刑事事件と刑罰:刑罰の種類

刑事事件における刑罰刑罰の種類)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県宍粟市の民家に侵入し、現金や宝石類を盗んだとして、県内に住むAさんが窃盗および住居侵入の疑いで兵庫県宍粟警察署に逮捕されました。
Aさんは、本件以外にも複数同様の手口で空き巣を行ったと供述しています。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は、事件について何も分からず、急いで弁護士に接見に行ってくれるよう頼みました。
弁護士からAさんが本件以外にも同種の余罪があることを聞いたAさんの家族は、Aさんにどんな刑罰が科されれるのか不安でたまりません。
(フィクションです)

刑罰とは

犯罪者に対して刑罰が科されることは広く知られるところです。
刑罰というのは、形式的には、犯罪に対する法的効果として、国家・地方自治体によって犯罪者に課せられる一定の法益の剥奪を意味します。
一体どのような目的の下、刑罰が科せられるのかという点について、様々な議論がなされていますが、概ね、刑罰は犯罪に対する国家的応報であり、一般予防と特別予防という目的を持つと解されます。
つまり、法に違反することをしたのだから罰が与えられるというだけでなく、犯罪者に対して一定の不利益が科されるということを通じて、社会一般の人が犯罪を行わないようにする「一般予防」と罪を犯した者が再び罪を犯すことがないようにする「特別予防」の機能が刑罰にあると考えられています。

刑罰の種類

刑罰の種類には、生命刑、身体刑、自由刑、名誉刑、財産刑の5種類が存在してきました。
現在の日本の刑法においては、生命刑としての「死刑」、自由刑として「懲役」「禁錮」「拘留」、財産刑として「罰金」「科料」「没収」の7種類が設けられています。
このうち、「没収」は、主刑である死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料に付加してのみ科すことができる付加刑です。

(1)死刑

生命刑である「死刑」は、現行法上最も重い極刑です。
ただし、少年法では、犯行時に18歳未満であった者には死刑を適用することができないとしています。

(2)懲役・禁錮・拘留

自由刑には、「懲役」、「禁錮」、「拘留」の3種類があります。
まず、「懲役」と「禁錮」には、無期と有期の場合があります。
有期の場合、その期間は、1月以上20年以下の範囲で決められます。
ただし、有期懲役・禁錮を加重減軽する場合には、30年まで上げることができ、また、1月未満に提げることができます。
「懲役」と「禁錮」の違いは、前者は労働義務があるのに対して、後者はありません。
また、「懲役」と「禁錮」には、その刑に処せられた者に「改悛の状」があるときは、有期刑については刑期の3分の1を、無期刑については10年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放すること(「仮釈放」)が認められます。

「拘留」は、30日未満の短期の自由刑で、軽微な犯罪に対する刑として定められています。
「拘留」の刑に処せられた者の「情状により」、いつでも行政官庁の処分によって仮に出場を許すこと(「仮出場」)ができます。

(3)罰金・科料

強制的な金銭の徴収を内容とする財産刑は、1万円以上を「罰金」、1万円未満を「科料」と区別して設けられています。
「罰金」「科料」を完納することができない場合には、労役場に留置されます。

このように刑罰には様々な種類があり、その内容も大きく異なります。
また、懲役や禁錮となった場合であっても、刑の執行が猶予されるか否かでは、判決後の生活が全く違ってきます。

刑事事件を起こし、罪を認めている場合には、不起訴で前科が付くことを回避することを目標として、また、起訴が見込まれる事件では、罰金や執行猶予付き判決といった出来る限り寛大な処分となるよう早い段階から動くことが重要です。
具体的にどのような活動を行うべきかは、事件の内容によって異なりますので、刑事事件に精通する弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件を起こして対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。
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