盗撮犯を恐喝し逮捕

2020-07-26

盗撮犯恐喝した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県神戸市兵庫区の駅で、女性を盗撮していた男性から、現金を脅し取った疑いで、兵庫県兵庫警察署は、Aさんを逮捕しました。
男性から現金を受け取る様子を目撃した、警察官がAさんに職務質問をしたところ、Aさんが逃亡したため、警察官は男性に事情を聞き、その後、Aさんの身柄を確保しました。
Aさんは、「盗撮なんかしとったあいつが悪いんちゃうのか。」と供述しています。
(フィクションです)

恐喝罪について

刑法第249条 
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

◇犯行の対象◇

恐喝罪の客体は、「他人の占有する財物」と「財産上の利益」です。
「財物」は、有体物と、電気など物理的に管理可能なものを含みます。
刑法にいう「占有」とは、財物に対する事実上の支配をいいます。
占有があるかないかを判断するときには、占有の事実と占有の意思を総合して、社会通念に従い判断されます。
物を客観的に支配している場合はもちろんのこと、物の支配を取り戻そうと思えばいつでも取り戻せる状態も「占有」に含まれます。
「財産上の利益」は、財物以外の全ての財産上の利益を指します。
例えば、債務の免除、履行期の延期、債務負担の約束などです。

◇行為◇

恐喝罪の実行行為は、「恐喝し、財物を交付させる」又は「恐喝し、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させる」ことです。
恐喝罪が成立するには、相手方を恐喝し、畏怖した相手方が財産的処分行為を行い、財物又は財産上の利益が交付されるといった、一連の因果関係が必要です。

①恐喝
恐喝」は、脅迫又は暴行により人を畏怖させることです。
暴行・脅迫は、財物又は財産上の利益の交付に向けられたものでなければなりません。
暴行・脅迫の程度は、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度に至らず、相手方を畏怖させるに足りるものであればよく、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度に達したときには強盗罪となります。
恐喝罪における「脅迫」は、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいい、相手を単に困惑させるにとどまる場合は含まれません。
また、告知された害悪の内容は、必ずしもそれ自体が違法であることを要しません。
例えば、他人の犯罪を知る者が、捜査機関にその犯罪事実を申告する旨告知して、口止め料として現金を提供させた場合も、恐喝罪における「脅迫」に当たるとした判例があります。(最判昭29・4・6)
そのため、上のケースにおいて、Aさんが盗撮犯に対して犯罪行為を指摘したとしても、単なる指摘にとどまらず、捜査機関への申告をしない代わりに金銭を要求するなど、金銭を支払わなければ犯罪行為を捜査機関に申告されてしまうと相手方を畏怖させる害悪の告知をしたのであれば、「脅迫」に当たるでしょう。

②財産的処分行為
恐喝罪が成立するためには、畏怖により生じた瑕疵ある意思に基づいて、物・財産上の利益が交付される必要があります。
財産的処分行為が成立するためには、財産を処分する事実と処分する意思が必要となります。

◇結果◇

相手方の財産的処分行為の結果として、行為者側に財物の占有や財産上の利益が移転することが必要となります。
恐喝行為によって、相手方が畏怖し、畏怖に基づく財産的処分行為によって財物の占有又は財産上不法の利益が行為者又は第三者に移転した時に恐喝罪が完成した(既遂)ことになります。
恐喝罪の成立のためには、①恐喝行為⇒②畏怖⇒③畏怖に基づく財産的処分行為⇒④財物の交付又は財産上不法の利益を得る、の因果の流れが成立することが必要です。

◇故意◇

他人を恐喝して、畏怖に基づく財産的処分行為により、財物又は財産上不法の利益を得、又は他人に得させること及びその因果関係を認識することが必要です。
この故意とは別に、条文にはありませんが、不法領得の意思も判例上認められた要件です。

恐喝事件における弁護活動

(1)被害者対応

被害者がいる事件においては、被害者対応が重要な弁護活動のひとつとなります。
被害者への謝罪・被害弁償が済んでいることや示談が成立しているかどうかといった点は、検察官が起訴・不起訴を判断する際や裁判官が量刑を決める際に考慮される重要な要素だからです。
恐喝事件においても、弁護士は早期に被害者と示談交渉を行い、被害弁償の上、処罰を求めないなどの約束をしてもらえるよう動きます。
示談が成立した場合、不起訴となる可能性が高くなりますし、起訴後であっても、執行猶予となる可能性を高めることになります。

(2)身柄解放活動

逮捕されてしまった場合には、その後に勾留となり長期の身体拘束を強いられないよう身柄解放に努めます。
検察官に対して、勾留の要件を満たしていないことや勾留によって被り得る不利益が大きいことを主張し、勾留請求しないことを求めます。
検察官が勾留請求した場合には、今度は裁判官に対して、勾留の決定をしないよう意見書の提出や面談を通じて説得的に主張し、勾留回避に動きます。
勾留が決定した後であっても、勾留に対する準抗告を行い、早期の身柄解放を目指します。

このような活動は、刑事事件に精通する弁護士に依頼するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
恐喝事件でご家族が逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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