特殊開錠用具禁止法違反で現行犯逮捕

2021-05-12

特殊開錠用具禁止法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~事例~
兵庫県宍粟警察署は、県外に住むAさんを特殊開錠用具禁止法違反の疑いで現行犯逮捕しました。
近隣住民から、「見かけない男が公園にいる。」と通報を受け、宍粟署の警察官がAさんに職務質問をしたところ、持っていたカバンから指定侵入工具であるバールが見つかりました。
Aさんは、調べに対して黙秘しています。
(フィクションです。)

特殊開錠用具禁止法とは

「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」(以下、「特殊開錠用具禁止法」といいます。)は、特殊開錠用具の所持等を禁止するとともに、特定侵入行為の防止対策を推進することにより、建物に侵入して行われる犯罪の防止に資することを目的とする法律です。

特殊開錠用具禁止法は、特殊開錠用具の所持、そして指定侵入工具の携帯を禁止しています。

1.特殊開錠用具の所持の禁止

第3条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、特殊開錠用具を所持してはならない。

同条で所持が禁止されるのは、「特殊開錠用具」です。
特殊開錠用具とは、第2条2項で「ピッキング用具(錠に用いられるシリンダーをかぎを用いることなく、かつ、破壊することなく回転させるための器具をいう。)その他の専ら特殊開錠(施錠された状態にある錠を本来の方法によらないで開くことをいう。以下同じ。)を行うための器具であって、建物錠を開くことに用いられるものとして政令で定めるものをいう。」と定義されています。
具体的には、ピッキング用具、破壊用シリンダー回し、ホールソー、サムターン回しが「特殊開錠用具」に含まれます。

「所持」とは、特殊開錠用具を事実上管理、支配することをいいます。

2.指定侵入工具の携帯の禁止

第4条 何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、指定侵入工具を隠して携帯してはならない。

同条で携帯が禁止されるのは、「指定侵入工具」です。
指定侵入工具は、第2条3項で、「ドライバー、バールその他の工具(特殊開錠用具に該当するものを除く。)であって、建物錠を破壊するため又は建物の出入口若しくは窓の戸を破るために用いられるもののうち、建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとして政令で定めるものをいう。」と定義されています。
政令では、
・ドライバー…①先端部が平らで、その幅が0.5㎝以上。
       ②長さが15㎝以上。
・バール…①作用する部分のいずれかの幅が2㎝以上。
     ②長さが24㎝以上。
・ドリル…直径1㎝以上の刃が附属するもの。

このような指定侵入工具を「隠して携帯」することが禁止されています。
「隠して携帯」するとは、日常生活を営む自宅ないし居室以外の場所において、いつでも使用できる状態で、かつ、他人が観察した場合、その視野に入ってこないような状態で、身体に帯びる、自己の身辺近くに置くことによって、事実上その支配下に置いている状態をいいます。
例えば、ポケット内に入れる、バッグやカバンの中に入れる、自動車のダッシュボード内に在中させていた場合などです。

特殊開錠用具の所持も、指定侵入工具の携帯も、「業務上その他正当な理由」による場合には罪となりません。
これには、職務上、あるいは日常生活上の必要性から、社会通念上、正当と認められる場合が該当します。
単なる護身用とか、特に使用目的がないといった場合には、正当な理由がないものと判断されます。

特殊開錠用具禁止法第3条、4条に違反した場合の法定刑は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

特殊開錠用具禁止法に違反する侵入工具を携帯していた場合、侵入盗等の疑いもかけられるでしょう。
取調べに対してはきちんと対応する必要があります。

特殊開錠用具禁止法違反事件で現行犯逮捕された場合には、すぐに弁護士に相談し、自己に不利な供述がとられないよう対応することが重要となります。

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