傷害事件で被害届が出された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。
~ケース~
兵庫県神戸市垂水区に住むAさんは、通勤通学の時間帯に、自宅付近にあるバス停留所近辺に空き缶を投げたところ、通行人の顔に当たってしまいました。
Aさんは誰かに当てるつもりはありませんでしたが、結果として通行人Vさんに空き缶が当たってしまい、Vさんの額に擦り傷を負わせてしまいました。
Vさんは、立腹しており、その足で兵庫県垂水警察署に傷害事件で被害届を出しに行くと言っています。
Aさんは、わざと怪我させようと思っていなかったのに傷害罪が成立するものなのか疑問に思っています。
(フィクションです)
人の身体を傷害する罪には、「傷害罪」と「過失傷害罪」とがあります。
どちらも「人の身体を傷害する」という結果は同じですが、両者の違いは、故意犯であるか過失犯であるかという点です。
傷害罪
傷害罪は、刑法第204条に規定されています。
第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
◇客体◇
傷害罪の客体は、「人の身体」です。
行為者自身の身体の傷害(自傷)は罪となりません。
◇行為◇
傷害罪の実行行為は、「人の身体を傷害すること」です。
「傷害」の概念についてですが、判例によれば、「人の生理的機能に障害を加えること」であると解されます。
また、傷害の方法は有形であると無形であるとを問いません。
「傷害」に該当する行為として、殴る蹴るなどにより人に怪我を負わせる行為のみならず、怒号等の嫌がらせにより、不安・抑うつ状態に陥れること、性病であることを隠して相手方の性器に自己の性器を押し当て、相手方に性病を感染させたこと、キスマークをつけること、皮膚の表皮を剥離すること、などが含まれます。
◇故意◇
傷害罪は、暴行罪の結果的加重犯であるので、傷害罪の故意は、「暴行の認識」があれば足りると解されます。
つまり、人の身体に対して有形力を行使することの認識であり、未必的認識で足りるのです。
これより、上記ケースに当てはまると、Aさんは積極的に誰かに対して空き缶をぶつけてやろうと思ってはいなかったようですので、一見故意はなかったように思われます。
しかし、通勤通学の時間帯という人が通常よりも多く行き交うであろうと思われる状況において、バス停留所近辺に向かって空き缶を投げるという行為から、「もしかしたら空き缶が誰かに当たるかもしれないけど、いいか。」と思っていた場合には、未必的故意が認められ、傷害罪が成立する可能性があります。
過失傷害罪
過失傷害罪は、刑法第209条に規定されています。
第二百九条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
◇過失◇
傷害罪との違いは、「過失により」人を傷害する点です。
「過失」とは、不注意に構成要件上保護された法益を侵害することです。
過失傷害罪の場合は、不注意に人を傷害することです。
傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金であるのに対して、過失傷害罪は30万円以下の罰金または科料です。
そして、過失傷害罪は、親告罪であるので、告訴がなければ公訴を提起することができません。
傷害罪は親告罪ではありませんが、被害者との示談が成立した場合、不起訴処分となる可能性が高まり、前科を付けることなく事件を終了させることが期待できるでしょう。
いずれの場合も、怪我をされた被害者の方への適切な対応をとることが、その後の結果にも大きく影響しますので、重要だと言えるでしょう。
傷害事件を起こし、被害者の方との示談交渉にお困りであれば、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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