ホテル代等の支払いで児童買春罪成立?

2019-09-07

ホテル代等の支払いで児童買春罪成立?

~ケース~
会社員のAさんは、出会い系アプリで知り合ったVさん(17歳)とホテルで行為に及びました。
ホテル代、交通費や飲食代はAさんが支払いました。
ある日、兵庫県神戸西警察署から、「Vさんとの児童買春の件で話が聞きたい。」との連絡を受けたAさんは、自身の行為は児童買春罪には当たらないのではないかと思い、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

児童買春罪とは

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、「児童買春・児童ポルノ禁止法」といいます。)は、児童買春及び児童ポルノに係る行為を禁止し、違反行為に対しては刑事罰を設けています。

児童買春罪の関連規定は、次の通りです。

第四条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

児童買春罪の法定刑は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金となっており、非常に思い犯罪であることをご理解いただけると思います。

ここでいう「児童買春」とは、どのような行為かというと、児童買春・児童ポルノ禁止法において以下のように定義されています。

2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者

つまり、児童買春罪が成立する要件は、
①児童、児童に対する性交等を周旋した者、若しくは児童の保護者または児童をその支配下に置いている者に対して、
②対償を供与し、又はその供与の約束をして、
③当該児童に対し、性交等をする
ことです。

②の「対償」については、
(1)性交等の反対給付といえるか、
(2)供与されたものが社会通念上経済的利益にあたるか
により判断されます。
この「対償」は性交に先立って供与または供与の約束がなされることが必要です。
性交後に、はじめて児童から請求があった場合には児童買春にはあたらないことになります。
Aさんは、ホテル代、飲食代、交通費を支払っています。
AさんがVさんに直接現金を渡したり、欲しい物を買ってあげたりしていなくとも、債務の免除も「対償」に含まれますので、ホテル代等の支払いも「対償」に当たると考えられるでしょう。
このような「対償」の供与又は供与の約束を、性交等を行う前にしておらず、性交等を行った後にホテル代等支払ったのであれば児童買春罪は成立しないことになります。

また、児童買春罪の成立には、「児童等に対し、対償の供与又はその供与の約束をして当該児童に対し性交等をすること」についての認識・認容がなければなりません。
「相手が18歳未満だとは知らなかった」と主張する被疑者が多いのですが、身分証を目視で確認するなどして「18歳未満ではない」と確証があるなどしない限り、相手方の年齢を18歳以上だと思っていたとする主張は認めらることは難しいでしょう。

Aさんのケースでは、「対償の供与・供与の約束」が性交等の前にあったか否かが問題になりますが、相手方が18歳未満であれば、児童買春罪が成立せずとも淫行条例違反となる可能性もありますので、いずれにせよ刑事事件に強い弁護士に相談するのが得策でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、児童買春事件を含めた刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件の被疑者となり、対応にお困りであれば、弊所の弁護士にご相談ください。