公務執行妨害で現行犯逮捕
公務執行妨害での現行犯逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県たつの市を走る国道を自家用車で帰宅中の会社員のAさんは、兵庫県たつの警察署の警察官から検問のため停止するよう呼び止められました。
警察官から飲酒検知の要請を受けましたが、拒否したAさんは、警察官と言い合いになり、とうとう手を出してしまいました。
Aさんは、公務執行妨害の疑いで、その場で現行犯逮捕となりました。
(フィクションです)
公務執行妨害罪について
公務執行妨害罪は、刑法第95条1項に規定されています。
第95条
1 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金に処する。
公務執行妨害罪の客体となるのは、「公務員」、つまり、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員です。
当該「公務員」に対して、その「職務を執行する」際に、「暴行又は脅迫を加え」ることにより公務執行妨害罪は成立することになります。
「職務」の範囲については、争いはありますが、判例では、公務のすべてを含むと解されています。(最判昭53・6・29)
そのような「職務」を「執行するに当たり」とは、「執行する際に」という意味であり、職務開始直前の、執務と密接に関連した待機状態も含まれます。
また、加える「暴行」又は「脅迫」について、「暴行」とは不法な有形力の行使をいい、「脅迫」とは、恐怖心を起こさせる目的で、他人に害悪を告知することをいいます。
これは、公務員に向けられた有形力の行使である必要はありますが、必ずしも直接に公務員の身体に加えられる必要はなく、公務員の身体に感応しうるものであれば足りる解されています。(最判昭37・1・23)
公務執行妨害罪における「暴行・脅迫」は、公務員の職務の執行を妨害し得る程度のものでなければなりません。
しかし、暴行・脅迫の結果として、実際に公務員の職務執行が害されたことまでは要されません。
これらに加えて、行為の客体が公務員であること、その公務執行に際して暴行・脅迫を加えることの認識・認容があれば、公務執行妨害罪の構成要件が満たされていることになり、責任能力や違法性が認められれば、公務執行妨害罪が成立することとなります。
現行犯逮捕について
公務執行妨害罪で逮捕される場合、現行犯逮捕となるケースが多くなっています。
「現行犯逮捕」は、誰でも、逮捕状なく現行犯人を逮捕するものです。
「現行犯人」というのは、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者」いいます。
また、現行犯逮捕には、「現行犯人とみなされる者」の逮捕(「準現行犯逮捕」)も含まれます。
準現行犯逮捕の要件は、
①罪を行い終ってから間がないことが明らかであるときで、
②以下のいずれかの要件に該当すること。
・犯人として追われていたり、呼びかけられているとき。
・犯罪によって得た財産や明らかに犯罪のために使ったと思われる兇器などを所有しているとき。
・身体や服に犯罪の顕著な痕跡があるとき。
・誰何されて逃亡しようとするとき。
公務執行妨害事件では、逮捕された場合であっても、怪我の程度も軽く、本人がちきんと反省している場合には、釈放される可能性もあります。
逮捕から勾留までの間は、ご家族であっても逮捕された方と面会することは出来ません。
しかし、弁護士であれば、いつでも逮捕された方と面会(接見)することが出来ます。
逮捕された方は、今後どのようになるのか不安な気持ちでいっぱいでしょうし、取調べの対応方法にもお困りのことでしょう。
そのような時には、刑事事件に強い弁護士と接見し、今後の流れや取調べ対応についてのアドバイスを得ることが重要です。
取調べ対応の如何により、早期釈放となる可能性もありますし、何より逮捕された方の不安を取り除くことにもなります。
ご家族が公務執行妨害事件で逮捕されてお困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。
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