商標法違反事件で略式裁判

2020-01-23

商標法違反事件で略式裁判となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
偽ブランド品やコピー商品をネットのオークションサイトで販売したり、販売するために所持していたとして、兵庫県佐用警察署はAさん宅を訪れ、捜索・差押え後に、Aさんを警察署に移送し取調べを行いました。
Aさんは、警察署で商標法違反などの疑いで通常逮捕されました。
Aさんは容疑を認めていますが、なるべく早く事件が終了しないものかと心配しています。
(フィクションです)

商標法違反事件について

商標法は、事業者が、自社が取り扱う商品やサービスを他社のものと区別するために使用するマークである商標を保護する法律です。
みなさんは、商品やサービスを購入する時に、その商品やサービスを示すロゴマークを見て決めていませんか?
例えば、財布やカバンについて考えてみれば、有名ブランドのロゴが付いているものがあれば、それがそのブランドの正規品だと思ってしまいますよね。
その商標(マーク)を見れば、どこの会社のブランドであるかが認識されるので、商標法は、このようなブランドのマークやネーミングを財産として保護しています。

商標権とは、登録した商標を指定商品または指定サービスについて排他的独占的に使用できる権利のことをいいます。
商標権者は、指定商品または指定サービスについて登録した商標の使用をする権利を占有します。
つまり、登録を受けた商品やサービスについて、当該商標の使用を独占する権利です。
また、商標権者は、その商標権について専用使用権を設定することができます。
専用使用権というのは、設定行為で定めた範囲内において、指定商品・サービスについて登録商標を排他的独占的に使用できる権利です。

商標法は、商標権または専用使用権を侵害した者は、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科することを定めています。
商標権の侵害は、他人の登録商標をその指定商品・サービスについて使用する行為、そして他人の登録商標の類似範囲において使用する行為です。
何ら権利のない者が、指定商品・サービスについて登録商標を受けている商標である登録商標と同一の商標を使用した場合、商標権の直接侵害行為となります。

商標法は、商標権または専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行った者については、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処し、またはこれを併科すると定めています。
指定商品・サービスについての登録商標に類似する商標の使用または指定商品・サービスに類似する商品・サービスについての登録商標やこれに類似する商標の使用は、間接侵害行為に当たります。

略式裁判について

略式裁判は、正式な裁判と比べて手続が簡略化された裁判です。
簡易裁判所が、原則として、検察官の提出した資料のみに基づいて、公判を開かずに、非公開で罰金または科料を科す刑事手続を「略式手続」といい、これにより裁判所が下す命令を「略式命令」といいます。

事件が比較的軽微であり、被告人にとって公判出頭の必要がなく、また迅速な裁判が期待できる等、被告人の利益となること、当事者に一定の場合に手続処分権が認められること、簡易手続が訴訟経済にも益することなどが略式手続の趣旨と言われています。
商標法違反事件では、商品の数の多さ、販売期間などを考慮し、その悪質性が高いと評価される場合には、公判請求される可能性もあります。

略式裁判となれば、簡略化されて手続がとられ、短期間で事件が終了するというメリットがあります。
一方、下されるのは有罪判決ですので、前科が付くというデメリットがあります。
事件によっては、略式裁判が最善の場合も、そうでない場合もあります。

商標法違反事件でご家族が逮捕されてしまいお困りの方は、刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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