちます。
「罰金以上の刑に当たる罪」とは、法定刑に罰金刑以上の刑を含む罪を言います。
「罪を犯した者」は、訴追・処罰の可能性がある者でなければなりません。
ですので、告訴権の消滅、時効の完成などによって訴追・処罰の可能性がなくなった者は、犯人隠避罪の客体とはなりません。
また、嫌疑があり、捜査の対象となっている者を「罪を犯した者」に含めなくては、捜査・審判作用の保護が図れないため、「犯罪の嫌疑を受けて捜査または訴追されている者」も含むと理解されています。
そして、「拘禁中に逃走した者」とは、法令により拘禁されている間に逃走した者を意味します。
「拘禁中」の者とは、勾留中の被疑者や被告人、懲役・禁錮・拘留刑の受刑者、勾引状の執行を受けて留置中の証人などです。
犯人隠避罪の実行行為である「隠避」とは、蔵匿(官憲による発見・逮捕を免れるべき隠匿場所を提供する)以外の方法により官憲による発見・逮捕を免れしめるべき一切の行為を言います。
事例にように、証拠を隠滅したうえで、事件の発覚を免れるため警察に届けでなかった行為は、「隠避」に当たる可能性があります。
最後に、犯人隠避罪の故意については、客体である被隠避者が罰金以上の刑にあたる罪を犯した者であること、または拘禁中逃走した者であることを認識し、かつ、これを隠避することを認識することとされています。
罰金以上の刑に当たることの認識については、実際上、罰金以上の刑に当たる犯人(例えば、殺人犯人や窃盗犯人)であるといった認識であれば足りるとされています。
犯人または逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができることが刑法第105条に規定されています。
兵庫県神戸市北区の犯人隠避事件で、検察庁に送致されてお困りであれば、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。
刑事事件に豊富な経験と知識を持つ弁護士が対応させていただきます。