銃刀法違反で現行犯逮捕

2020-02-13

銃刀法違反現行犯逮捕となるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
山陽新幹線の車内で刃渡り14センチの包丁が乗客のカバンから露出していたことに気が付いた車掌は、警察に通報し、JR西明石駅に停車しました。
通報を受けて駆け付けた兵庫県明石警察署の警察官は、包丁を所持しているAさんを銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕しました。
Aさんは「護身用のために持ち歩いていた」と容疑を認めているとのことです。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、遠方に住んでいるためすぐに明石警察署に行くことができません。
また、警察からは「今来てもらっても会うことはできない。」と言われ、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)

護身用は通用しない?銃刀法違反~包丁・ナイフの所持~

銃砲刀剣類所持当取締法(以下、「銃刀法」といいます。)は、銃砲刀剣類は、社会生活を送る上で便利なものもある一方、使い方によっては人や動物を殺すこともあでき、犯罪に利用される危険性を有しています。
そのため、そのような危害を防止するために、銃刀法は、銃砲、刀剣類等の所持、使用等に関する危害予防上必要な規制について定めています。
関係する規定は、銃刀法第3条および第22条です。

第三条 何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、銃砲又は刀剣類を所持してはならない。

本条は、銃砲刀剣類の所持を原則として禁止しています。
対象となる「銃砲刀剣類」のうち、ここでは「刀剣類」の定義についてみてみましょう。
刀剣類の定義は、銃刀法第2条2項に次のように規定されています。

2 この法律において「刀剣類」とは、刃渡り十五センチメートル以上の刀、やり及びなぎなた、刃渡り五・五センチメートル以上の剣、あいくち並びに四十五度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ(刃渡り五・五センチメートル以下の飛出しナイフで、開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず、刃先が直線であつてみねの先端部が丸みを帯び、かつ、みねの上における切先から直線で一センチメートルの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して六十度以上の角度で交わるものを除く。)をいう。

判例によれば、ある物が銃刀法における刀剣類に該当するためには、その物品が、社会通念上、刀、やり、なぎなた、剣、あいくち及び飛び出しナイフの類型のいずれかに当てはまる形態・実質を備える刃物であることが必要です。
刀剣類の実質というのは、銅性質であって、人畜を殺傷する程度の威力を有するものであることをいいます。

上述したように、銃砲刀剣類の所持は、法令に基づき職務のために所持する場合などを除いて、原則として禁止されています。
ですので、護身用に個人が所持していた場合には、所持が認められる正当な理由とはなりません。

さて、上記ケースのように包丁を所持していた場合ですが、包丁は、銃刀法における刀剣類には該当しませんので、銃刀法第3条1項の違反は成立しないでしょう。
しかし、第22条では刃体の長さが6センチを超える刃物の携帯を禁止していますので、それに違反することになります。

第二十二条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。

刀剣類に該当しないものでも、刃体の長さが6センチを超える刃物は携帯が禁止されます。
人が職業その他社会生活上の地位に基づいて、継続して行う事務・事業のため、または、社会通念上正当な理由がある場合、例えば、特定の用途に供するため市販されている刃物をその用途に供する場合や購入して自宅に持ち帰る場合などは、本条に違反しません。
判例は、護身用として携帯することは正当な理由とは認めていません。(東京地判平8・3・12)

職務質問からの所持品検査や刃物を所持しているところを通行人などに目撃され警察に通報されることから銃刀法違反が発覚し、現行犯逮捕されるケースがあります。
現行犯逮捕されたら、逮捕から勾留までの間は、逮捕された方の家族であっても原則面会することはできません。
しかし、弁護士であれば、いつでも面会することができますので、ご家族が刑事事件を起こしてお困りの方は、すぐに弁護士に接見をご依頼ください。

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