少年鑑別所収容の回避

少年鑑別所収容の回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市垂水区に住む中学生3年生のAさんは、友人Bさんと共謀し、知人のVさんに暴行を加え、所持金3000円を奪ったとして、兵庫県垂水警察署に逮捕されました。
逮捕後、10日間の勾留となったAさんですが、もうすぐ定期試験が控えています。
高校受験を控えたAさんは、家庭裁判所送致後に観護措置がとられ少年鑑別所に収容されれば、定期試験が受けられなくなり、成績に影響するのではないかと心配しています。
(フィクションです。)

少年鑑別所とはどんなところ?

少年鑑別所は、以下のことを行う施設です。
(1)鑑別対象者の鑑別
(2)観護措置等によって収容される者らに対する必要な観護処遇
(3)非行及び犯罪の防止に関する援助

(1)鑑別

少年鑑別所が行う「鑑別」というのは、「医学、心理学、社会学その他の専門的知識及び技術に基づき、鑑別対象者について、その非行又は犯罪に影響を及ぼした資質上及び環境上問題となる事情を明らかにした上、その事情の改善に寄与するため、その者の処遇に資する適切な指針を示すもの」のことです。
少年鑑別所は、様々な観点から、少年がなぜ犯罪・非行に手を染めてしまったのか、その原因について明らかにし、どうすれば再び犯罪・非行に走ることなく更生することができるのかについて見解を示します。

鑑別のために調査すべき事項は、「その者の性格、経歴、心身の状況及び発達の程度、非行の状況、家庭環境並びに交友関係、在所中の生活及び行動の状況」等に関するものです。

少年鑑別所の観護対象者となるのは、以下の者です。
①家庭裁判所、地方更生保護委員会、保護観察所の長、児童自立支援施設の長、児童養護施設の長、少年院の長又は刑事施設の長から鑑別を求められた次の者。
・保護処分または少年法18条2項の措置に係る事件の調査または審判を受ける者。
・保護処分の執行を受ける者。
・懲役または禁錮の刑の執行を受ける20歳未満の者。
②家庭裁判所から次の決定を受けた者
・少年院送致の保護処分。
・少年院仮退院者であって少年院に戻して収容する旨の決定。

(2)観護処遇

少年鑑別所は、観護措置が執られて少年鑑別所に収容される者その他法令の規定により少年鑑別所に収容すべきこととされる者及び収容することができることとされる者を収容し、これらの者に対し必要な観護処遇を行います。

観護措置は、家庭裁判所が少年の調査、審判を行うために、当該少年の心情の安定を図りながら、少年の心身を保護してその安全を図る措置です。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護の2種類がありますが、実務上、前者はほとんどとられておらず、観護措置という場合は後者を指すものとされています。

観護措置の要件について、少年法では「審判を行うため必要があるとき」との規定があるのみですが、一般的には、以下の要件を満たす必要があるとされます。
①審判条件があること。
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること。
③審判を行う蓋然性があること。
④観護措置の必要性が認めあれること。

④の観護措置の必要性については、具体的には、以下のいずれかの事由があるときに認められます。
(a)調査、審判および決定の執行を円滑かつ確実に行うために、少年の身体を確保する必要があること。
(b)緊急的に少年の保護が必要であること。
(c)少年を収容して心身鑑別をする必要があること。

観護措置の期間は、法律上は2週間を超えることはできず、特に継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとされていますが、実務上はほとんどの事件で更新がなされているので、通常は4週間となります。

また、家庭裁判所送致前である少年の被疑事件において、検察官は、勾留請求に代えて裁判官に対し観護措置の請求をすることができます。
これを「勾留に代わる観護措置」といいます。
この措置がとられた場合、請求の日から10日間、少年鑑別所に収容されます。
その後、家庭裁判所に送致され、通常はそのまま観護措置がとられ、更に1か月ほど少年鑑別所に収容されることとなります。

少年鑑別所の収容を避けるためには

観護措置がとられると、1か月ほど少年鑑別所に収容されることになります。
その間、少年は学校や職場に行くことはできませんので、少年の社会復帰を妨げてしまうことにもなりかねません。
そこで、観護措置の必要性がない場合や観護措置を避ける必要がある場合には、観護措置を避けるための活動を行う必要があります。

家庭裁判所は、事件が係属している間、いつでも観護措置をとることができます。
しかし、捜査段階から逮捕・勾留されている少年の場合、家庭裁判所に少年が到着してから24時間以内に観護措置をとらなければならないため、送致された日に観護措置がとられることがあります。

そこで、弁護士は、家庭裁判所に送致されるタイミングを見計らい、開廷裁判所に付添人届を提出し、少年について観護措置の要件・必要性がないことや、観護措置を避けるべき事情があることを述べた意見書を提出します。
裁判官や調査官との面談を行い、観護措置の要件・必要性がないこと、観護措置を避けるべき理由を提出した意見書を補充する形でしっかりと主張します。
そうすることで、家庭裁判所に送られてくる書類からでは分からない少年の事情を裁判官や調査官に伝えることができ、観護措置をとるべきか否かを判断する際に考慮してもらえる可能性があります。

捜査段階で身体拘束を受けていない少年が、家庭裁判所に送致された後に観護措置がとられることもあります。
そのため、家庭裁判所に送致される時に、観護措置をとらないよう家庭裁判所に働きかけることも必要でしょう。

このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様が家庭裁判所に送致され、少年鑑別所に収容されるのではとお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

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