児童虐待で逮捕

2019-09-22

児童虐待で逮捕

児童虐待逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神崎郡市川町に住むAさんは、娘のVちゃん(3歳)と交際相手のBさんと暮らしていました。
ある日、Vちゃんの様子がおかしいことに気が付いたAさんは、慌てて救急車を呼びましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。
Vちゃんの身体に複数のあざがあることを不審に思った病院は、兵庫県福崎警察署虐待されていた可能性があると通報しました。
AさんとBさんは兵庫県福崎警察署で事情を聞かれていますが、AさんはBさんがしつけで何度かVちゃんに手を挙げていたことがあると供述しています。
Aさんは、Bさんが刑事責任を問われるのか、また自分も何らかの罪に問われるのか心配しています。
(フィクションです)

残念ながら、児童虐待により幼い子供が亡くなるという悲惨な事件が後を絶ちません。
虐待していた大人の多くが、「しつけのつもりだった。」と供述しているようですが、子供に大けがを負わせたり死亡させてしまうようなものは「しつけ」とは言えないでしょう。

児童虐待の防止等に関する法律は、「児童虐待」を、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するもの)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対し、次に掲げる行為をすることと定義しています。(同法第2条)

①身体的虐待
児童の身体に外傷を生じ、又は生じさせるおそれのある暴行を加えること。
②性的虐待
児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
③ネグレクト
児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による①、②、④の行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
④心理的虐待
児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

このように、児童虐待の防止等に関する法律は、「児童虐待」を定義し、児童虐待を禁止しています。(同法第3条)
しかし、本法は、児童虐待行為に対しては罰則を設けていません。

児童虐待の防止等に関する法律に定義される「児童虐待」に当たる行為を行った場合、虐待内容により以下のような犯罪に当たる可能性があります。

①身体的虐待
殴る蹴るといった身体的虐待を行った場合の多くは、暴行罪や傷害罪が適用されます。
暴行を加えた結果、児童が死亡した場合には、傷害致死罪、そして殺意があったと認められれば殺人罪が成立する可能性もあります。

②性的虐待
児童に対してわいせつな行為をしたり、裸の写真を撮るなどの行為により、監護者性交等罪や監護者わいせつ罪、児童買春・児童ポルノ法違反が成立する可能性があります。
監護者性交等罪および監護者わいせつ罪は、平成29年7月13日から施行された刑法の一部改正により新設されたものです。
18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者による影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者や性交等をした者は、暴行や脅迫を用いない場合であっても、強制わいせつ罪や強制性交等罪と同様に処罰されます。
「現に監護する者」とは、実際に児童の生活全般にわたって衣食住などの経済的な観点、生活上の指導監督などの精神的な観点から依存、被依存ないし保護・被保護の関係が認められ、かつ、その関係性に継続性が認められることが必要となります。
実親や養親は「現に監護する者」に該当し得るのですが、教師やコーチなどは生活全般にわたった関係性がないので「現に監護する者」には当たらないと考えられています。

③ネグレクト
保護責任者遺棄罪、その結果死亡させてしまうと保護責任者遺棄致死罪が成立するでしょう。

④心理的虐待
身体的虐待でなくとも、暴言を児童に吐き捨てたりすることにより、精神的に障害を負った場合には傷害罪が成立することになります。

上記ケースでは、BさんがVちゃんに対して、しつけと称して暴力を振るっていたとAさんが証言していますので、BさんはVちゃんに対する暴行罪や傷害罪、Vちゃんの死因とBさんの暴行の因果関係が立証できれば傷害致死罪や殺人罪に問われる可能性があります。
一方、Aさんはというと、Aさん自身がVちゃんに暴力を振るうことはなかったとしても、BさんがVちゃんに暴力を振るっていたことを知っておきながら何もしなかった場合には、共同正犯もしくは幇助犯として暴行罪や傷害罪、傷害致死罪などに問われる可能性があるのです。
どのような罪に問われ得るのかは、事案によって異なりますので、児童虐待を疑われているのであれば、刑事事件に詳しい弁護士に今すぐご相談ください。

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