少年事件と学校への連絡

2019-09-24

少年事件と学校への連絡

少年事件における学校への連絡について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県佐用郡佐用町の商業施設内のエスカレーターで、女子中学生のスカート内を盗撮したとして兵庫県内の私立中学校に通う中学生のAくん(14歳)が兵庫県佐用警察署に迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
警察署で取調べを受けたAくんでしたが、その日の夜にAくんの両親が身元引受人として警察署まで迎えに来て身柄釈放となりました。
幸い学校を休むことなく釈放となりましたが、警察から事件について学校連絡がいくのではないかとAくん家族は心配しています。
(フィクションです)

少年事件の流れについて

20歳未満の者が刑罰法令に触れる行為を行い、警察などの捜査機関に発覚すると少年法に基づく手続に従って事件が処理されることになります。
少年の年齢によって、事件処理の流れは異なりますが、ここでは14歳以上の20歳未満の少年(「犯罪少年」)について説明していきます。

捜査段階の手続は、ほとんど成人の刑事手続と同様であり、少年であっても逮捕される可能性はあります。
逮捕された場合、逮捕から48時間以内に警察が少年を釈放するか、それとも検察に送致するかを決めます。
Aくんのケースでは、逮捕はしましたが、取調べ後にAくんを釈放しています。
警察は、Aくんを検察に送致し勾留する必要はないと判断したのでしょう。
他方、警察が少年を検察に送致した場合、少年の身柄を受けた検察官は、少年の取調べを行った上で、逮捕に引き続き身柄を拘束する必要があるか否かを少年の身柄を受けてから24時間以内に決定します。
検察官が少年を勾留する必要があると判断した場合、検察官は裁判所に対して勾留請求を行います。
検察官からの勾留請求を受け、裁判官は少年と面談した上で、少年を勾留する要件が満たされているか否かを判断し、勾留決定または勾留却下決定を下します。
兵庫県では、1日で検察への送致から勾留決定まで行われます。
このように、捜査段階ではほぼ成人の刑事事件と同じ流れとなりますが、検察官は勾留の代わりに「勾留に代わる観護措置」を請求することができ、裁判官が当該措置を決定した場合には、少年の収容先は警察署の留置場ではなく少年鑑別所となり、収容期間も10日間と延長はありません。

捜査機関による捜査が終了すると、事件は家庭裁判所に送られます。
家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所はいつでも「観護措置」をとることができます。
観護措置は、少年の身柄を少年鑑別所に移し、審判のために必要な調査や心身鑑別などを行う措置です。
観護措置の期間は概ね1か月で、捜査段階で身体拘束を受けていた場合には、引き続き観護措置がとられる傾向にあります。

事件が学校に伝わる可能性は?

事件が学校に伝わる経緯としては、概ね、①家族からの連絡、②警察からの連絡、③家庭裁判所からの連絡、の3つでしょう。

①は、事件が発覚した早い段階で、少年の家族が学校に相談することにより発覚するケースです。
逮捕・勾留により長期間の身体拘束を受ける場合には、学校に休む旨の連絡をしなければなりませんが、数日であれば体調不良などでごまかすことは可能でしょうが、10日間となると本当のことを話さずにはいられない状況になるでしょう。
②については、逮捕された時点で警察から学校にその旨連絡がいくケースです。
逮捕されると必ず警察が学校連絡するということではありませんが、警察と学校との間で一定の事柄については相互に連絡をしましょうとする取り決めが交わされていることがあります。
「警察・学校相互連絡制度」というのは、都道府県の警察本部と教育委員会が協定を結び、児童生徒の健全育成を目的として、警察と学校連絡をとりあう制度です。
兵庫県においても、県や各市の教育委員会が兵庫県警察本部と協定を結び、本制度を運営しています。

この制度によって、少年や保護者が知らないうちに、警察から学校連絡が入り、事件のことが学校側に発覚してしまう可能性があります。
私立の学校の場合には、このような協定を結んでいないことが多く、すぐには連絡がいかない場合もあります。
最後に、③についてですが、家庭裁判所の調査官が調査の一環として、少年の所属校や所属していた学校に「学校照会書」を送ることがあります。
調査官は、少年の性格や家庭環境、交友関係、学校の状況などを調査する必要があるため、少年の通ってた学校や現在在籍している学校学校での少年の様子や成績などを調べるのです。

学校には知られたくない」、「知られてしまうと退学になるおそれがある」と心配される方も多くいらっしゃると思います。
お子様が事件を起こしてしまい対応にお困りであれば、少年事件を数多く取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
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