近隣トラブルで刑事事件に

2020-04-06

近隣トラブル刑事事件に発展する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県宝塚市に住むVさん家族は、1年前に引っ越してきました。
道を挟んだ向かいにあるAさんとも、良好な関係にありました。
しかし、子供がまだ小さいVさんの妻が、町内のイベントの準備に積極的に参加しないことに腹を立てたAさんは、Vさん宅の玄関前で、嫌味を言うようになりました。
最初は嫌味だけでしたが、だんだんとVさん家族の人格を否定するような内容の暴言を吐くようになり、Vさんの妻は怖くて家から出るのもためらうようになりました。
さすがに困ったVさんは、市役所に相談しました。
市役所からAさんに連絡が行った後も、Aさんの嫌がらせ行為は続き、とうとうVさん家族は兵庫県宝塚警察署に相談することにしました。
(フィクションです)

近隣トラブルから刑事事件に発展するのか?

刑事事件というと、殺人や傷害、性犯罪に窃盗などといった犯罪をイメージされる方が多いのではないでしょうか。
刑事事件となると、警察が動き出して大事になる。
犯人は逮捕され、裁判にかけられて刑務所に入る。
そのようなイメージからすると、近隣トラブルのような揉め事には警察は介入しないのではないか。

実は、そうでもありません。
一昔前までは、家庭内トラブルや近隣トラブルといった問題には、警察は積極的に介入しようとはしなかったと言われていますが、トラブルの内容によっては刑事事件として立件することもあり、隣人トラブルから刑事事件に発展するケースは少なくありません。
近隣トラブルで多いのが、隣人からの執拗な嫌がらせ行為です。
何らかの出来事がきっかけとなり、隣人からの嫌がらせを受けているケースが多く、嫌がらせを回避するために荷物をまとめて出ていくなんてことが気軽にはできるものではありませんので、被害者は長年に渡って嫌がらせ行為に悩まされ続けていることがよく見受けられます。

このような隣人からの嫌がらせ行為は、迷惑防止条例違反に該当する可能性があります。

迷惑防止条例は、各都道府県により制定されているもので、兵庫県には、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」と題する条例があります。
この条例の第10条の2は、嫌がらせ行為の禁止について定めています。

正当な理由なく、特定の者に対して、執拗に又は反復して「嫌がらせ行為」をすることを禁止しています。
ここでいう「嫌がらせ行為には、次の8つの行為が含まれます。

①つきまとい・待ち伏せ・見張り・押し掛け
人の後を尾行する行為、行く先々で待ち伏せをする行為、自宅や勤務先などで見張る行為、自宅や勤務先などに押し掛ける行為。

②監視していると告げる行為
帰宅直後に「おかえり」などと電話やメールをする行為、その日の行動や服装などを電話やメールで告げる行為。

③面会などの要求
面会などの義務のないことを行うよう要求する行為。

④乱暴な言動
著しく粗野・乱暴な言動をすること。

⑤無言電話、電子メールなどの送付
無言電話や意味不明な声を上げるだけの電話、拒否しているにもかかわらず電話・メールなどを送る行為。

⑥汚物などの送付
汚物、動物の死体、その他の著しく不快・嫌悪の情を催させるような物を送付したり、その知り得る状態に置くこと。

⑦名誉を害する行為
名誉を傷つけるような内容を告げたり、文書などを届けたりする行為、名誉を傷つけるような文章をネットに掲載して伝えようとする行為など。

⑧性的羞恥心を害する行為
性的羞恥心を害する事項を告げたり、その知り得る状態に置いたり、その性的羞恥心を害する文書・図画その他の物を送付、またはその知り得る状態に置くこと。

上のケースでは、AさんがVさん宅の玄関前で暴言を吐くという行為を繰り返しています。
Aさんの行為は、④の嫌がらせ行為、内容によっては、⑦や⑧にも当たる可能性があります。
④の「著しく粗野又は乱暴な言動」というのは、場所柄や一般に期待される礼儀をわきまえないぶしつけな言動や動作または不当にあらあらしい言語動作であって、刑法の暴行や脅迫などに至らない程度のものをいいます。
大声で「バカ」「くそ」などの粗野な言葉を浴びせる行為、家の前で大声を出したり、車のクラクションをうるさく鳴らす行為等が該当します。

このような「嫌がらせ行為」は、ストーカー規制法における「つきまとい等」と類似していますが、「つきまとい等」は、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」をもって行われる必要があります。
迷惑防止条例の「嫌がらせ行為」は、そのような恋愛感情目的がなく、特定の人に対して、執拗・反復して問題の行為を行うことで足ります。

嫌がらせ行為を行い迷惑防止条例に違反した場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

このように、迷惑防止条例違反に当たる場合、近隣トラブルから刑事事件に発展する可能性はあります。
迷惑防止条例違反で刑事事件の被疑者となり対応にお困りであれば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご相談ください。
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