少年事件と観護措置

2019-04-05

少年事件と観護措置

~ケース~
兵庫県高砂市に住む中学生のAくん(14歳)は、路上で帰宅途中の女性に痴漢行為をしたとして兵庫県高砂警察署に逮捕されました。
Aくんの両親が身元引受人となり、Aくんは釈放されました。
Aくんには余罪が複数あり、在宅事件として捜査が進められていましたが、事件が神戸家庭裁判所姫路支部に送致されると、観護措置をとるとの決定がなされ、Aくんは神戸少年鑑別所に収容されることになりました。
Aくんの両親は不安になり、慌てて少年事件に詳しい弁護士に相談しました。
(フィクションです)

観護措置について

観護措置とは、家庭裁判所が調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、その身柄を保全するとともに、少年の心身の鑑別をしたり、緊急に少年の保護が必要である場合に終局決定に至るまでの間、暫定的に少年を保護するための措置をいいます。

観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する措置(在宅観護)と、少年鑑別所に送致する措置(収容観護)の2種類があります。
実務上、在宅観護はほとんどとられておらず、「観護措置」は収容観護を意味するものとなっています。
ここでも、収容観護である「観護措置」について説明します。
少年鑑別所は、観護措置により送致された者を収容し、医学・心理学・教育学・社会学その他の専門的知識及び技術に基づいて、少年の鑑別を行うとともに、必要な観護処遇等を行うための施設です。

観護措置の要件

観護措置は、家庭裁判所が、適正妥当な調査・審判を行うために少年の身柄を保全する措置であり、家庭裁判所が職権で行うものです。
観護措置がいかなる場合にとり得るかについては、少年法17条1項に「審判を行うため必要があるとき」と規定されていますが、実務上は、以下の要件が必要であるといわれています。
①審判条件があること
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる相当の理由があること
③審判を行う蓋然性があること
④観護措置の必要性が認められること

④については、次の事由のうち、いずれかの事由が存在すれば足りるとされます。
・調査・審判・決定の執行を円滑かつ確実に行うため、少年の身柄を確保する必要があること。
 住所不定、罪証隠滅や逃亡のおそれがある場合など。
・緊急的に少年の保護が必要であること。
 自殺、自傷のおそれがある場合や、家庭環境が劣悪で、家庭から虐待され又は悪影響を受けるおそれのある場合など。
・少年を収容して心身鑑別をする必要があること。

観護措置は、家庭裁判所に事件が係属中であれば、いつでもとることができます。
つまり、家庭裁判所が事件を受理したときから終局決定がなされるまでの間です。
捜査段階で、逮捕・勾留により身柄が拘束されていた少年の場合、事件が家庭裁判所に送致されたときに観護措置をとることが多くなっています。
また、勾留に代わる観護措置がとられている事件が家庭裁判所に送致された場合には、その措置は観護措置とみなされ、観護措置として存続することになります。
ただし、捜査段階で在宅事件として捜査が進められていたとしても、事件が家庭裁判所に送致され、調査や審判中に観護措置をとる必要性が判明した場合には、観護措置がとられることもあります。

収容期間

観護措置により少年を少年鑑別所に収容する期間は、2週間を超えることができないと少年法により定められています。
特に継続の必要がある場合には、決定をもって、これを更新することができるものとされています。
つまり、観護措置の期間は、原則2週間で、特に必要があるときに限って更新することができるものとされます。
しかし、実務上は、少年鑑別所で行われる行動観察や心身鑑別に相当の日時を要するため、通常の事件についても1回の更新をする扱いがなされています。

観護措置は、少年を長期間少年鑑別所に収容することになり、その間学校や職場に行くことは出来ないため、少年の社会復帰の妨げとなるおそれもあります。
そのため、不必要な観護措置がとられることがないよう付添人である弁護士は、観護措置回避や異議申立て、取消請求を行います。
しかし、観護措置は、少年の心情の安定に配慮しつつ、少年の身体の安全を確保する措置であるので、単に身体を拘束するだけでなく、少年の心身の鑑別も行われることから、少年の更生に資するというメリットもあります。
ですので、どのような対応が、少年の更生に適するのか、少年事件に豊富な経験を持つ弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
あなたのお子様が、事件を起こし、逮捕された、家庭裁判所に送致された、観護措置がとられたとお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイアル0120-631-881まで。
神戸少年鑑別所までの初回接見費用:35,500円)