強制わいせつ罪で逮捕

2019-02-11

強制わいせつ罪で逮捕

~ケース~
兵庫県揖保郡太子町のマンションのエレベーター内で、小学生の女児のスカートをめくってお尻を触るなど、わいせつな行為をしたとして、兵庫県たつの警察署は、県内に住むAさんを強制わいせつの容疑で逮捕しました。
被害児童が母親に相談したことで事件が発覚し、相談を受けた兵庫県たつの警察署は、エレベーターの防犯カメラの画像からAさんを特定しました。
Aさんは容疑を認めていますが、他にも同種の事件を起こしており、長期の身体拘束となることを恐れています。
(産経WEST 2019年2月5日20時56分掲載記事を基にしたフィクションです)

強制わいせつ罪とは

刑法第176条
 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
 13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強制わいせつ罪とは、
①13歳以上の者に対し、暴行・脅迫を用いて、わいせつな行為をする
もしくは、
②13歳未満の者に対し、わいせつな行為をする
犯罪です。

つまり、強制わいせつ罪の構成要件に該当するためには、
行為の客体が「13歳以上の者」である場合、「暴行又は脅迫」を用いて「わいせつな行為」をすることが必要となりますが、行為の客体が「13歳未満の者」の場合には、「暴行又は脅迫」を用いずとも「わいせつな行為」をすれば該当することになります。

「暴行又は脅迫」の程度についてですが、通説では「相手方の反抗を著しく困難にさせる程度のもの」と理解されています。
また、「わいせつな行為」の意義についは、基本的には公然わいせつの「わいせつ」概念である「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」と同様に理解されますが、強制わいせつ罪の保護法益は「個人の性的自由」であるのに対し、公然わいせつ罪の保護法益は「性的秩序」であるので、両者の「わいせつ」概念のニュアンスは異なります。
例えば、見知らぬ人に無理やりキスをする行為は、強制わいせつ罪に該当し得ますが、公然わいせつ罪には当たらないでしょう。

強制わいせつ罪の構成要件的故意は、「13歳以上の者に対し、暴行・脅迫を用いて、わいせつな行為をすること」もしくは「13歳未満の者に対し、わいせつな行為をすること」の認識・認容です。
この点、13歳未満の者を13歳以上だと誤信していた場合、構成要件的故意がないので、暴行・脅迫が用いられていない限り、強制わいせつ罪は成立しないことになります。
また、判例は、かつて、強制わいせつ罪の成立には、「犯人の性欲を刺激興奮させまたは満足させるという性的意図」が必要であるとする立場をとっており、報復や金銭目的などでせいわつな行為を行った場合には、強制わいせつ罪は成立しないとしてきました。
しかし、平成29年の最高裁判決は、この点、性的意図の有無については、個別具体的な事情の一つとして考慮すべき場合があり得ることは否定しないとしつつも、客観的にわいせつな行為であることが明らかであれば、性的意図の有無を判断することなく強制わいせつ罪が成立する可能性はあるとしました。

強制わいせつ事件で逮捕されたら

強制わいせつ事件で逮捕されると、その後勾留される可能性が高いと言えるでしょう。
勾留が決定すると、検察官が勾留請求した日から原則10日間、延長されると最大で20日間身柄が拘束されることとなります。
余罪が複数ある場合には、再逮捕の可能性もあり、更に身体拘束が長引くおそれも考えられます。

長期間の身体拘束により被る不利益は計り知れません。
そのような事態を回避するためにも、早期に弁護士に相談・依頼し、身柄解放活動に動いてもらうのがよいでしょう。
事案によって、活動内容も異なりますので、刑事事件に強い弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする全国でも数少ない法律事務所です。
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