傷害事件で少年審判

2019-05-01

傷害事件で少年審判

~ケース~
兵庫県加古郡播磨町に住む少年Aくん(17歳)は、知人Bさんと交際女性を巡って口論となり、カッとなりBさんの顔面を殴る等、全治2週間の怪我を負わせてしまいました。
Bさんは、兵庫県加古川警察署に被害届を出してことで、事件が発覚しました。
幸い、Aくんは逮捕されることはありませんでしたが、取調べに応じた警察官から、警察や検察での取調べが終われば、神戸家庭裁判所姫路支部に送致され少年審判を受けることになると言われました。
どのように対処すればよいか分からず、Aくんと両親は少年事件に精通する弁護士に法律相談をお願いしました。
(フィクションです)

少年審判について

少年審判」というのは、一般的には、家庭裁判所が少年の非行事実および要保護性について審理・判断を行う手続のことをいいます。
刑事事件の公判期日にあたる概念と考えられるでしょう。
少年審判は、以下の点で刑事裁判と大きく異なります。
①職権主義的質問構造
少年審判では、刑事裁判のような当事者主義的訴訟構造をとっておらず、職権主義的質問構造がとられています。
つまり、家庭裁判所が自ら審判手続を主導し、少年に関する調査を行い、その結果に基づいて審理を行い処分を言い渡すのが少年審判であり、検察官と被告人・弁護人が対立して攻撃防御を尽くし、当事者が訴訟を主体的に追行していく刑事裁判の構造とは大きく異なるのです。
②証拠に関する規則
余談排除原則や伝聞法則の適用が少年審判にはありません。裁判官が審判期日の前からあらゆる証拠に触れる点で、刑事裁判とは異なります。
また、少年審判は原則として非公開です。

少年審判の審理対象は「非行事実」および「要保護性」です。

非行事実

非行事実とは、刑事裁判における公訴事実に該当するものです。

要保護性

要保護性は、その用語が多義的に用いられることがありますが、概ね次の3つの要素により更正されるものと考えられています。
①再非行の危険性
少年の性格や環境に照らし、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことにより、少年が再非行におよぶ危険性を除去できる可能性があること。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。

少年審判に向けた付添人の活動

家庭裁判所が事件を受理すると、書記官や裁判官が、審判条件や非行事実の存否について事件記録に基づいて法的調査を行います。
法的調査の結果、非行事実が存在することについて裁判官が蓋然的心証を得た場合、調査官に要保護性を判断するための社会調査を命じます。
社会調査が終了すると、調査官は、少年鑑別所の鑑別結果通知書などとともに裁判官に調査結果を提出し、裁判官は、証拠書類などの法律記録と併せて検討します。
その結果、家庭裁判所が、審判に付することができない、または審判に付するのが相当でないと認めるときには、審判不開始決定をします。
一方、少年が非行事実を行った蓋然性があり、調査官による教育的措置を経た上でもなお少年に要保護性が認められる場合には、審判開始決定が行われます。
先述しましたが、少年審判の審理対象は、非行事実と要保護性の2要素となります。
非行事実に争いのない場合には、要保護性の解消が、少年審判に向けた付添人の重要な活動になります。
少年が事件と向き合い、事件を起こしてしまった原因に気づき、今後同じ過ちを繰り返さないためにはどのようにすればよいのかをしっかり考えることができるよう、付添人は少年を支援します。
また、被害者への謝罪や被害弁償を含めた示談交渉も行います。
そのうえで、少年の更生に適した環境を整えるべく、少年の家族や学校・職場と連携して活動します。
このような活動を、調査官や裁判官に適時報告し、少年の要保護性が解消されたと判断してもらうべく働きかけます。

以上の活動は、少年事件に精通した弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門とする法律事務所です。
お子様が事件を起こしてお困りの方は、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイアル0120-631-881まで。