無断キャンセルと偽計業務妨害

2020-02-04

宿泊予約の無断キャンセル偽計業務妨害に問われ得る場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県美方郡新温泉町のホテルや旅館で、宿泊料金が一番高い部屋を大口で予約しておきながら、当日現れない無断キャンセルの被害が相次いでいました。
予約名は異なるものの、予約者の住所や連絡先は同じで、連絡をとろうとしても繋がりません。
立て続ける無断キャンセルの被害に業を煮やしたホテルや旅館の支配人たちは、兵庫県美方警察署に被害を相談しました。
美方警察署は、悪質ないたずらか業務の妨害する意図で行われたものである可能性があるとして、偽計業務妨害の疑いで捜査に着手しました。
後日、県外に住むAさんが犯人として浮上し、美方警察署はAさんを偽計業務妨害の容疑で逮捕しました。
(フィクションです)

偽計業務妨害罪について

偽計業務妨害罪は、刑法第233条後段に次のように規定されています。

第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

本条の前段は、信用棄損罪について規定しています。

偽計業務妨害罪の構成要件は、
①虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、
②人の業務を妨害する
ことです。

◇虚偽の風説を流布し◇
真実とは異なる内容の噂などを不特定又は多数人に伝播させることをいいます。
直接少数の者に伝達した場合であっても、その者を介して多数の者に伝播するおそれがあるときには、流布に当たります。

◇偽計を用いて◇
「偽計」というのは、人を欺罔・誘惑し、又は人の錯誤・不知を利用することです。

◇業務を妨害する◇
「業務」とは、自然人又は法人、その他の団体が社会生活上の地位において、あるいはこれと関連して行う職業その他の継続して従事することを必要とする事務をいいます。

上記ケースにおいて、宿泊予約の無断キャンセルそのものが問題ではなく(もちろん、客を受け入れる準備をしていたホテルや旅館に経済的損失が生じさせてしまう点で問題はありますが)、複数のホテルや旅館に対して高額な部屋を大口で予約し、明らかに宿泊する意思がなく、当該ホテルや旅館の業務を妨害しようとする意思が認められる場合には、偽計業務妨害罪が成立し、捜査機関が捜査に着手する可能性はあります。

偽計業務妨害事件で逮捕されたら

偽計業務妨害の容疑で逮捕された後の流れは、一般的な刑事事件と同じです。
警察に逮捕されたら、まずは、警察署で取調べを受けることになります。
逮捕から48時間以内に、警察は被疑者を釈放するか、それとも証拠や関係書類と共に検察官に送致するかを決めます。
検察官に送致されると、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者の弁解を聞いた上で、検察官は被疑者を釈放するか、裁判官に対して勾留請求を行うかを決定します。
検察官からの勾留請求を受けた裁判官は、被疑者と面談した後、当該被疑者を勾留するか否かを判断します。
勾留となれば、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、延長が認められれば最大で20日間身柄が拘束されることになります。

逮捕後に勾留となれば、その間職場や学校に行くことはできませんので、最悪の場合、解雇や退学となる可能性も生じます。
そのような事態を避けるためにも、逮捕されたら、できる限り早い段階で刑事事件に強い弁護士に相談・依頼し、身柄解放活動に着手してもらうのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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