兵庫県神戸市垂水区の偽計業務妨害事件 刑事事件に精通する弁護士に相談

兵庫県神戸市垂水区の偽計業務妨害事件 刑事事件に精通する弁護士に相談

偽計業務妨害について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

兵庫県神戸市垂水区に住むAさんは、男2人から性的暴行の被害に遭ったなどと嘘の通報をして警察の業務を妨害したとして、偽計業務妨害の疑いで神戸地方検察庁に書類送検されました。
Aさんは、兵庫県垂水警察署に集団強姦の被害に遭ったと相談し、同警察署は捜査を開始し、男2名を特定し取調べたところ、Aさんに頼まれたと話したことで事件が発覚しました。
(西日本新聞 2018年8月21日6時00分掲載記事を基にしたフィクションです)

偽計業務妨害罪

上記事例において、Aさんに対して偽計業務妨害罪が問われています。
「警察の業務を妨害したんだから、公務執行妨害では?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
公務執行妨害罪は、公務員が職務を執行するにあたり、これに対して「暴行又は脅迫を加え」た場合に成立する犯罪です。
Aさんは、嘘の被害申告を行う方法により、警察を動かしていますので、暴行・脅迫によるものではありません。
一方、偽計業務妨害罪は、虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の業務を妨害する罪です。
妨害手段は、虚偽の風説の流布と偽計です。
前者は、少なくとも一部が客観的事実に反する噂や情報を不特定又は多数の者に伝播することをいいます。
後者は、人を欺罔し、或いは人の錯誤・不知を利用することを意味します。
Aさんは、警察に嘘の被害申告をしていますので、警察を騙す方法を用いていると言えるでしょう。
さて、偽計業務妨害罪でいう「業務」は「公務」を含むのかどうかといった議論があります。
「業務」とは、職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う事務・事業のことです。
先述したように、公務は、公務執行妨害罪において、暴行・脅迫という限定的な妨害手段に対してのみ保護されており、虚偽の風説の流布や偽計という穏やかな妨害手段から保護している偽計業務妨害罪における業務に含まれるのか?という点が問題となるのです。
判例・学説では、公務も業務に含まれるが、強制力を行使する権力的公務以外の公務が業務に含まれると理解されています。
警察の活動には、逮捕や捜索差押といった強制力を行使するものやそうでないものがあります。
判例では、虚偽通報による警察の公務妨害が問題となった事件で、警察の公務に強制力的公務が含まれていたとしても、その強制力は虚偽通報による妨害行為に対して行使し得る段階にはなく、妨害行為を排除する働きを有しないのであり、妨害された警察の公務は、強制力的公務を含めてその全体が偽計業務妨害罪の保護の対象となるとされています。
ですので、Aさんが虚偽の被害申告を行ったことで妨害された警察の公務は、偽計業務妨害罪の業務に当たると考えられます。

このように、事件の内容によって如何なる犯罪が成立するかは異なります。
兵庫県神戸市垂水区偽計業務妨害事件でお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。

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