AirDrop悪用で迷惑防止条例違反

2019-09-06

AirDrop悪用で迷惑防止条例違反

AirDrop悪用での迷惑防止条例違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所神戸支部が解説します。

~ケース~
兵庫県警察サイバー犯罪対策課は、電車の正面に座った女性のスマートフォンにAirDropを利用してわいせつな画像を送りつけたとして、兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで兵庫県内に住むAさんを逮捕しました。
Aさんは容疑を認めており、被害者に被害弁償を行いたいと考えています。
(実際の事件を基にしたフィクションです)

AirDrop痴漢事件

AirDrop(エアドロップ)は、Apple制のディバイス同士で簡単にデータファイルの受け渡しができる機能です。
周辺のApple製ディバイス間で、写真やデータファイルなどのコンテンツを共有することができるので、友達と写真を共有する際には役立つ機能です。
しかし、AirDropの受信制限の選択を「すべての人」としている場合、まったく知らない人からの送られているデータを受信する可能性も生じてしまいます。
この機能を悪用し、わいせつな画像を見ず知らずの人に送信し、受信した人の驚く顔を見て楽しむといったAirDrop痴漢事件が起きました。
警察は、AirDrop痴漢事件を各都道府県が定める迷惑防止条例違反として摘発しています。
兵庫県の迷惑防止条例は、その第3条の2において次のように規定しています。

(卑わいな行為等の禁止)
第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

当該条項は、痴漢や盗撮に対して適用されることで知られています。
AirDrop痴漢の場合も、「人にわいせつな画像を見せる」という行為が「人に対する不安を覚えさせるような卑わいな言動」に当たると考えられるでしょう。
また、そのような行為を行った場所が電車内であれば、「公共の乗物において」行ったのであるから、迷惑防止条例第3の2第1項第1号に該当することになります。
当該違反行為の刑事罰は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
常習として当該違反行為を行った場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金と加重されます。

不起訴処分とするためには

迷惑防止条例違反は親告罪ではありませんが、被害者との示談が成立している場合には、検察官が不起訴処分とする可能性は、成立していない場合と比べて高いと言えます。
勿論、複数回違反行為を行っていたり、犯行が悪質である場合には、被害者との示談が成立していたとしても、略式起訴若しくは公判請求となる可能性はあります。
しかし、そうでない場合には、被害者との示談成立を考慮して、起訴猶予で不起訴となるケースが多く、不起訴処分を獲得し前科を回避するためには被害者との示談成立が重要となります。
痴漢事件や盗撮事件では、見ず知らずの人が被害者となることが多く、一般に加害者が被害者の連絡先を知っていることは稀です。
連絡を取るには、警察などを通して教えてもらう必要がありますが、被害者が自分の連絡先を教えることを拒否する、捜査機関が証拠隠滅のおそれから被害者との接触を避けるために、容易に被害者の連絡先を入手することは出来ません。
そのような場合には、弁護士を介して示談交渉を行うのがよいでしょう。
弁護士限りであれば、連絡先を教えてもいいと回答する被害者も多く、代理人である弁護士を通しての示談交渉は、感情論的になり交渉が決裂したり高額な示談金を請求されるといったことを回避することにもつながります。
また、法律のプロである弁護士に、しっかりとした示談書を作成してもらうことで、後々に民事事件で慰謝料等を請求されることのないようにすることもできます。

刑事事件で加害者となり、被害者との示談交渉にお困りであれば、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで。